ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~

ーラスタ・ラヴ(3/6/夜)ー

ともき「今日は暑かったな」

紅「確かに。俺、普通に首に巻いてたマフラーがタオルに変わったよ。」

悠「暑くなるのは良いことだ。」

紅「悠は南の生まれだっけ?」

悠「いや、東の生まれですが…」

紅「東のエデン?」

悠「微妙なこと言うな。」

ともき「まぁ、温くなるのはいいよな。」

悠「ポカポカしてるときにイチゴ狩りとかいくと楽しいぞ」

ともき「イチゴ狩りか。」

悠「ジャムにして、アイスにして、ケーキにして、ジュースにして、酢にして…」

紅「酢?イチゴの?」

悠「甘酸っぱくて上手いぞ。水で薄めて飲むんだ。リンゴ酢とか聞いたことあるだろ?」

美喜「イチゴでも作れるの?」

悠「出来るさ。色は紅(スカーレット)色になるからなかなか美色だぞ」

紅「それは素晴らしいな」

ともき「色判断したよな?」

悠「なにより香りがいいんだよ。もともとイチゴなんかは果実香が強い食材だし。」

紅「香りってそんな重要か?」

悠「フレイバー(味と香り)の要素は料理において重要性が高いぞ。まぁ、香りはやや科学的な分野だけどな。」

澪「どうゆうことだ?」

悠「人間が知覚できる味はたったの五種類。甘味、酸味、塩味、旨味、苦味。それに対して香り成分は約八百種と複雑な上、解明されてない要素も多い。おれたちが「味」っといってるものはほぼ香りだ。それは鼻を通って口内から昇ってくる香りが「味」と認識してるからなんだ。」

紅「あー、そういや、鼻詰まってると食ったものの味わからないな。」

悠「だからもし香りの仕組みを完全に解き明かしたなら一気に料理は進化するぞ。まぁ、科学はおれにとっては未知の領域だけどな。」

ともき「悠はどこを目指してるかわからないよな。」

悠「あー?」

ともき「それなりに料理のことを知りつつ、今みたいに科学な分野にも話を振れる。けど、別にどっちの枠にもハマろうとしない。」

悠「科学な分野ってもかじりだけだずぇ。広く浅くなアレだよ。」

紅「その広く浅くなアレで俺に夕御飯をご馳走してくれるんだよな。」

悠「うーむ、どこをどう繋げればそういう答えに行き着いたのか非常に興味深い。」

紅「いや、お腹空いたからいってみただけだ。」

ともき「シンプルだな。」

悠「じゃあ飯でも食いにいくか……割り勘で」

紅「はい、悠の手料理がいいです」

悠「めんどくさいから嫌です。そうだ。ともきにつくって貰おう。」

ともき「食いに行けよ。っーより、たまには悠が俺に振る舞えよ!」

悠「ともきの味が…ちぇきだから。」

ともき「誤魔化されるか。」

悠「チチィ~」

ともき「今のは舌打ちなのか?」

悠「じゃあ、金剛のところで焼き肉かキリンさんところで和食にしよう。」

紅「あ、じゃあ三日月がいい」

ともき「途中でATM寄ってからな。」
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