ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~

ーラスタ・ラヴ(3/7/夜)ー

炎銃「万引きやってたのを取っ捕まえたら簡単に吐きました。どうやら中坊が意気がって集団でやってたみたいです。しかもSウルフの名前を勝手に使ってもいたみたいなんでちぃっと痛い目にはあわせました。報告は以上です」

崇「ふむ。」

炎銃「問題は無いと思いますけど。まぁ、下手に調子乗るようなら今後二度と池袋を歩かせません。」

崇「ご苦労。」

炎銃「いえ、じゃあ失礼します。」

崇「待て。」

炎銃「はい?」

崇「一杯やってけ。今日は俺の奢りだ。」

炎銃「マジっすか。じゃあ遠慮なく、美喜バーボントリプルで頼む」

美喜「はいはい。バーボン好きね。」

炎銃「キュッてくるのがいいんだよ」

崇「薫もバーボンよく飲んでたな。」

炎銃「崇さん…勘弁してくださいよ…。」

崇「くくっ。そこまで嫌か。」

炎銃「嫌っか、なんかイライラくるんすよ」

崇「ふむ。まぁ確かに薫はある意味人をイラつかせるからな。」

炎銃「よく付き合い続けれますね」

崇「ふふ。彼奴は彼奴で俺より優れてるところが沢山ある。」

炎銃「どぉこがっすか?」

崇「まず、頭がいい。」

炎銃「インテリぶってるだけっすよ」

崇「性格も人に好まれる。」

炎銃「裏は陰険です」

崇「なにより…薫は育てることに長けている」

炎銃「……はい?」

崇「人に慕われると同時に人を育てるのが上手い。こればかりは氷室薫という男の天性…」

炎銃「ちょ、ちょっと待ってください!」

崇「どうした?」

炎銃「俺には彼奴が人を育てる事がうまいとは思えません。それはむしろ崇さんの方が…」

崇「俺はものを育てるのが苦手だ。今まで飼育していた愛玩動物は悉(ことごと)く壊れてしまった。最後の希望はまだ生き残っているが…」

炎銃「そういいますけど、氷室の奴は下の者に離反されてるんすよ。」

崇「だが、それで千夜は十二分に成長している。あの男は伸びるぞ。良き目標、師、友に恵まれて上にたつ自覚も持ち始めている。」

炎銃「それなら崇さんだってSウルフの頭として何千のガキを動かしてる。」

崇「育てるのと、動かすのは違う。」

炎銃「うぅ…」

崇「だが、その辺りの事は俺がやらなくとも本郷がどうにかする。」

炎銃「そ、そうですよ。崇さんは王なんっすから、命令して俺らをうまく動かしてください!」

崇「あぁ、炎。お前は頼りになる。」

炎銃「や、はは、そんな、照れちまいますよ。っか、崇さんも飲んでくださいよ。美喜、ほら、崇さんにも」

美喜「ワイルドターキー?」

崇「いや、俺もバーボントリプルにする。」

澪「はい、どうぞ。」

崇「ゴクッ……ふぅ」

炎銃「すげぇっすよね。一息に飲めるんすから」

崇「慣れだ。」
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