ー特別篇ーYoutuber∴芸術劇場
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「あのさ、どうやって無料動画サイトで、金を稼げるんだ?」
「アフィリエイトみたいなもんだよ。」
意味は良く分からないが適当にうなずいておいた。
「初期はある程度の数の再生回数を記録した投稿者に、ユーチューブから招待があったんだ。今ではパートナープログラムってのがあって、誰でも参加できるようになってるんだけど。そこに登録すると再生一回で0.1円くらいの報酬がもらえる。まぁ、金額については秘密だし、向こうの都合で勝手に変わるんだ。」
ということは百万回再生で十万円の金になる。
「だけどさ、いくら無料だって百万回ってのはたいへんなんだろ」
「ああ、企画を考えるのは頭がおかしくなりそうなくらいきついな。客を繋ぎとめるには、出来れば毎日動画をアップしたいところだし。」
流星はそういうと顔をあげて、空の様子を見た。ぼやけた輪郭の春の雲がぼんやりかすんだ春の空に浮かんでいる。おれたちの座っているベンチは日陰だが、向こうの駅ビルのハーフミラーの壁面から日差しが反射していた。
「ここの光、良いな。天然のレフ板がある。ちょうどいいや。俺が最初に百万回再生を達成したネタを見せてやるよ。今でも毎週アップしてるんだ。こいつなんだけどさ。」
やつは背負っていたバックパックから、なにかをとりだした。大ぶりの玉ねぎだ。昼間の公園には違和感。そこからは手際が良かった。観光地でよく見る自撮りのセルカ棒にiPhoneを装着して、自分に向ける。
「シューティング始めるよ」
ぜんぜん緊張などしていないようだった。流星はだらだら話し続ける。
「玉ねぎの皮を剥くところは音声は生きてないから、アンタも適当に喋っていいよ。俺が八ヵ月かけて真剣に作ったビデオアート作品はせいぜいに、三千回再生なのに、おふざけで作った「生の玉ねぎ何秒で食べ尽くせるか?」は一週間もしないうちに百万回を記録した。なんだかバカらしい話だよな。でも、おかげでプロの専業ユーチューバーになれたってわけ。さあ、いこうか」
流星の手元には綺麗に皮の剥かれた玉ねぎがある。
「それを本気で全部喰うのか?」
芯も抜いてないし、根の部分もついたままだ。握りこぶしよりも大きな玉ねぎ。
「ああ、さんざんさがして辛みの少ない北海道産に落ち着いたところだ。見てるほどはつらくない。いくぞ、ちょっと黙っててくれ。」
「Ok」
セルカ棒を操作して、流星は録画を開始した。
「はい、140☆流星だ。今週の玉ねぎタイムがやってきた。今回は池袋の西口公園にきてる。ここでコイツを頭からバリバリ食らってやる。」
そこで流星はピカピカに光る玉ねぎを空中に放り投げた。ぱちんと音を立てて右手で受け止めると叫んだ。
「イッツ・ショータイム!」
やつはしぶきを飛ばしながら、生玉ねぎにかぶりついた。
「アフィリエイトみたいなもんだよ。」
意味は良く分からないが適当にうなずいておいた。
「初期はある程度の数の再生回数を記録した投稿者に、ユーチューブから招待があったんだ。今ではパートナープログラムってのがあって、誰でも参加できるようになってるんだけど。そこに登録すると再生一回で0.1円くらいの報酬がもらえる。まぁ、金額については秘密だし、向こうの都合で勝手に変わるんだ。」
ということは百万回再生で十万円の金になる。
「だけどさ、いくら無料だって百万回ってのはたいへんなんだろ」
「ああ、企画を考えるのは頭がおかしくなりそうなくらいきついな。客を繋ぎとめるには、出来れば毎日動画をアップしたいところだし。」
流星はそういうと顔をあげて、空の様子を見た。ぼやけた輪郭の春の雲がぼんやりかすんだ春の空に浮かんでいる。おれたちの座っているベンチは日陰だが、向こうの駅ビルのハーフミラーの壁面から日差しが反射していた。
「ここの光、良いな。天然のレフ板がある。ちょうどいいや。俺が最初に百万回再生を達成したネタを見せてやるよ。今でも毎週アップしてるんだ。こいつなんだけどさ。」
やつは背負っていたバックパックから、なにかをとりだした。大ぶりの玉ねぎだ。昼間の公園には違和感。そこからは手際が良かった。観光地でよく見る自撮りのセルカ棒にiPhoneを装着して、自分に向ける。
「シューティング始めるよ」
ぜんぜん緊張などしていないようだった。流星はだらだら話し続ける。
「玉ねぎの皮を剥くところは音声は生きてないから、アンタも適当に喋っていいよ。俺が八ヵ月かけて真剣に作ったビデオアート作品はせいぜいに、三千回再生なのに、おふざけで作った「生の玉ねぎ何秒で食べ尽くせるか?」は一週間もしないうちに百万回を記録した。なんだかバカらしい話だよな。でも、おかげでプロの専業ユーチューバーになれたってわけ。さあ、いこうか」
流星の手元には綺麗に皮の剥かれた玉ねぎがある。
「それを本気で全部喰うのか?」
芯も抜いてないし、根の部分もついたままだ。握りこぶしよりも大きな玉ねぎ。
「ああ、さんざんさがして辛みの少ない北海道産に落ち着いたところだ。見てるほどはつらくない。いくぞ、ちょっと黙っててくれ。」
「Ok」
セルカ棒を操作して、流星は録画を開始した。
「はい、140☆流星だ。今週の玉ねぎタイムがやってきた。今回は池袋の西口公園にきてる。ここでコイツを頭からバリバリ食らってやる。」
そこで流星はピカピカに光る玉ねぎを空中に放り投げた。ぱちんと音を立てて右手で受け止めると叫んだ。
「イッツ・ショータイム!」
やつはしぶきを飛ばしながら、生玉ねぎにかぶりついた。