ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ーラスタ・ラヴ(2/2/夜)ー

崇「……冷えるな」

氷室「おや…」

崇「なんだ?」

氷室「いえ、崇も寒さを感じるんだな…っと、思っただけです。」

崇「……」

氷室「しかし、本当に冷えますね。すみません、ホットワインをいただけますか?」

美喜「できるけど、あれって美味しいの?」

氷室「かなり好き嫌いは別れると思います。私は……苦手では無いですよ。」

美喜「今の微妙な間は?」

氷室「苦手では無いですが好んで飲むほどではないので」

澪「あの…別に好きなものつくりますよ?」

氷室「いえ、構いません。」

崇「お前も時々訳がわからんな。」

氷室「誰かがボケないとダメでしょ?」

崇「知るか。」

澪「はは…崇さんは?」

崇「ブランデーだな。」

鈴猫「こんばん…わ。」


氷室「おや、鈴猫さん、こんばんわ。」

崇「よう。」

鈴猫「二人で飲んでるの?」

氷室「えぇ。今日は珍しいところで会ったので」

鈴猫「珍しいところで?」

氷室「レンタルビデオショップの中の自販機です」

鈴猫「なにその細かいのは…」

氷室「そういえばあんなところで何をしたんです?」

崇「自販機の前で飲み物を買う以外なにをするんだ。缶コーヒーを買おうとしてただけだ」

氷室「そうですか。」

鈴猫「氷室は?」

氷室「私はCDを見ていました。とくに目ぼしいものが無かったので、出るついでに缶コーヒーでも買おうとしたら崇に会ったんです」

澪「缶コーヒー好きなんですか?」

氷室「昔はいちにち三本は飲んでました。崇はおかしなくらい飲んでましたが。」

崇「苦いのにハマっていたんだ。」

鈴猫「そういえば中学のときはいつも飲んでたの珈琲だったわね。」

崇「お前は……なんでも飲んでたな」

鈴猫「その悪食みたいないいかた止めてくれない」

氷室「覚えてますか?昔、三人でお好み焼き食べにいったこと」

鈴猫「急になに?」

氷室「いえ、ただの昔話です。」

崇「よく覚えてる。俺と氷室は普通にお好み焼きを頼んだのに鈴猫はもんじゃ焼きを頼んでぐちゃぐちゃにした」

鈴猫「余計な事を…」

氷室「あれは笑えましたね。最終的に部分的に焦げたり生焼けのもんじゃ焼きを全員で食べるはめになって。」

崇「あれ以来もんじゃ焼きは食ってないな。今だから言うがあれはゲロみたいになってたぞ」

鈴猫「……」

氷室「そういえば…調理実習のとき、崇が珍しく参加したと思ったら鈴猫さんに調理器具に触らせないようにしたこともありましたね」

崇「ゲル製造を中止しただけだ。」

鈴猫「そこまでいう!?」

氷室「まぁ、焼いた卵がフライパンから落ちないのは私もいろいろ見てきましたが、あの衝撃を超えたものはなかなか有りませんよ。」

鈴猫「だからアンタらと話すの嫌いなのよぉ…」
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