ー特別編ー西池袋ノマドトラップ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
おれの部屋に来客用の布団を敷いた。明かりは豆電球ひとつ。暗闇のなかボロディンが低く流れている。やはりノマドは東京より、中央アジアの草原の方が似合うよな。おれは何か忘れている気がした。妙に目が冴えている。天井を見上げながらいった。
「さっきホームで何か大切なことを聞いた気がするんだけど」
おれの頭も夏バテ気味だった。重要なことから先に抜けていく。
「足が伸ばせるって天国だな。別な大切な話なんてしてないと思うよ。」
「高梨兄弟がなにか要求してたんだよな。なんだっけ。」
レオンは露骨に嫌な声を出した。
「久々に気分よく眠れそうなのに、あいつらの話はやめてくれよ。」
宿泊代だと思えば安いものだ。だいたいツインデビルを巻きこんだのは、レオン本人である。
「いいから、いいから。ちょっと思い出してくれ。やつは何を欲しがってたんだ。」
「出資金の倍返し、ツネキさんに会わせろ、ブラックメンバーに昇格させろ」
今度はおれががばりと上半身を起こす番だった。身体は熱いが、頭のなかは冴え冴えしている。
「そいつだ!堂上常樹に会わせよう!」
「そんなの無理だ」
「いいんだ、レオンは高梨兄弟を誘い出すだけでいい」
崇と同じことを口にしていた。
「なにいってるんだ。あいつらがどれだけ危険か、悠さんはわかってるのか」
悪魔が危ないことくらい、おれだってわかっている。やつらがアップした残酷動画は一本だけじゃない。
「ああ、だいじょうぶだ。ここはやつらの縄張りじゃない。なんてったって、池袋だからな」
おれはそういうと、今度こそ心安らかに眠りについた。
それからの三日間で、おれは崇とS・ウルフの幹部とあわせて四回の徹底したミーティングをおこなった。そのうち半分はレオンもいっしょだ。レオンにやってもらったのは、高梨兄弟に短い電話をかけてもらうこと。手打ちがしたい。ツネキさんに会わせるから、芸術劇場のイベントに来てくれ、VIP席を用意しておく。
金はもどらないし、レオンの行方も分からない。いくら高梨兄弟でも手詰まりだったのだろう。やつらは餌の生肉にすぐにくいついてきた。自分たちがいつも人に恐れられているので、罠にかけられるとは疑いもしないのだ。
あわれな悪魔。
「さっきホームで何か大切なことを聞いた気がするんだけど」
おれの頭も夏バテ気味だった。重要なことから先に抜けていく。
「足が伸ばせるって天国だな。別な大切な話なんてしてないと思うよ。」
「高梨兄弟がなにか要求してたんだよな。なんだっけ。」
レオンは露骨に嫌な声を出した。
「久々に気分よく眠れそうなのに、あいつらの話はやめてくれよ。」
宿泊代だと思えば安いものだ。だいたいツインデビルを巻きこんだのは、レオン本人である。
「いいから、いいから。ちょっと思い出してくれ。やつは何を欲しがってたんだ。」
「出資金の倍返し、ツネキさんに会わせろ、ブラックメンバーに昇格させろ」
今度はおれががばりと上半身を起こす番だった。身体は熱いが、頭のなかは冴え冴えしている。
「そいつだ!堂上常樹に会わせよう!」
「そんなの無理だ」
「いいんだ、レオンは高梨兄弟を誘い出すだけでいい」
崇と同じことを口にしていた。
「なにいってるんだ。あいつらがどれだけ危険か、悠さんはわかってるのか」
悪魔が危ないことくらい、おれだってわかっている。やつらがアップした残酷動画は一本だけじゃない。
「ああ、だいじょうぶだ。ここはやつらの縄張りじゃない。なんてったって、池袋だからな」
おれはそういうと、今度こそ心安らかに眠りについた。
それからの三日間で、おれは崇とS・ウルフの幹部とあわせて四回の徹底したミーティングをおこなった。そのうち半分はレオンもいっしょだ。レオンにやってもらったのは、高梨兄弟に短い電話をかけてもらうこと。手打ちがしたい。ツネキさんに会わせるから、芸術劇場のイベントに来てくれ、VIP席を用意しておく。
金はもどらないし、レオンの行方も分からない。いくら高梨兄弟でも手詰まりだったのだろう。やつらは餌の生肉にすぐにくいついてきた。自分たちがいつも人に恐れられているので、罠にかけられるとは疑いもしないのだ。
あわれな悪魔。