ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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「ちょっと待ってくれ」
四列に並ぶ植栽のところで追いついた。集会からはかなり離れている。
「あのスーザンとかいう女に呼ばれたのか」
スズカは黙ってうなずいた。夏の夜に上下する白いマスク。
「それでも手術はやるんだ。」
キッと大きな目でおれを睨みつける。やっぱりこの目だけで十分な美人だ。
「わたしはあのひと達みたいに、何度も繰り返さない。一度で決めて、整形依存になんて絶対ならない。」
そうなのかもしれない。4D美容外科もいつも施術に失敗しているわけじゃないだろう。上手くいくことももちろんある。だが、それでもなんとなく気になるのだ。なぜ、おれたちは人の顔を放っておくことができないんだろう。
男も女も他人の顔を見ては、好きだ嫌いだ、きれいだブスだと終始評価を下している。整形だって本人の自由のはずなのに、なぜか口に出しては言えないチート、裏技的な存在だ。人間の顔って、なんなのだろう。
「」わかった。次のジェフとの打ち合わせはいつだ。
「土曜日の午後」
あと二日だ。それまでになんとかなるだろうか。
「同席させてくれ。場所が決まったら、あとでメールしてくれないか」
スズカはうなずいたが、顔色はひどいものだった。無理もないよな。自分がこれから手術を受けるかもしれない病院の失敗例をあれだけ見せつけられたらな。おれは通りまでスズカを送り、タクシーを止め、のせてやった。まだストーカーは見つかっていない。マンションのオートロックの前に止めるんだぞ。ドアが閉まる直前の言葉だが、そんな必要はなかった。
スズカが消えてすぐに、おれはストーカー男・園田と対面することになる。
崇ともう少し話をしておきたいと思い、おれは集会に戻った。次は新メンバーの承認式が始まっている。やつのとなりでジェフ鈴木について聞いてみようとしたところで、数人のS・ウルフが男をひとり引っ立ててきた。なぜかスズカと同じ三次元立体マスクをした男。おれはぼんやりよくマスクを見かける夏だなあと思っていたのだ。崇の言う通りほんものの間抜けなのかもしれない。
「キング、こいつ他所のチームのスパイかもしれません。」
膝の裏を蹴られて、マスク男は四つん這いになった。崇の氷点下の声が響く。
「顔をあげて、マスクを取れ。」
そのときようやくおれはマスク男が、園田だと分かった。無理もない。マスクを取った顔は一変している。固めは閉じるほど腫れて、唇は切れて血がにじむかさぶたになっている。誰かに袋にされたらしい。おれは園田の横にひざまずき、やつの目を見て質問した。
四列に並ぶ植栽のところで追いついた。集会からはかなり離れている。
「あのスーザンとかいう女に呼ばれたのか」
スズカは黙ってうなずいた。夏の夜に上下する白いマスク。
「それでも手術はやるんだ。」
キッと大きな目でおれを睨みつける。やっぱりこの目だけで十分な美人だ。
「わたしはあのひと達みたいに、何度も繰り返さない。一度で決めて、整形依存になんて絶対ならない。」
そうなのかもしれない。4D美容外科もいつも施術に失敗しているわけじゃないだろう。上手くいくことももちろんある。だが、それでもなんとなく気になるのだ。なぜ、おれたちは人の顔を放っておくことができないんだろう。
男も女も他人の顔を見ては、好きだ嫌いだ、きれいだブスだと終始評価を下している。整形だって本人の自由のはずなのに、なぜか口に出しては言えないチート、裏技的な存在だ。人間の顔って、なんなのだろう。
「」わかった。次のジェフとの打ち合わせはいつだ。
「土曜日の午後」
あと二日だ。それまでになんとかなるだろうか。
「同席させてくれ。場所が決まったら、あとでメールしてくれないか」
スズカはうなずいたが、顔色はひどいものだった。無理もないよな。自分がこれから手術を受けるかもしれない病院の失敗例をあれだけ見せつけられたらな。おれは通りまでスズカを送り、タクシーを止め、のせてやった。まだストーカーは見つかっていない。マンションのオートロックの前に止めるんだぞ。ドアが閉まる直前の言葉だが、そんな必要はなかった。
スズカが消えてすぐに、おれはストーカー男・園田と対面することになる。
崇ともう少し話をしておきたいと思い、おれは集会に戻った。次は新メンバーの承認式が始まっている。やつのとなりでジェフ鈴木について聞いてみようとしたところで、数人のS・ウルフが男をひとり引っ立ててきた。なぜかスズカと同じ三次元立体マスクをした男。おれはぼんやりよくマスクを見かける夏だなあと思っていたのだ。崇の言う通りほんものの間抜けなのかもしれない。
「キング、こいつ他所のチームのスパイかもしれません。」
膝の裏を蹴られて、マスク男は四つん這いになった。崇の氷点下の声が響く。
「顔をあげて、マスクを取れ。」
そのときようやくおれはマスク男が、園田だと分かった。無理もない。マスクを取った顔は一変している。固めは閉じるほど腫れて、唇は切れて血がにじむかさぶたになっている。誰かに袋にされたらしい。おれは園田の横にひざまずき、やつの目を見て質問した。