ー特別篇ー立教通り整形シンジゲート
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明日から理想の顔を手に入れられるとしたら、あんたならどうする?
まあプチ整形でもダウンタイムはあるから、明日は無理でも腫れがひくまでの三日後でいいや。生まれ変わったアンタが鏡の中で笑ってる。欧米モデルのような幅広行の理想的な二重が簡単に仕上がるのだ。お金は片方の目につき七千円で、ちょっとばかりお釣りがくる。格安だよな。
アンタが女なら、高一のころから悩んでいたコンプレックスをスッキリ解決できるだろう。アイプチやメザイクを使って、毎日苦労してアイメイクしていた日本人的な腫れぼったい奥二重を一気に更新だ。目だけはすっかり佐々木希。
逆にアンタが男なら、ちょっと想像してみて欲しい。ガールフレンドがアルバイトで稼いだ金を握りしめ、どうしても整形したいと言ったら、その時どうする?彼女はネットで美容整形のクリニックについて完璧に調べ上げ、決心は乾燥したドイツパンみたいに硬い。何せ、乙女の十年来の夢だからな。
日本の美容整形市場は年間二千億円。
毎年数十万人の若かったり、そうでもなかったりする女たちが、プチだったりメスやプロテーゼを使うような本格的な整形手術を繰り返している。中にはシリコンバッグを入れて胸をデカくしたり、グラインダーで骨を削ったりね。もう美容整形は特別なことじゃないんだ。平成女性の秘密のたしなみといってもいいだろう。
もちろんプチなら、整形もお気楽かもしれない。だが、それがやめられない習慣になり、数百万もかかる、手術というより工事に近いような事態にまで発展するとしたら、アンタはどうする。好きな女の顔が、数十万の手術のたびに別人になっていく。現在芸能界やAVで流行中の見知らぬ平均的ハーフ顔に近づいていくのだ。
そこで生まれてくるのは、たんに顔の美醜という表面的な問題じゃない。
おれ達の顔は、本当は誰のものなんだろう。自殺はいけないことだと、みんなが言う。命は自分だけのものじゃないからな。だったら、顔は誰のものだろう。自分のもの?愛する誰かのもの?あるいは命と同じように自分のものであり、おれたちが属する社会全体のもの。きわめてプライベートでありながら、社会的な共有財産で、しかも日々変動する美の基準を反映する瞬間的な確定値?なんだか円ドルの為替マーケットみたいだよな。
ひとたび顔について語り始めると、議論はまず収集がつかなくなる。それだけおれたちは自分の顔についても、他人の顔についても分からないということだろう。まして好きな女の顔なんてわかるはずもない。
というわけで今回は女の顔の話。あとは現代美容医学の進歩と、好きな女の顔を守ろうとして、少しおかしくなった男なんかも登場する。
まあ、おれはあんまり顔には興味ないんだ。鏡を見るのは電気カミソリで髭を剃る朝の数十秒くらいのもの。それは異性でも変わらない。好きになった女の顔が好きなので、好きな顔をしているから、女を好きになるということはない。
男が女を選ぶときってみんなそんなもんだろう。自分ひとりでゆるぎなく設定した理想的な美の標準に合わせて顔を改造するなんて、無駄な労力だと思うんだけどね。
自己満足には果てがないし、美人の上にはまた上の美人がいるんだから。
ー立教通り整形シンジゲートー
まあプチ整形でもダウンタイムはあるから、明日は無理でも腫れがひくまでの三日後でいいや。生まれ変わったアンタが鏡の中で笑ってる。欧米モデルのような幅広行の理想的な二重が簡単に仕上がるのだ。お金は片方の目につき七千円で、ちょっとばかりお釣りがくる。格安だよな。
アンタが女なら、高一のころから悩んでいたコンプレックスをスッキリ解決できるだろう。アイプチやメザイクを使って、毎日苦労してアイメイクしていた日本人的な腫れぼったい奥二重を一気に更新だ。目だけはすっかり佐々木希。
逆にアンタが男なら、ちょっと想像してみて欲しい。ガールフレンドがアルバイトで稼いだ金を握りしめ、どうしても整形したいと言ったら、その時どうする?彼女はネットで美容整形のクリニックについて完璧に調べ上げ、決心は乾燥したドイツパンみたいに硬い。何せ、乙女の十年来の夢だからな。
日本の美容整形市場は年間二千億円。
毎年数十万人の若かったり、そうでもなかったりする女たちが、プチだったりメスやプロテーゼを使うような本格的な整形手術を繰り返している。中にはシリコンバッグを入れて胸をデカくしたり、グラインダーで骨を削ったりね。もう美容整形は特別なことじゃないんだ。平成女性の秘密のたしなみといってもいいだろう。
もちろんプチなら、整形もお気楽かもしれない。だが、それがやめられない習慣になり、数百万もかかる、手術というより工事に近いような事態にまで発展するとしたら、アンタはどうする。好きな女の顔が、数十万の手術のたびに別人になっていく。現在芸能界やAVで流行中の見知らぬ平均的ハーフ顔に近づいていくのだ。
そこで生まれてくるのは、たんに顔の美醜という表面的な問題じゃない。
おれ達の顔は、本当は誰のものなんだろう。自殺はいけないことだと、みんなが言う。命は自分だけのものじゃないからな。だったら、顔は誰のものだろう。自分のもの?愛する誰かのもの?あるいは命と同じように自分のものであり、おれたちが属する社会全体のもの。きわめてプライベートでありながら、社会的な共有財産で、しかも日々変動する美の基準を反映する瞬間的な確定値?なんだか円ドルの為替マーケットみたいだよな。
ひとたび顔について語り始めると、議論はまず収集がつかなくなる。それだけおれたちは自分の顔についても、他人の顔についても分からないということだろう。まして好きな女の顔なんてわかるはずもない。
というわけで今回は女の顔の話。あとは現代美容医学の進歩と、好きな女の顔を守ろうとして、少しおかしくなった男なんかも登場する。
まあ、おれはあんまり顔には興味ないんだ。鏡を見るのは電気カミソリで髭を剃る朝の数十秒くらいのもの。それは異性でも変わらない。好きになった女の顔が好きなので、好きな顔をしているから、女を好きになるということはない。
男が女を選ぶときってみんなそんなもんだろう。自分ひとりでゆるぎなく設定した理想的な美の標準に合わせて顔を改造するなんて、無駄な労力だと思うんだけどね。
自己満足には果てがないし、美人の上にはまた上の美人がいるんだから。
ー立教通り整形シンジゲートー