ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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美容整形へのスズカの固い決心は揺らぎそうになかった。ならば、すこしでもジェフ鈴木の動きを牽制(けんせい)したい。おれは誘導尋問のように遠くから網をしぼっていく。
「園田は昔の同僚から、アンタの美容整形話を聞いた。それをとめさせようとして、何度かあんたと話すことになった。それで間違いないか」
「ええ、まあ、そんな感じです。」
「やつはジェフのこともしっている?」
「はい、話をしましたし、しつこかったので一度会せればわかってもらえると思って、ジェフさんを紹介したこともあります。」
「そうだったのか。」
初耳だ。マスクを外してから、なぜか急にスズカは饒舌になっている。秘密を共有したからかな。おれはすこしだけ貧乏なことくらいしかコンプレックスはないから、よくわからなかった。その貧乏もこの街で暮らしているその他大勢と同じくらいだから、大したことはない。
「園田さんはそのとき人として信じられないことを言いました。初対面の相手に詐欺師とか、わたしをだましているとか、ゲイでもないのにゲイの振りをするのはゲイのひと達に失礼だとか」
全部真実なんじゃないかと言いそうになった。おれのなかで園田の点がぐっと高くなった。
「分かった。園田はジェフに悪意を持っているんだな。」
「ええ、間違いないです。」
「じゃあ、そっちがジェフに会うことがあったら、おれにも教えてくれないか。手術の計画とか打ち合わせとかいろいろあるんだろ」
「わかりました。」
これで少なくともあのビジネスゲイの首に鈴をつけることができた。
収穫ということにしておこう。
店番に戻り、フルーツ寒天、白玉あんみつ、抹茶アイス最中を売っていると、スマホに着信があった。めずらしくキングから。
『悠、今夜はヒマか?』
一瞬意味が分からなかった。ひまは暇か閑か。
「ああ、大丈夫だけど」
『だったらエンジェルパークにこい。S・ウルフの集会がある。』
お兄さぁん、最中アイスをーテイクアウトでぇくーださい。ちょっとお待ちください。送話口を指で押さえてそういうと、おれは返事をした。
「ジェフ鈴木がらみか。なにか進展はあったか。」
『くればわかる。九時だ。』
通話は切れた。なんとも口数が多い王様だ。おれは昼間から少し酔っている色っぽいねえちゃんに抹茶アイスを多めに挟んで売ってやった。これが野郎だったらわさびでも挟んでいたかもしれない。
「園田は昔の同僚から、アンタの美容整形話を聞いた。それをとめさせようとして、何度かあんたと話すことになった。それで間違いないか」
「ええ、まあ、そんな感じです。」
「やつはジェフのこともしっている?」
「はい、話をしましたし、しつこかったので一度会せればわかってもらえると思って、ジェフさんを紹介したこともあります。」
「そうだったのか。」
初耳だ。マスクを外してから、なぜか急にスズカは饒舌になっている。秘密を共有したからかな。おれはすこしだけ貧乏なことくらいしかコンプレックスはないから、よくわからなかった。その貧乏もこの街で暮らしているその他大勢と同じくらいだから、大したことはない。
「園田さんはそのとき人として信じられないことを言いました。初対面の相手に詐欺師とか、わたしをだましているとか、ゲイでもないのにゲイの振りをするのはゲイのひと達に失礼だとか」
全部真実なんじゃないかと言いそうになった。おれのなかで園田の点がぐっと高くなった。
「分かった。園田はジェフに悪意を持っているんだな。」
「ええ、間違いないです。」
「じゃあ、そっちがジェフに会うことがあったら、おれにも教えてくれないか。手術の計画とか打ち合わせとかいろいろあるんだろ」
「わかりました。」
これで少なくともあのビジネスゲイの首に鈴をつけることができた。
収穫ということにしておこう。
店番に戻り、フルーツ寒天、白玉あんみつ、抹茶アイス最中を売っていると、スマホに着信があった。めずらしくキングから。
『悠、今夜はヒマか?』
一瞬意味が分からなかった。ひまは暇か閑か。
「ああ、大丈夫だけど」
『だったらエンジェルパークにこい。S・ウルフの集会がある。』
お兄さぁん、最中アイスをーテイクアウトでぇくーださい。ちょっとお待ちください。送話口を指で押さえてそういうと、おれは返事をした。
「ジェフ鈴木がらみか。なにか進展はあったか。」
『くればわかる。九時だ。』
通話は切れた。なんとも口数が多い王様だ。おれは昼間から少し酔っている色っぽいねえちゃんに抹茶アイスを多めに挟んで売ってやった。これが野郎だったらわさびでも挟んでいたかもしれない。