ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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「ふーん、そうか。こいつらがジェフと降雨道をともにしてるってわけか」
改めてスマホで三人の顔を確認しておく。ブッタ、エッジ、マーガリン。
「これだけのために、おれを呼んだわけじゃないよな。」
崇は無表情のままうなずいた。
「ああ、始めるぞ。」
腰ほど高さがある噴水の手すりに飛び乗ると、崇と氷室さんが簡潔に開会の挨拶をした。つづいて噴水の端にあがったのは三人の女たち。ひとり見知った顔がある。ジェフ鈴木にべたついていた紙のように薄い鼻筋をした女だ。またえらく短いショートパンツ。ジェフにはスーザンと呼ばれていた。
驚いたことに鼻の片斜面が抉れるように崩落していた。骨の支えがなくなって鼻腔に肌が沈んでしまったみたいだ。女は鼻をすすりながら言う。
「わたしはー4Dで五回鼻の手術をしましたー。それでーこのまえから鼻が壊れちゃってー、鼻水だか膿だか止まらなくてー、なんとかしてって4Dの先生にいってるんだけどー、再手術にはーまたお金がかかるってー、いわれて怒ってる。術後のメンテも保証付きってー言われてたのにー、話が違うよ。4D美容外科、許せなくなーい?」
恐ろしく頭が悪そう。あと鼻筋がなくなるとやけに意志が弱そうに見えるんだな。つぎに壇上にあがったのは、目が昆虫のように飛び出した女。夜でも暑いのにくるぶしまであるロングスカートをはいている。こっちは目頭と目じりの切開を繰り返し、二重まぶたと涙袋を作ったという。度重なる目の手術で視力がガタ落ちして、なぜかバゼドウ氏病のように眼球が飛び出してきた。やはり4Dで施術を受けている。
もうひとりは痩せているのに、タンクトップで胸だけはスイカのようにでかい女。胸に入れたシリコンバックが裂けて、片乳だけ抜いたので、今は半分小さい。ブラのサイズが左右で五つ違うそうだ。やはり再手術と料金で、4Dと揉めている。
三人の整形トラブル報告が終わると、進行役の副官が声を張った。
「4D美容外科をアンタッチャブルに指定することに賛成の者、拍手だ。」
ほとんどのガキが拍手をして、接触禁止の指定が決まった。これでS・ウルフと東口とその関係者、友人すべてがその指定先に、一切接近もしなくなる。4Dは東京中から集まるでかい病院だから影響はさほどではないかもしれないが、地元の若いやつ向けの飲食店や服やなら死活問題になる。
崇はこいつを見せたかったのだろう。S・ウルフも東口も本気で池袋4D美容外科対策に動き出しそうだ。おれの隣でキングが言った。
「集団訴訟の準備が進んでる。4Dはいけると思うが、ジェフ鈴木が難しい。網にかからないかもしれない。」
そっちのほうは、おれがなんとかするしかないのだろうか。S・ウルフを抜けた三人も合流している。そのとき、おれはS・ウルフ&東口の集団の中にいるマスクに気づいた。スズカもきていたのだ。
同時に向こうもおれに気づいたようだった。スズカは人ごみから離れて、公園出口のほうへ身をひるがえした。おれも急いで後を追った。
改めてスマホで三人の顔を確認しておく。ブッタ、エッジ、マーガリン。
「これだけのために、おれを呼んだわけじゃないよな。」
崇は無表情のままうなずいた。
「ああ、始めるぞ。」
腰ほど高さがある噴水の手すりに飛び乗ると、崇と氷室さんが簡潔に開会の挨拶をした。つづいて噴水の端にあがったのは三人の女たち。ひとり見知った顔がある。ジェフ鈴木にべたついていた紙のように薄い鼻筋をした女だ。またえらく短いショートパンツ。ジェフにはスーザンと呼ばれていた。
驚いたことに鼻の片斜面が抉れるように崩落していた。骨の支えがなくなって鼻腔に肌が沈んでしまったみたいだ。女は鼻をすすりながら言う。
「わたしはー4Dで五回鼻の手術をしましたー。それでーこのまえから鼻が壊れちゃってー、鼻水だか膿だか止まらなくてー、なんとかしてって4Dの先生にいってるんだけどー、再手術にはーまたお金がかかるってー、いわれて怒ってる。術後のメンテも保証付きってー言われてたのにー、話が違うよ。4D美容外科、許せなくなーい?」
恐ろしく頭が悪そう。あと鼻筋がなくなるとやけに意志が弱そうに見えるんだな。つぎに壇上にあがったのは、目が昆虫のように飛び出した女。夜でも暑いのにくるぶしまであるロングスカートをはいている。こっちは目頭と目じりの切開を繰り返し、二重まぶたと涙袋を作ったという。度重なる目の手術で視力がガタ落ちして、なぜかバゼドウ氏病のように眼球が飛び出してきた。やはり4Dで施術を受けている。
もうひとりは痩せているのに、タンクトップで胸だけはスイカのようにでかい女。胸に入れたシリコンバックが裂けて、片乳だけ抜いたので、今は半分小さい。ブラのサイズが左右で五つ違うそうだ。やはり再手術と料金で、4Dと揉めている。
三人の整形トラブル報告が終わると、進行役の副官が声を張った。
「4D美容外科をアンタッチャブルに指定することに賛成の者、拍手だ。」
ほとんどのガキが拍手をして、接触禁止の指定が決まった。これでS・ウルフと東口とその関係者、友人すべてがその指定先に、一切接近もしなくなる。4Dは東京中から集まるでかい病院だから影響はさほどではないかもしれないが、地元の若いやつ向けの飲食店や服やなら死活問題になる。
崇はこいつを見せたかったのだろう。S・ウルフも東口も本気で池袋4D美容外科対策に動き出しそうだ。おれの隣でキングが言った。
「集団訴訟の準備が進んでる。4Dはいけると思うが、ジェフ鈴木が難しい。網にかからないかもしれない。」
そっちのほうは、おれがなんとかするしかないのだろうか。S・ウルフを抜けた三人も合流している。そのとき、おれはS・ウルフ&東口の集団の中にいるマスクに気づいた。スズカもきていたのだ。
同時に向こうもおれに気づいたようだった。スズカは人ごみから離れて、公園出口のほうへ身をひるがえした。おれも急いで後を追った。