ー特別篇ータピオカミルクティードリーム
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
手袋をして作業していたとき、おれのスマートフォンが震え出した。バイブって心臓によくないよな。拳二からだ。
「どうしたんだ、今いそがしいんだぞ。」
拳二は相手にせずに言う。
『お前が忙しいはずなんてないだろ。そんなことより、今「陽来軒」に警察の手入れが入ってるぞ。池袋署の生活安全課だ。柏の野郎が居た。』
おれは手元の封筒を放り投げた。もう必要もない。
「どうしてガサが入ったんだろう?」
『噂はいろいろだが、ツケを踏み倒して逃げた客が警察にチクったらしい。金も払わずに逃げて、店を売るなんて、恐ろしい客もいたもんだ。だから堅気は怖いよ。』
おれは銀司の店で揉めていた手の甲に丸いタトゥーをいれた男を思いだしていた。あのあと奴はボコられたのだろうか。
「この前のあいつか」
『いや、違うらしい。性質の悪い客が他にもいたらしい。こういうことがあるから、薬物でデカく稼ぐより、タピオカを売ってコツコツ稼ぐ方がいいんだよ。』
とても本職とは思えない言葉だった。思わず笑ってしまう。おれは古い学習机のうえの封筒に目をやった。せっかくの労作もこれで用無しだ。
まあ、これでいいだろう。夕方になったら、大前のおっさんの顔を見にグリーン大通りにでもいってみよう。おれのお役もこれでごめんだ。
午後六時半、池袋駅東口にそびえる西部とPARCO山脈のうえの空が、赤く燃えあがった。駅に向かう会社員や学生の顔も夕日に映えて赤々と輝いている。おれは熱のない夕焼けの光が結構好きだ。店番をしていても見事な夕焼けになると、歩道に飛び出し、いつまでも間抜けな面で夕日を眺めてたりする。
夕日評論家のおれが八十五点をつけた西空を背にして、夏水堂に向かった。おれの顔を見ると、大前のおっさんが表情を変えた。タピオカミルティーを両手で貢物のようにもって、小走りでやってくる。直立不動で頭を下げた。
「悠さん、本当にありがとうございました!!」
冷たいミルクティーを受け取った。
「なんの話だか、よくわからないんだけど。」
「会社を出ると、浩一が待ち構えていました。今朝、家の前である人にあった。その人に友達と「陽来軒」に入るところを見られて、写真も撮られた。眠くならずに勉強がはかどるいい薬があると、、浩一は誘われたそうです。その人はれからもあのスタンドにいくのなら、全てを警察と学校に送るといったそうです。」
「どうしたんだ、今いそがしいんだぞ。」
拳二は相手にせずに言う。
『お前が忙しいはずなんてないだろ。そんなことより、今「陽来軒」に警察の手入れが入ってるぞ。池袋署の生活安全課だ。柏の野郎が居た。』
おれは手元の封筒を放り投げた。もう必要もない。
「どうしてガサが入ったんだろう?」
『噂はいろいろだが、ツケを踏み倒して逃げた客が警察にチクったらしい。金も払わずに逃げて、店を売るなんて、恐ろしい客もいたもんだ。だから堅気は怖いよ。』
おれは銀司の店で揉めていた手の甲に丸いタトゥーをいれた男を思いだしていた。あのあと奴はボコられたのだろうか。
「この前のあいつか」
『いや、違うらしい。性質の悪い客が他にもいたらしい。こういうことがあるから、薬物でデカく稼ぐより、タピオカを売ってコツコツ稼ぐ方がいいんだよ。』
とても本職とは思えない言葉だった。思わず笑ってしまう。おれは古い学習机のうえの封筒に目をやった。せっかくの労作もこれで用無しだ。
まあ、これでいいだろう。夕方になったら、大前のおっさんの顔を見にグリーン大通りにでもいってみよう。おれのお役もこれでごめんだ。
午後六時半、池袋駅東口にそびえる西部とPARCO山脈のうえの空が、赤く燃えあがった。駅に向かう会社員や学生の顔も夕日に映えて赤々と輝いている。おれは熱のない夕焼けの光が結構好きだ。店番をしていても見事な夕焼けになると、歩道に飛び出し、いつまでも間抜けな面で夕日を眺めてたりする。
夕日評論家のおれが八十五点をつけた西空を背にして、夏水堂に向かった。おれの顔を見ると、大前のおっさんが表情を変えた。タピオカミルティーを両手で貢物のようにもって、小走りでやってくる。直立不動で頭を下げた。
「悠さん、本当にありがとうございました!!」
冷たいミルクティーを受け取った。
「なんの話だか、よくわからないんだけど。」
「会社を出ると、浩一が待ち構えていました。今朝、家の前である人にあった。その人に友達と「陽来軒」に入るところを見られて、写真も撮られた。眠くならずに勉強がはかどるいい薬があると、、浩一は誘われたそうです。その人はれからもあのスタンドにいくのなら、全てを警察と学校に送るといったそうです。」