ー特別篇ーYoutuber∴芸術劇場
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『流星に尾行がついている。』
「S・ウルフ以外でか。」
『そうだ。一応うちでもガードをつけておくが、外出を控えるように言ってくれ。夜七時、車で迎えに行く。S・ウルフとの話はそのときだ。』
「わかった。」
地上二十二階を吹く風は西口公園より少し冷たかった。
『それから、デストロイヤーZの動画をいくつか見た。』
「最低だろ」
『ああ、最低だ。悠がいっていたチビがやつらのリーダーのようだな。ベンツをどこから解体するか、奴が指示を出していた。S・ウルフに荒川沿いの廃品処分場を車で回らせる。明日にはどこで撮影したか確定できると思う。』
「Ok」
おれは室内で何かを話して笑っている三人のユーチューバーを見た。こんな高級マンションをスタジオ兼用で借りられるくらいだから、流星の収入はかなりの額なんだろう。ユーチューバー同士でも嫉妬や競争はあるのだろうか。
『それとな、新しいS・ウルフをそっちにむかわしている。デストロイヤーZの尾行に尾行をつけるんだ。奴らもあんなことをしてるくらいだから、池袋のS・ウルフの名は知っているだろう。流星は俺たちの保護下に入った。手を出せば、俺たちが全力で潰しに行くといえば、それで今回の一件の片がつくかもしれない』
圧倒的なネットワークと人海戦術、それにキング・崇への熱烈な忠義心がある。小さなグループが刃向かえる相手ではなかった。
「それで済むといいんだがな」
『なにか引っかかるのか?』
おれはこれまでのトラブルで、勝ち目などまったくないのに無茶を重ねて潰れていくやつらをたくさん見てきた。ある種のガキは何か目的があるというより、破滅自体が望みだったりするようだ。まあ、そういうのを青春と呼ぶのかもしれないが。
ユーチューバーは今でこそ、職業として認知され始めているが、数年前に始めた時には誰そとり勝算などなかっただろう。夜明け前の投稿サイトに諦めることなく、腐ることもなく毎日動画をアップしてく来た。そうしたやつらの執念を軽く見ない方がいい。そいつはおれの勘だが、説明が面倒だった。
「話は伝えておく。おれは夕方から店があるから、ここを離れる。明日から流星に張り付くつもりだ。」
さよならもなく通話が切れた。おれは二層ガラスの重いサッシを引いて、あたたかな室内に戻った。
「S・ウルフ以外でか。」
『そうだ。一応うちでもガードをつけておくが、外出を控えるように言ってくれ。夜七時、車で迎えに行く。S・ウルフとの話はそのときだ。』
「わかった。」
地上二十二階を吹く風は西口公園より少し冷たかった。
『それから、デストロイヤーZの動画をいくつか見た。』
「最低だろ」
『ああ、最低だ。悠がいっていたチビがやつらのリーダーのようだな。ベンツをどこから解体するか、奴が指示を出していた。S・ウルフに荒川沿いの廃品処分場を車で回らせる。明日にはどこで撮影したか確定できると思う。』
「Ok」
おれは室内で何かを話して笑っている三人のユーチューバーを見た。こんな高級マンションをスタジオ兼用で借りられるくらいだから、流星の収入はかなりの額なんだろう。ユーチューバー同士でも嫉妬や競争はあるのだろうか。
『それとな、新しいS・ウルフをそっちにむかわしている。デストロイヤーZの尾行に尾行をつけるんだ。奴らもあんなことをしてるくらいだから、池袋のS・ウルフの名は知っているだろう。流星は俺たちの保護下に入った。手を出せば、俺たちが全力で潰しに行くといえば、それで今回の一件の片がつくかもしれない』
圧倒的なネットワークと人海戦術、それにキング・崇への熱烈な忠義心がある。小さなグループが刃向かえる相手ではなかった。
「それで済むといいんだがな」
『なにか引っかかるのか?』
おれはこれまでのトラブルで、勝ち目などまったくないのに無茶を重ねて潰れていくやつらをたくさん見てきた。ある種のガキは何か目的があるというより、破滅自体が望みだったりするようだ。まあ、そういうのを青春と呼ぶのかもしれないが。
ユーチューバーは今でこそ、職業として認知され始めているが、数年前に始めた時には誰そとり勝算などなかっただろう。夜明け前の投稿サイトに諦めることなく、腐ることもなく毎日動画をアップしてく来た。そうしたやつらの執念を軽く見ない方がいい。そいつはおれの勘だが、説明が面倒だった。
「話は伝えておく。おれは夕方から店があるから、ここを離れる。明日から流星に張り付くつもりだ。」
さよならもなく通話が切れた。おれは二層ガラスの重いサッシを引いて、あたたかな室内に戻った。