ー特別編ー黄色のCurrency
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
なにも話す事はなかったが、オコノギの短縮を押した。
NPO代表は結構細かい。
毎日報告を入れるように注文してきたのだ。
『はい、オコノギです』
「悠だけど、こっちは進展がなかった。あのメモのカフェを二軒まわったけどね。収穫は白玉ココナツぜんざいかな。」
オコノギは笑わずそうかといった。そのあとは声をひそめて、一気に言う。
『ちょっとこれから、こっちに顔をだせないか』
「なにかあったのか?」
『あぁ、新しい偽札がみつかった。今度のはおふざけのイラストはついていない。』
「OK。すぐいく」
電話をきった。
「なにかあったか?」
「新しい偽札がでた。俺は今からオコノギにあってくる。」
「俺はどうしたらいい。」
「崇にこの事を連絡してくれ。繋がらなかったら、禅に伝えろ。」
「わかった。なら、俺は禅さんのところに行くから別れよう。」
俺はうなずいて東通りを振り向きながら走り、タクシーをとめた。
………
前日と同じ会議室、人払いをするとオコノギはまた二枚のep札を会議テーブルに並べた。
一枚は今までと同じ紙のてざわりだが、もう一枚はプラスチックのトランプのような冷たい感触だった。
俺は自信をもっていった。
「こっちのペラペラが新しい偽札だろ」
オコノギは首を横に振る。
「それを折ってみてくれないか。」
俺はほんものだというep札を中央で半分折りにした。
手を離してテーブルに戻すと、札は自然に開いて元の形になった。
「新札は紙の種類を換えたんだ。」
「選挙の投票用紙なんかに使われる特殊用紙か。」
「あぁ。しわや折りに強い復元性もある。」
「たしか…日本では二社しかつくってないんじゃないか?」
「よく知っているね。そのとおりだ。」
オコノギは感心した顔で俺を見る。
「偽札予防に紙自体を替えたんだ。」
「あぁ、コストは上がるが一番有効な手段だとおもってね。」
俺はフラットに伸びたep札を手にとった。
新しい札の隅には、NPOのキャラクターのトリ(フクロウらしい)の刻印がおしてある。
目を閉じて指先で触れると、かすかな凹凸が感じられた。
俺は新札をもどし、もう一枚を手にとった。折ってみる。
鮮やかな黄色の札は折れたままだった。
開いて右下と左上の隅を確認する。
こちらもしっかりと刻印があった。
「こいつが新型の偽札か。これなら誰だって騙されるな。」
もうゴマ粒のようなトリはついてなかった。
「やつらにしても冗談は終わりと言うことか…。」
オコノギは厳しく口を結んだ。
偽札をおれから取り戻し手のなかを睨み付ける。
「新しいep札はでまわり始めて、まだ一週間とたっていない。デジタルデザイン部が刷るときは、他の部署の人間が立ちあい、用紙や数量の厳しいチェック体制を整えた。偽札づくりも、さすがに特殊用紙までは手がまわらなかったようだが、しっかりと点字の刻印は復元している。気がかりなのは……」
俺はオコノギの変わりに答えた。
「あまりに反応が早すぎること」
「…そうだ。なぜ、これほどこちらの打つ手が筒抜けになってしまいのか。」
NPO代表は深く項垂れた。
NPO代表は結構細かい。
毎日報告を入れるように注文してきたのだ。
『はい、オコノギです』
「悠だけど、こっちは進展がなかった。あのメモのカフェを二軒まわったけどね。収穫は白玉ココナツぜんざいかな。」
オコノギは笑わずそうかといった。そのあとは声をひそめて、一気に言う。
『ちょっとこれから、こっちに顔をだせないか』
「なにかあったのか?」
『あぁ、新しい偽札がみつかった。今度のはおふざけのイラストはついていない。』
「OK。すぐいく」
電話をきった。
「なにかあったか?」
「新しい偽札がでた。俺は今からオコノギにあってくる。」
「俺はどうしたらいい。」
「崇にこの事を連絡してくれ。繋がらなかったら、禅に伝えろ。」
「わかった。なら、俺は禅さんのところに行くから別れよう。」
俺はうなずいて東通りを振り向きながら走り、タクシーをとめた。
………
前日と同じ会議室、人払いをするとオコノギはまた二枚のep札を会議テーブルに並べた。
一枚は今までと同じ紙のてざわりだが、もう一枚はプラスチックのトランプのような冷たい感触だった。
俺は自信をもっていった。
「こっちのペラペラが新しい偽札だろ」
オコノギは首を横に振る。
「それを折ってみてくれないか。」
俺はほんものだというep札を中央で半分折りにした。
手を離してテーブルに戻すと、札は自然に開いて元の形になった。
「新札は紙の種類を換えたんだ。」
「選挙の投票用紙なんかに使われる特殊用紙か。」
「あぁ。しわや折りに強い復元性もある。」
「たしか…日本では二社しかつくってないんじゃないか?」
「よく知っているね。そのとおりだ。」
オコノギは感心した顔で俺を見る。
「偽札予防に紙自体を替えたんだ。」
「あぁ、コストは上がるが一番有効な手段だとおもってね。」
俺はフラットに伸びたep札を手にとった。
新しい札の隅には、NPOのキャラクターのトリ(フクロウらしい)の刻印がおしてある。
目を閉じて指先で触れると、かすかな凹凸が感じられた。
俺は新札をもどし、もう一枚を手にとった。折ってみる。
鮮やかな黄色の札は折れたままだった。
開いて右下と左上の隅を確認する。
こちらもしっかりと刻印があった。
「こいつが新型の偽札か。これなら誰だって騙されるな。」
もうゴマ粒のようなトリはついてなかった。
「やつらにしても冗談は終わりと言うことか…。」
オコノギは厳しく口を結んだ。
偽札をおれから取り戻し手のなかを睨み付ける。
「新しいep札はでまわり始めて、まだ一週間とたっていない。デジタルデザイン部が刷るときは、他の部署の人間が立ちあい、用紙や数量の厳しいチェック体制を整えた。偽札づくりも、さすがに特殊用紙までは手がまわらなかったようだが、しっかりと点字の刻印は復元している。気がかりなのは……」
俺はオコノギの変わりに答えた。
「あまりに反応が早すぎること」
「…そうだ。なぜ、これほどこちらの打つ手が筒抜けになってしまいのか。」
NPO代表は深く項垂れた。