あんたは両津勘吉をしってるかい?

偉大なる人類の先祖クロマニヨン人の骨格をした恐るべきスーパーコップだ。まあ、規格外なのは確かだが、警視庁にだって新宿鮫みたいな良い男ばかりでなく、はずれくじも回ってくるからな。デカい組織には思わぬ名物もいるって話。

やつはM16Aを市街地でぶっ放し、自転車でポルシェをぶち抜き、バクチといい女に目がない。おまけに眉は類人猿のように繋がっているし、腕にも手の甲にも剛毛がたっぷり。鼻は顔の真ん中でヒマラヤ山系のようにあぐらをかいている。当然の結果として、当然の結果として、女たちにはまるでモテないことになる。

だけど、あんただってよくわかってるだろ。女たちはグラビア印刷の厚みしかない薄っぺらなアイドルには熱狂するくせに、男の本当の価値にはなかなか気づかないものだ。アイシャドーを入れた可愛い目は、みな節穴なのである。

おれは世界中の女を敵に回しても、両津のオヤジはいい男だと思う。実際、奴にも直接そういった。やつは下町っ子で照れ屋なので、「お前はマリアか」と意味不明なツッコミを返してきたが、あの男の言う事は半分以上目的地不明なので、おれは別に気にしなかった。誰でも訳の分からないことを叫んで通りを走りたくなったり、派出所をぶっ壊したくなったりすることがあるよな。

これからおれが話すのは、この秋の池袋と亀有を結んだ「点と線」のお話。本家のように立派なもんじゃないから、寝そべって(可愛い女の子の水着写真の後にでも)気楽に読んでくれ。大体本も漫画も寝そべって読むのが一番面白いのだ。

そいつは豊島区だろうと葛飾区だろうが、変わる筈がない。



ｰ池袋＠亀有エクスプレスｰ