ー特別篇ータピオカミルクティードリーム
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「おれはお前のことをいつでも見ている。もし、約束を破れば、このファイルは池袋署とお前の高校に送られる。大前浩一というという名前と一緒にな。」
また顔が青くなった。朝の爽やかな住宅街で浩一は質問した。
「本当にすみません。でもどうして、僕のことなんか、そんな気にして……いや、気にかけてくれるんですか?」
恐ろしいけれど、それほど悪い奴とは思ってないようだ。おれはドラッグストアの映像より強い、ほんものの切り札を投げてやった。
「浩一がどう思っているのかわからない。だが、お前の親父さんは偉い人だ。おれはあの人に世話になったから、お前のことを見ていた。もし今回のことで本当に謝りたいのなら、おれより親父さんに頭を下げるんだな。まあ、気が進まないなら、無理にとは言わないが。」
じっとおれの顔を見つめてから、浩一が言った。
「はい、考えてみます。」
「予備校の時間だろ。もう行っていいぞ。」
「ありがとうございます。」
朝の通学路で魔法使いに出もあったような不思議そうな顔で、おれを見ていた。
「忘れるなよ。ファイルはおれの手元にある。お前が道を逸れるとき、そいつが使われることになる。」
浩一が頭を下げて叫んだ。
「そんなことに絶対ならないように気をつけます。あの、お名前は?」
「名前なんてどうでもいい。親父さんに世話になっただけの人間だ。」
手を振って、浩一を駅の方へ追い払った。そういいながら、おれは疑問に思ってたんだ。おれは大前のおっさんにどんな世話になったのだろうか。この半月ほどで親しく口をきくようになった負いだし部屋の会社員に過ぎない。けれど、人と人の出会いとはそんなものじゃないだろうか。おれ達はみな損得だけでは動かないのだ。
おれを動かしたのは、一部上場企業ではまるで評価されない大前のおっさんの人間としての力だったと思う。まあ、放っておけないやつっているもんな。こっちには何のメリットがなくてもさ。
おれは少し遠回りして、朝の住宅街を西武池袋線小手指駅に戻った。浩一と同じ池袋行準急には乗りたくないからな。
大前のおっさんの息子に、なんとか救急の手当てはできた。
あとはあせらずのんびりと、銀司の店を潰すだけだった。得意の密告パターンである。部屋にこもり、プリンターでスマートフォンの映像をカラー印刷する。銀司は高精細のレーザープリンターで再現しても間抜けなままだった。音声ファイルと元の映像情報はUSBに落として、写真と一緒に封筒に入れた。
また顔が青くなった。朝の爽やかな住宅街で浩一は質問した。
「本当にすみません。でもどうして、僕のことなんか、そんな気にして……いや、気にかけてくれるんですか?」
恐ろしいけれど、それほど悪い奴とは思ってないようだ。おれはドラッグストアの映像より強い、ほんものの切り札を投げてやった。
「浩一がどう思っているのかわからない。だが、お前の親父さんは偉い人だ。おれはあの人に世話になったから、お前のことを見ていた。もし今回のことで本当に謝りたいのなら、おれより親父さんに頭を下げるんだな。まあ、気が進まないなら、無理にとは言わないが。」
じっとおれの顔を見つめてから、浩一が言った。
「はい、考えてみます。」
「予備校の時間だろ。もう行っていいぞ。」
「ありがとうございます。」
朝の通学路で魔法使いに出もあったような不思議そうな顔で、おれを見ていた。
「忘れるなよ。ファイルはおれの手元にある。お前が道を逸れるとき、そいつが使われることになる。」
浩一が頭を下げて叫んだ。
「そんなことに絶対ならないように気をつけます。あの、お名前は?」
「名前なんてどうでもいい。親父さんに世話になっただけの人間だ。」
手を振って、浩一を駅の方へ追い払った。そういいながら、おれは疑問に思ってたんだ。おれは大前のおっさんにどんな世話になったのだろうか。この半月ほどで親しく口をきくようになった負いだし部屋の会社員に過ぎない。けれど、人と人の出会いとはそんなものじゃないだろうか。おれ達はみな損得だけでは動かないのだ。
おれを動かしたのは、一部上場企業ではまるで評価されない大前のおっさんの人間としての力だったと思う。まあ、放っておけないやつっているもんな。こっちには何のメリットがなくてもさ。
おれは少し遠回りして、朝の住宅街を西武池袋線小手指駅に戻った。浩一と同じ池袋行準急には乗りたくないからな。
大前のおっさんの息子に、なんとか救急の手当てはできた。
あとはあせらずのんびりと、銀司の店を潰すだけだった。得意の密告パターンである。部屋にこもり、プリンターでスマートフォンの映像をカラー印刷する。銀司は高精細のレーザープリンターで再現しても間抜けなままだった。音声ファイルと元の映像情報はUSBに落として、写真と一緒に封筒に入れた。