ー特別篇ータピオカミルクティードリーム
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日は既に高く、気温は軽く三十度を超えている。日陰で待っていたおれも、完全に汗だく。駅に向かう浩一に後方から近付き、肩に手を置く。やつはびくりと震えて、振り向いた。おれが誰だか分からない表情。おれは舌を垂らして低い声でいった。
「おい、お前ら三人組が池袋のタピオカミルティーの店でなにを買っているのか、おれはよく知ってル。コイツを見ろ。」
スマホで一瞬で青ざめた浩一の顔に差し出してやる。画面には半分閉じたシャッターと今では悪い方のドラッグストアに変わった陽来軒が映っている。ついでに音声ファイルを開いてやった。
『ここの店のブツはものがいい。あるだけ買っといた方がいいぞ。』
誰だか知らないジャンキーの声。浩一は汗だくで震えている。
「お前たちは先週、この店である物を買い、グリーン大通りの先にあるカラオケ屋にいったよな。その時の写真もある。」
おれはじらすようにゆっくりとスマートフォンを操作した。カラオケ屋の自動ドアに吸いこまれる三人の悪ガキの背中。肩に下げているデイパックは、浩一が今持っているのと同じだ。おれはきついお灸をすえるつもりだった。最近、高校生の間でも違法薬物は流行り始めている。性病と薬物汚染に関しては鉄壁といわれた日本社会が崩れつつあるのだ。
「コイツを警察、あるいはお前が通う高校に持ち込んだら、どうなるかな。」
浩一は目に見えて震え出した。
「よくて退学、悪ければ少年院送りだな。お前の未来なんて、紙屑のように吹き飛ぶ。」
蚊の鳴くような声で浩一が言った。
「寄る眠くならないで、勉強が捗ると聞いたんです。そこまで怖い薬だとは思っていませんでした。どうしたら、その画像を消してもらえますか。」
おれはたっぷりと間を取っていった。
「そうだな……来月までに百万もってこい。親に泣きついて借りようが、誰かから盗もうが構わない。」
揺さぶるときは徹底的に揺さぶらないといけない。ちょっとした好奇心や悪い友達からの誘いで、人生を台無しにするよりはましだ。
「……そんなこと」
高校生に百万の大金など作れるはずがなかった。
「……できるわけないよな。じゃあ、このファイルはしばらくおれの預かりにしておいてやる。その代わり、あのスタンドには二度と近づくな。薬を誘ってきた友達とも、距離を置いた方がいい。残っているなら、クスリはすぐに捨てろ。いつか必ず捕まるんだぞ。そのときはみんな、おれのように甘くはない。」
顔の血の気が戻ってきた。浩一はどうやら、なんとかこの局面を切りぬけられると思いだしたようだ。ここでもう一本釘を刺しておかなければならない。
「おい、お前ら三人組が池袋のタピオカミルティーの店でなにを買っているのか、おれはよく知ってル。コイツを見ろ。」
スマホで一瞬で青ざめた浩一の顔に差し出してやる。画面には半分閉じたシャッターと今では悪い方のドラッグストアに変わった陽来軒が映っている。ついでに音声ファイルを開いてやった。
『ここの店のブツはものがいい。あるだけ買っといた方がいいぞ。』
誰だか知らないジャンキーの声。浩一は汗だくで震えている。
「お前たちは先週、この店である物を買い、グリーン大通りの先にあるカラオケ屋にいったよな。その時の写真もある。」
おれはじらすようにゆっくりとスマートフォンを操作した。カラオケ屋の自動ドアに吸いこまれる三人の悪ガキの背中。肩に下げているデイパックは、浩一が今持っているのと同じだ。おれはきついお灸をすえるつもりだった。最近、高校生の間でも違法薬物は流行り始めている。性病と薬物汚染に関しては鉄壁といわれた日本社会が崩れつつあるのだ。
「コイツを警察、あるいはお前が通う高校に持ち込んだら、どうなるかな。」
浩一は目に見えて震え出した。
「よくて退学、悪ければ少年院送りだな。お前の未来なんて、紙屑のように吹き飛ぶ。」
蚊の鳴くような声で浩一が言った。
「寄る眠くならないで、勉強が捗ると聞いたんです。そこまで怖い薬だとは思っていませんでした。どうしたら、その画像を消してもらえますか。」
おれはたっぷりと間を取っていった。
「そうだな……来月までに百万もってこい。親に泣きついて借りようが、誰かから盗もうが構わない。」
揺さぶるときは徹底的に揺さぶらないといけない。ちょっとした好奇心や悪い友達からの誘いで、人生を台無しにするよりはましだ。
「……そんなこと」
高校生に百万の大金など作れるはずがなかった。
「……できるわけないよな。じゃあ、このファイルはしばらくおれの預かりにしておいてやる。その代わり、あのスタンドには二度と近づくな。薬を誘ってきた友達とも、距離を置いた方がいい。残っているなら、クスリはすぐに捨てろ。いつか必ず捕まるんだぞ。そのときはみんな、おれのように甘くはない。」
顔の血の気が戻ってきた。浩一はどうやら、なんとかこの局面を切りぬけられると思いだしたようだ。ここでもう一本釘を刺しておかなければならない。