ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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スマホはなんにでも使えて便利だよな。この調子でスマホに入力するだけで、街のトラブルが解決できないものか。ストーカー男、池袋の街から削除、なんてね。おれの方に向けられたディスプレイには、スズカとちょっと年上の男が映っていた。肩を寄せ合うというほどの距離間ではないが、そこそこ親密そうだ。
背景はどこかの居酒屋のいれこみだった。壁には短冊がずらり。厚揚げ三百八十円、四川風水餃子四百八十円、冷やしトマト四百円。庶民的な店。
「その男が元カレとかなのかな」
スズカがマスク越しにきっぱりといった。
「いいえ。その人とはお付き合いしたことは有りません。」
とりつくしまがないというのは、こういうトーンだよな。よほどその男が圏外だったのだろう。白いボタンダウンのシャツにチノパン。まあまあの清潔感。ちょっと太めなのは、丸いほほとベルトの上に突き出た腹で分かった。顔は真面目そうで、そうブ男でもない。
「じゃあ、どういう関係なの」
「以前働いていた会社の同僚です。男女の関係はありません。」
「だけど、つきまといするくらいだから、そいつはスズカさんに気があったんだよな。そういう感じはうすうすわかってたのかな。」
「雰囲気だけは何となく」
「告白されたとか、デートに誘われたとかはないんだ。」
軽く軽蔑したような調子でスズカはいう。
「その人にそんな勇気はないんじゃないですか。」
何だか恋愛相談みたいになってきた。ストリートのトラブルだけでなく、恋の難問も解決するトラブルシューター。おれとしては、そっちの方が得意かもしれない。そうでもないか。
「今は別々の職場にいるんだ?」
「ええ、私は派遣社員で、事務職をしています。」
スズカはミルクティを一口飲んだ。ストローの先を巧みにマスクの下に通してね。絶対にマスクはとらないのだろうか。だんだん疑問が湧いてくる。
「夏のインフルエンザにでもかかってるのか?」
きれいな幅広平行の二重の目が冷たく笑った。瞳はやけに真剣。
「いえ、マスクは私の制服みたいなものなので、いつでもつけてるんです。」
「今日みたいな猛暑日でも?」
今度は少し余裕ができたようだった。目が細くなって、本当に笑ったのだと分かる。
「ええ、ひと様を不愉快な目に合わせたら、もうしわけないですから。」
マスクを取ると、人が不愉快になる?これだけの目元美人が。わけがわからない。口裂け女でもあるまいに……。
背景はどこかの居酒屋のいれこみだった。壁には短冊がずらり。厚揚げ三百八十円、四川風水餃子四百八十円、冷やしトマト四百円。庶民的な店。
「その男が元カレとかなのかな」
スズカがマスク越しにきっぱりといった。
「いいえ。その人とはお付き合いしたことは有りません。」
とりつくしまがないというのは、こういうトーンだよな。よほどその男が圏外だったのだろう。白いボタンダウンのシャツにチノパン。まあまあの清潔感。ちょっと太めなのは、丸いほほとベルトの上に突き出た腹で分かった。顔は真面目そうで、そうブ男でもない。
「じゃあ、どういう関係なの」
「以前働いていた会社の同僚です。男女の関係はありません。」
「だけど、つきまといするくらいだから、そいつはスズカさんに気があったんだよな。そういう感じはうすうすわかってたのかな。」
「雰囲気だけは何となく」
「告白されたとか、デートに誘われたとかはないんだ。」
軽く軽蔑したような調子でスズカはいう。
「その人にそんな勇気はないんじゃないですか。」
何だか恋愛相談みたいになってきた。ストリートのトラブルだけでなく、恋の難問も解決するトラブルシューター。おれとしては、そっちの方が得意かもしれない。そうでもないか。
「今は別々の職場にいるんだ?」
「ええ、私は派遣社員で、事務職をしています。」
スズカはミルクティを一口飲んだ。ストローの先を巧みにマスクの下に通してね。絶対にマスクはとらないのだろうか。だんだん疑問が湧いてくる。
「夏のインフルエンザにでもかかってるのか?」
きれいな幅広平行の二重の目が冷たく笑った。瞳はやけに真剣。
「いえ、マスクは私の制服みたいなものなので、いつでもつけてるんです。」
「今日みたいな猛暑日でも?」
今度は少し余裕ができたようだった。目が細くなって、本当に笑ったのだと分かる。
「ええ、ひと様を不愉快な目に合わせたら、もうしわけないですから。」
マスクを取ると、人が不愉快になる?これだけの目元美人が。わけがわからない。口裂け女でもあるまいに……。