ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタ・ラヴー

悠「…アンタは?」

森下「あぁ、すまない。僕は森下というものなんだけど…えーと、あっ、たあった!これが僕の名刺。」

悠「雑誌のコラムニスト?」

六花「記者さんかー。けど、なんでこんなところに?」

美喜「り・っ・か~、こんなところって何かしら?」

六花「えっ………。」

美喜「……」

六花「……あ、いや違うよー。お店にケチ着けたんじゃないですよ♪どうして、ファッション雑誌の人がアンダーグラウンドのバーにいるのかなって意味。」

美喜「アンタ…可愛いわね。」

六花「?」

悠「そこの二人は無視して…ホントにコラムニストが何のようだ?ガキが酒飲んでるから有ること無いこと書いて乱れる未成年って貶めたいのか?」

森下「い、いや、そんなつもりは全然ないよ。」

澪「悠、その人は崇さんの記事を書こうと情報を集めているんだ。悪い人じゃないよ。」

悠「タカシの記事って…それ、すげぇ無謀だな。」

森下「はは……。もう軽く五十九回は断られたよ。」

澪「そ、そんなに…」

六花「あと、五百回がんばれば「ここく」になるねー。」

悠「っーか、五十九回挑んだアンタも大したもんだよ。終いには他の連中に消されるぞ…。」

森下「そ、それは困るな…。」

澪「悠、脅すのも止めたげろ。」

悠「すまん、すまん。ワルノリが過ぎたな。それで、崇の何が聞きたいんだ?」

森下「あ、いや、小鳥遊君には君の話を聞かせて欲しいんだ。できれば宗方君にも」

悠「あん?俺の話?」
六花「あたしの話?」

森下「紅君から聞いたよ。この街で本気で困ったなら小鳥遊悠か宗方六花に頼れば良いって。」

悠「帰るか。」

六花「うん。そだね。」

森下「ちょ?!な、なんでだい?」

悠「俺は別に慈善事業で人助けなんかしてないし。」

六花「同じく。」

森下「謝礼が必要ということかい?」

悠「要らない。別に金のためにやってる訳じゃないし。」

森下「じゃあ…なにが?」

六花「うーん…言うなれば暇潰しかな。暇なときにたまたま困った人がいて、たまたま、あたしや悠くんを頼ってくるから、話ぐらいは聞いてみるみたいな」

森下「あ、じゃあ暇潰し程度に僕の話を聞いてくれないか。」

悠「分かってないな…」

六花「けど、タカシに五十九回もアポ取ろうとするだけあるね。引かないしー。」

森下「少しだけでもダメかい?」

悠「はぁ…わかったよ。少しだけな。」

森下「ありがとう!じゃあ、趣味は?」

悠「喧嘩・遊び・徘徊」

六花「喧嘩・遊び・歌」

森下「と、特技は?」

悠「百ぴきのゴリラの群れから一匹のメスゴリラを見分けられます。」

六花「学校の屋上から飛び降りても綺麗に着地する自信があります。」

森下「……」

澪「多分同時に聞かない方がいいですよ。」

美喜「マジかボケか天然か解らないからね。ツッコミを用意しとかないと。」
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