ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
3Dは誰でもわかるが、最後の4つ目のDは時間軸のこと。四次元の美容整形というのは、整形手術後も永久に満足を保証するという怪しいもの。メンテナンスも含めてね。
「そうかぜんぜん4Dじゃなかったんだ。おれのところも整形関係のトラブルくさいんだ。今日の午後、気味の悪い鼻を見たよ。」
崇が王らしくない間抜けな返事をする。痛快。
「鼻?」
おれはスズカと陸橋通りのトップスタイリスト・ジェフ鈴木、それに整形マニアの女の話をしてやった。小太りの癖に意外なほど足の速いストーカーについても。黙って話を聞いている崇の空気がどんどん冷えこんでいく。マグロの冷凍倉庫みたい。
『女たちを食い物にする奴らが池袋で蔓延っているらしいな。わかった、ルウェス西池袋とジェフ鈴木だな。そのゲイがS・ウルフに友達がいるといっていたのは確かだろうな』
「ああ、おれのことを誰かが紹介したらしい。」
『わかった。調べてみる。お前もなにかわかったら報告しろ。』
おれは別に崇の部下ではない。もちろんS・ウルフでもない。
「崇もちゃんと報告しろよ。久々の共同戦線なんだからな。」
最近この街は平和なもの。池袋のキングが苦笑いした。
『俺にそういう口を叩くやつは、お前が最後になったな。まあ、いい。俺も報告する。じゃあな。』
電話は突然切れた。せっかく夏休みが近いのだから、どこかの花火大会にでも誘おうかと思ったのだが、残念。
とはいえ、おれはストーカー男の件を片付ければ、この事件は終了だと簡単に考えていた。スズカから園田浩平の住所は聞いている。翌日の朝七時、駐車場からジープを出した。店を開く前に、ちゃっちゃっとやつに脅しをかけようと思ったのだ。
大山東町はとなりの板橋区。ぐっと庶民的な商店街の街だ。サンロードにはいって三本目の路地を山の手通り方面に曲がると目的地だと、旧型のカーナビが教えてくれた。そこにあったのは築三十年は余裕のアパート。錆びた外階段がついた二階建て。
その時間でも気温はもう三十度を超えていた。なにせ連続猛暑日記録を更新中らしい。ぎしぎしと音を立て、鉄の階段をのぼる。206号室は一番奥から二つ目だ。ネームプレートにはローマ字で、SONODA。几帳面な手書き。おれはインターホンを押した。三十秒待って、もう一度押した。返事はない。窓は閉め切りで、エアコンの室外機は動いていない。この時間に留守にしているのか。おれの中で疑問が膨らんでくる。
「そうかぜんぜん4Dじゃなかったんだ。おれのところも整形関係のトラブルくさいんだ。今日の午後、気味の悪い鼻を見たよ。」
崇が王らしくない間抜けな返事をする。痛快。
「鼻?」
おれはスズカと陸橋通りのトップスタイリスト・ジェフ鈴木、それに整形マニアの女の話をしてやった。小太りの癖に意外なほど足の速いストーカーについても。黙って話を聞いている崇の空気がどんどん冷えこんでいく。マグロの冷凍倉庫みたい。
『女たちを食い物にする奴らが池袋で蔓延っているらしいな。わかった、ルウェス西池袋とジェフ鈴木だな。そのゲイがS・ウルフに友達がいるといっていたのは確かだろうな』
「ああ、おれのことを誰かが紹介したらしい。」
『わかった。調べてみる。お前もなにかわかったら報告しろ。』
おれは別に崇の部下ではない。もちろんS・ウルフでもない。
「崇もちゃんと報告しろよ。久々の共同戦線なんだからな。」
最近この街は平和なもの。池袋のキングが苦笑いした。
『俺にそういう口を叩くやつは、お前が最後になったな。まあ、いい。俺も報告する。じゃあな。』
電話は突然切れた。せっかく夏休みが近いのだから、どこかの花火大会にでも誘おうかと思ったのだが、残念。
とはいえ、おれはストーカー男の件を片付ければ、この事件は終了だと簡単に考えていた。スズカから園田浩平の住所は聞いている。翌日の朝七時、駐車場からジープを出した。店を開く前に、ちゃっちゃっとやつに脅しをかけようと思ったのだ。
大山東町はとなりの板橋区。ぐっと庶民的な商店街の街だ。サンロードにはいって三本目の路地を山の手通り方面に曲がると目的地だと、旧型のカーナビが教えてくれた。そこにあったのは築三十年は余裕のアパート。錆びた外階段がついた二階建て。
その時間でも気温はもう三十度を超えていた。なにせ連続猛暑日記録を更新中らしい。ぎしぎしと音を立て、鉄の階段をのぼる。206号室は一番奥から二つ目だ。ネームプレートにはローマ字で、SONODA。几帳面な手書き。おれはインターホンを押した。三十秒待って、もう一度押した。返事はない。窓は閉め切りで、エアコンの室外機は動いていない。この時間に留守にしているのか。おれの中で疑問が膨らんでくる。