ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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池袋4D美容外科は西口の先にあるマルイの裏だ。スズカとジェフ鈴木は西池袋公園で待ち合わせをするという。午後一時すこしまえ、おれとスズカは高低差のある公園の一段高い方に足を踏み入れた。でかいケヤキの木陰に、ぴちぴちの黒い半袖シャツを着たジェフ鈴木が待っている。首にはひとつ二十万はするクロムハーツのネックレス。
おれはスマホを通話状態にして、Tシャツの胸ポケットに入れた。
「あら、よくきてくれたのね、悠さん」
スズカの手前、おねえ言葉に戻っている。だが、獰猛な目は隠せない。
「ねぇ、スズカ、このまえの園田ちゃんといい、悠ちゃんといい、あなたの夢の実現を邪魔するでしょう。ちょっとわたしのお友達に話をさせてもらっていいかしら。」
ジェフが右手をあげ、てのひらを左右にやわらかに振った。公園の奥から三人のガキがやってくる。駒込の武闘派、ブッダ、エッジ、マーガリン。先頭のブッダがリーダーで、一番身体がでかかった。身長は百八十ちょっと、腕は肉体労働者のようだ。血管が浮き上がっている。
「おまえが小鳥遊悠か。ジェフさんのことは放っておけ。俺たちは俺たちで話があるから、ちょっと顔貸せ。素直に言うことを聞けば、やさしくしてやるよ。」
おれたちがはいってきた公園の入り口で、急ブレーキの音がなる。崇のメルセデスのSUVとダッジの大型ミニバンが急停止。その中には崇と氷室さんも、意外と足の速い園田の顔もあった。
ブッダたち三人の表情の変化は、なかなか見もの。圧倒的に自分たちが有利だと思っていたところから、絶望的に不利な状況に叩き落とされたのだ。まあ、当然。
二カ月でもS・ウルフの空気を吸ったのなら、崇の恐ろしさはよくわかっているだろう。それに東口側を治めている氷室さんだ。ブッダが言った。
「ごぶさたしています、崇さん、氷室さん。」
崇の声はまだ氷点下。
「これはどういうことだ」
「……いや、なんでもありません。ちょっと知り合いに頼まれて、その」
崇は顎の先で園田を示した。
「この男がS・ウルフを名乗る三人組に暴力を振るわれたと証言している。」
まだ園田の顔には傷とあざが残っていた。スズカがほとんど閉じた片目を見て息を飲む。
「おまえたちはいつからS・ウルフになった?」
「助けてくれっ!!」
そう叫んで駆けだそうとしたのはマーガリンだった。S・ウルフの紅率いる突撃隊がやつを取り押さえ、結束バンドでうしろ手に拘束する。集団が乱れた瞬間だった。ブッダが叫んだ。
「キングがなんぼのもんだ!」
でかい拳を握りしめ、崇に殴りかかった。あー、こいつはダメだ。力はあるが明らかに蠅が止まるようなパンチ。崇の腕はやつの腕の半分くらいの細さ。そいつが蛇のようにやつの腕に巻きつき、顎の横にカウンターで右拳が突き刺さった。ブッダはその場に垂直に落ちた。いいパンチが正確に急所を撃ち抜くと、ひとは吹き飛んだりしない。ただその場に崩れるのだ。。トランプを積んだタワーみたいに。
「ぎゃぁっ!」
短い悲鳴。崇ばかりに気を取られていたが、横を向くとエッジは氷室さんに踏み伏せられていた。ジェフ鈴木は腰を抜かしてたのか両手をあげて固まっている。
S・ウルフはミニバンに三人とジェフを乗せて去っていく。崇はいった。
「これからあとは、お前たちが決めろ。やつらのことは心配ない。」
園田を見て、水たまりを張る氷ほど薄く笑った。
「骨の髄までビビらせるが、うめることはない。」
おれはスマホを通話状態にして、Tシャツの胸ポケットに入れた。
「あら、よくきてくれたのね、悠さん」
スズカの手前、おねえ言葉に戻っている。だが、獰猛な目は隠せない。
「ねぇ、スズカ、このまえの園田ちゃんといい、悠ちゃんといい、あなたの夢の実現を邪魔するでしょう。ちょっとわたしのお友達に話をさせてもらっていいかしら。」
ジェフが右手をあげ、てのひらを左右にやわらかに振った。公園の奥から三人のガキがやってくる。駒込の武闘派、ブッダ、エッジ、マーガリン。先頭のブッダがリーダーで、一番身体がでかかった。身長は百八十ちょっと、腕は肉体労働者のようだ。血管が浮き上がっている。
「おまえが小鳥遊悠か。ジェフさんのことは放っておけ。俺たちは俺たちで話があるから、ちょっと顔貸せ。素直に言うことを聞けば、やさしくしてやるよ。」
おれたちがはいってきた公園の入り口で、急ブレーキの音がなる。崇のメルセデスのSUVとダッジの大型ミニバンが急停止。その中には崇と氷室さんも、意外と足の速い園田の顔もあった。
ブッダたち三人の表情の変化は、なかなか見もの。圧倒的に自分たちが有利だと思っていたところから、絶望的に不利な状況に叩き落とされたのだ。まあ、当然。
二カ月でもS・ウルフの空気を吸ったのなら、崇の恐ろしさはよくわかっているだろう。それに東口側を治めている氷室さんだ。ブッダが言った。
「ごぶさたしています、崇さん、氷室さん。」
崇の声はまだ氷点下。
「これはどういうことだ」
「……いや、なんでもありません。ちょっと知り合いに頼まれて、その」
崇は顎の先で園田を示した。
「この男がS・ウルフを名乗る三人組に暴力を振るわれたと証言している。」
まだ園田の顔には傷とあざが残っていた。スズカがほとんど閉じた片目を見て息を飲む。
「おまえたちはいつからS・ウルフになった?」
「助けてくれっ!!」
そう叫んで駆けだそうとしたのはマーガリンだった。S・ウルフの紅率いる突撃隊がやつを取り押さえ、結束バンドでうしろ手に拘束する。集団が乱れた瞬間だった。ブッダが叫んだ。
「キングがなんぼのもんだ!」
でかい拳を握りしめ、崇に殴りかかった。あー、こいつはダメだ。力はあるが明らかに蠅が止まるようなパンチ。崇の腕はやつの腕の半分くらいの細さ。そいつが蛇のようにやつの腕に巻きつき、顎の横にカウンターで右拳が突き刺さった。ブッダはその場に垂直に落ちた。いいパンチが正確に急所を撃ち抜くと、ひとは吹き飛んだりしない。ただその場に崩れるのだ。。トランプを積んだタワーみたいに。
「ぎゃぁっ!」
短い悲鳴。崇ばかりに気を取られていたが、横を向くとエッジは氷室さんに踏み伏せられていた。ジェフ鈴木は腰を抜かしてたのか両手をあげて固まっている。
S・ウルフはミニバンに三人とジェフを乗せて去っていく。崇はいった。
「これからあとは、お前たちが決めろ。やつらのことは心配ない。」
園田を見て、水たまりを張る氷ほど薄く笑った。
「骨の髄までビビらせるが、うめることはない。」