ー特別篇ーYoutuber∴芸術劇場
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衝撃だった。プロレス?
「筋書きがあるってことか。」
ゴング斎藤が頷いて、声を低くした。
「そうです。ちゃんと打ち合わせをして、お互い反則技を繰り出してる。流星さんがベビーフェイスで、やつらがヒールです。年末の報酬ひきさげから、どのユーチューバーも再生回数を倍増させなければならなくなった話はしたでしょ。流星さんは戸田橋のやつらと組んで、炎上商法を仕掛けたんです。おたがいにディスリあって、トラブルを起こし注目を集め、客寄せする。全部三周年に向けてのイベントのひとつなんです。」
おれはすぐには信じられなかった。香り高いラテを飲んで、気を鎮める。
「だけど、S・ウルフも頭をやられたし、アルファードも壊された。」
ゴングが肩をすくめた。
「デストロイヤーZだって捕まるわけにはいかなかったし、車は保険で何とでもなります。ボディに傷はないし、中に火をつけられたわけじゃない。流星さんはあの車の映像、もうネットにアップしてますよ。人気ユーチューバーの愛車が襲われる。ヤフーニュースのトップです。」
「そうだったのか」
「俺もちょっとがっかりしてるんです。戸田橋とのプロレスにはいくらかわからないけど金を払ってるみたいだし。そんなことに使う金があるくせに、俺はあっさりリストラでお払い箱でしょう。いくらなんでもひどすぎる。」
クビになった恨みか。やはりリストラって、弱体化するよな。無駄を削るというが、体力まで削られ、社内の雰囲気まで悪化する。
「俺が言いたいのはそれだけです。でも、俺がいったって絶対に秘密にしてくださいよ。ユーチューバーとしてこれからもやってくんで、そこんとこよろしくお願いします。」
おれは自分の部屋に戻り、布団の上から電話をかけた。まだ夜十二時で崇は余裕で執務中だろう。王様は忙しいのだ。
『悠か、なんだこんな時間にめずらしいな』
「話がある」
『話せ』
この断片的な話し方はネット向きかもしれない。おれは流星とデストロイヤーZの裏取引と炎上商法について簡潔に話した。崇はカチカチに凍り付いた声でいう。
『流星にも戸田橋の奴らにも、けじめを取らせないといけないな。』
「待ってくれ。おれが明日、流星と直接話をしてくる。まだ斎藤のちくりだけで、証拠はないから」
『わかった、報告を待つ。』
いきなり切れた。おやすみのひとこともない。無駄がないカット割の王様。
「筋書きがあるってことか。」
ゴング斎藤が頷いて、声を低くした。
「そうです。ちゃんと打ち合わせをして、お互い反則技を繰り出してる。流星さんがベビーフェイスで、やつらがヒールです。年末の報酬ひきさげから、どのユーチューバーも再生回数を倍増させなければならなくなった話はしたでしょ。流星さんは戸田橋のやつらと組んで、炎上商法を仕掛けたんです。おたがいにディスリあって、トラブルを起こし注目を集め、客寄せする。全部三周年に向けてのイベントのひとつなんです。」
おれはすぐには信じられなかった。香り高いラテを飲んで、気を鎮める。
「だけど、S・ウルフも頭をやられたし、アルファードも壊された。」
ゴングが肩をすくめた。
「デストロイヤーZだって捕まるわけにはいかなかったし、車は保険で何とでもなります。ボディに傷はないし、中に火をつけられたわけじゃない。流星さんはあの車の映像、もうネットにアップしてますよ。人気ユーチューバーの愛車が襲われる。ヤフーニュースのトップです。」
「そうだったのか」
「俺もちょっとがっかりしてるんです。戸田橋とのプロレスにはいくらかわからないけど金を払ってるみたいだし。そんなことに使う金があるくせに、俺はあっさりリストラでお払い箱でしょう。いくらなんでもひどすぎる。」
クビになった恨みか。やはりリストラって、弱体化するよな。無駄を削るというが、体力まで削られ、社内の雰囲気まで悪化する。
「俺が言いたいのはそれだけです。でも、俺がいったって絶対に秘密にしてくださいよ。ユーチューバーとしてこれからもやってくんで、そこんとこよろしくお願いします。」
おれは自分の部屋に戻り、布団の上から電話をかけた。まだ夜十二時で崇は余裕で執務中だろう。王様は忙しいのだ。
『悠か、なんだこんな時間にめずらしいな』
「話がある」
『話せ』
この断片的な話し方はネット向きかもしれない。おれは流星とデストロイヤーZの裏取引と炎上商法について簡潔に話した。崇はカチカチに凍り付いた声でいう。
『流星にも戸田橋の奴らにも、けじめを取らせないといけないな。』
「待ってくれ。おれが明日、流星と直接話をしてくる。まだ斎藤のちくりだけで、証拠はないから」
『わかった、報告を待つ。』
いきなり切れた。おやすみのひとこともない。無駄がないカット割の王様。