ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~

ー秋葉原:ゲーセンがしゃどくろ(3/15/昼)ー

悠「うおぉ、マジだ。まじで筐体のストⅡがある。しかも五十円の筐体だ。レッツプレイ!」

~一時間後~

「くそっ…」

悠「よしゃ二十五連勝」

「兄ちゃんすげー」

悠「ふふふ、稼働時からやり続けてきたからな。ストリートファイターⅡは…(家庭用ゲーム機になってから全然格ゲーしなくなったから腕は落ちまくりだけど。)」

「だったらあんた向こうで連勝してる奴止められるか?」

悠「あー?」

「ザンギエフでずっと勝ち続けてる奴がいるんだよ。」

悠「ザンギエフでだと…」

「あぁ、出すのが困難なスクリューパイルドライバーをいとも簡単に繰り出してるぜ」

悠「マジか…。」

禅「豪指(ごうし)…の…小鳥遊悠…と…呼ばれた…悠…さん…なら…挑戦…します…よね」

悠「うーむ…どうしょうかな……っか、禅!?」

禅「悠…さん…。フット…ワーク…軽すぎ…です。…やっと…追い付き…ました」

悠「着いてきたのか…一緒に行こうっていえばいいのに。っか、豪指なんて称号持ってないぞ。」

禅「細かい…ことは…いいじゃ…ない…ですか…。それより…是非…悠…さんの…力を…見せ…つけ…ましょう」

悠「見せつけるって…禅そんなキャラだったけ?」

禅「俺の…ように…ヤニ臭い…ゲーセン…で…ゲームに…没頭…する…人間は…こういう…場で…は…テン…ション…あげ…あげ…なんです」

悠「気持ちは解らんでもない。」

禅「じゃ…いき…ますか…」

悠「うーむ…自信ないな」

~十分後~

禅「……」

悠「負けた…」

「二十五連勝の兄ちゃんが二十九連勝に負けたぞ」

悠「ぐっ…」

禅「仇…とりま…しょうか?」

悠「いや……あまりやりたくはなかったが策(ガイル)を使うことにする」

禅「まさか…」

悠「対戦格闘ゲームおける数々のタブーのひとつ。」
しゃがみ中キック
しゃがみ中キック
しゃがみ中キック

遠距離ソニックブーム

相手飛び込み

サマーソルトキック

禅「待ち…ガイル」

「あの兄ちゃん…恥ずかしげもなく美しくないやり方を選びくさったよ」

「巨体かつ飛び技を持たないザンギエフにとって苦戦を強いる戦法だぜ。」

悠「……」

「おお!当たり前だが初めてラウンドをとられたぞ」
禅「これで…一勝一敗…。最終…ラウンド…」

「次の戦いでも待ちをやられたらひとたまりもねぇ。30連勝をこの卑怯な兄ちゃんが止めるのか」

悠「……」

「あ、兄ちゃん待ちガイル戦法を使わずに堂々と戦う気だ!」

「最終局面になって正攻法でいくとはなかなか男らしい男よ…!」

悠「ふ…ふふ…正攻法?おれにあるのは勝利への欲のみ!」

小キック

投げ

禅「投げ…ハメ…」

悠「小攻撃を防御することで生じる一瞬の膠着状態をついた最悪な投げ戦法!対人戦ではトラブルの元となるぜぇ!」

「最悪な兄ちゃんだな…」

悠「ふふふ…さぁて対戦相手は…」

少女「……」

悠「こ、子供!?」

少女「……」

パァン!ダッ…

悠「いってぇ!?」

禅「……いい…パンチ…でしたね。逃げ…足も…はやい。」

悠「それより…子供相手に投げハメした数分前の自分を殺したい…」

禅「帰り…ますか」

悠「うん…」
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