ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ー小鳥遊邸・広間(2/2/深夜)ー

柳「ふぅむ、これは…よっ…」

悠「痛っっ…ちょ、柳さん痛い!痛いです!」

柳「ほっほほ」

駒狸「古川先生、冗談はそのくらいに、というか悠君も、痛いのは当然です!なにしたらこんなことになるんですか」

悠「鉄球を凝縮したような物体を受け止めた。」

駒狸「意味がわかりません。」

柳「しかし、運が良いですのう。」

悠「どこがだよ」

柳「骨が折れていないので」

悠「えぇ!?」
駒狸「えぇ!?」

柳「手首が完全に外れてるだけですじゃ。」

駒狸「あの、レントゲンとかで見てなくてわかるんですか?」

柳「経験ですかのぅ」

悠「いや、かなり腫れてるんだけど」

柳「それは、ただ血管が傷ついて血が溜まってるのでコブができてますがな…さて、どうしますかなっ……」

悠「どうしますかなって?」

柳「手首自体ははめて固定すればいいのですが、この血膨れをどうにかしないといけません。つまり…」

駒狸「血を抜かないといけませんね」

悠「……待て、ここ手首だぞ?」

柳「お嬢ちゃん、鞄の中から採血針と注射器を取ってもらえますかのう」

駒狸「はいっ」

悠「いや、「はいっ」じゃなくて刺すの?手首に針を刺すの?痛いよね」

駒狸「そのままにしておくわけにはいきませんよ?」

悠「いや、それにしたって…」

柳「なぁに、すぐに済みますぞ。それに安心してくだされ血を抜くよりそのあと手首をはめなおす方が痛いですからのぅ。ほっほほ」

悠「安心が完全に行方不明ですけど!」

柳「じっとしていないと変なところを刺しますぞ。」

悠「ひっ…」

駒狸「悠くんもしかして注射が怖い?」

悠「注射は怖くない、だが、採血は怖い。血液を抜かれてると思うと、ゾクゾクしてむちゃ気持ち悪い」

駒狸「意外な一面です。血を見るの平気と思ってましたから」

悠「血を見るとかじゃないんだよ!針を刺されて体液を抜き取るって行為が嫌なんだ!」

柳「では刺しますぞ。この針を今からプスリと…」

悠「いちいち見せるな解説するな!」

柳「ほっほほ」

駒狸「怖くないですよお。はい、大丈夫ですからね」

悠「駒狸さんも子供扱いしないでくれ」

柳「ほっほほ、終わりましたぞ」

悠「はぁ…」

柳「ついでに…」

ゴグリリッ

悠「い?!でぇえぇ!!」

柳「ほい、ハメ終わりましたぞ」

悠「痛い痛い痛いし、針刺したところからめっちゃ出血してるし!」

駒狸「ガーゼで押さえてよく揉んでください」

悠「痛くて触れねぇよ!!」

柳「ほっほほ。とりあえずこれで様子見ですな。しばらくは左手を動かさぬようにしてくだされ」

駒狸「古川先生、ありがとうございました」

悠「めっさいでぇ~…」
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