ー特別編ー北口スモークタワー
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「おまえはスモークタワーをどうしたいんだ?」
なにをあたりまえの質問をしてるんだって顔で、女の子がおれをにらんだ。
「ばあの仇を取るんだ。また火をつけて燃やしてやる。今度は絶対失敗しない。子供なら罪にはならないんだよね。」
刑事事件にはならなくても、少年審判はある。放火によって死者が出れば、厚生施設に送られることもあるだろう。
「そいつはあまりいい考えとは言えないな。あんなタワーを煙にするくらいで、ミオンが一生を台なしにすることはない。」
タカシがうなずいていった。
「あの事故で怪我をした五人の中に、うちのメンバーもいた。若い母親だ。ベビーカーのわきを暴走車が駆け抜けて行ったそうだ。口から泡を吹いた運転手を目撃している。」
「そのS・ウルフの女はどうした?」
「大丈夫だった。ベビーカーを守ろうとして、右腕をサイドミラーに擦っただけだ。軽い打撲で済んだ。」
ミオンと一瞬目を合わせると、王様は威厳をもっていった。
「この子の望みとS・ウルフの方針は一致している。いいか、悠、これは正式な依頼だ。スモークタワーをこの街から追い出せ。この街のガキにもじわじわとドラッグが浸透している。合法だろうが、脱法だろうが、違法だろうが関係ない。ドラッグはS・ウルフの敵だるやつらをタワーからあぶり出して、徹底的にはめろ」
アイアイサーご主人様。おれはランプの精にでもなった気分だった。タカシガそう命じるのなら、S・ウルフの組織と資金は使い放題。この街にいくつかある無敵アイテムのひとつが手に入った。
びっくりした顔で、おれとタカシを交互に見た。
「なんでそんなことまでゃってくれるの?」
タカシは冷たく笑って答えない。おれは王様の代わりにいってやった。
「こいつはすごくロリコンで、十二歳の女の子の涙に弱いんだ」
池袋の王様が唇の端を吊り上げた。氷の微笑。S・ウルフの女に一枚五百円で売れるからいつか撮影会でも開かせてもらおう。おれの写真の腕はなかなかだ。
「子供の涙に弱いのはおまえだ、悠」
ミオンがぽつりといった。
「ふたりは仲いいんだね」
冗談じゃないとタカシは言うと、手が切れるような一万円札の新券を置いて帰って行った。おつりはおれとミオンで山分け。王様の友達でいると、たまにいいことがあるよな。
なにをあたりまえの質問をしてるんだって顔で、女の子がおれをにらんだ。
「ばあの仇を取るんだ。また火をつけて燃やしてやる。今度は絶対失敗しない。子供なら罪にはならないんだよね。」
刑事事件にはならなくても、少年審判はある。放火によって死者が出れば、厚生施設に送られることもあるだろう。
「そいつはあまりいい考えとは言えないな。あんなタワーを煙にするくらいで、ミオンが一生を台なしにすることはない。」
タカシがうなずいていった。
「あの事故で怪我をした五人の中に、うちのメンバーもいた。若い母親だ。ベビーカーのわきを暴走車が駆け抜けて行ったそうだ。口から泡を吹いた運転手を目撃している。」
「そのS・ウルフの女はどうした?」
「大丈夫だった。ベビーカーを守ろうとして、右腕をサイドミラーに擦っただけだ。軽い打撲で済んだ。」
ミオンと一瞬目を合わせると、王様は威厳をもっていった。
「この子の望みとS・ウルフの方針は一致している。いいか、悠、これは正式な依頼だ。スモークタワーをこの街から追い出せ。この街のガキにもじわじわとドラッグが浸透している。合法だろうが、脱法だろうが、違法だろうが関係ない。ドラッグはS・ウルフの敵だるやつらをタワーからあぶり出して、徹底的にはめろ」
アイアイサーご主人様。おれはランプの精にでもなった気分だった。タカシガそう命じるのなら、S・ウルフの組織と資金は使い放題。この街にいくつかある無敵アイテムのひとつが手に入った。
びっくりした顔で、おれとタカシを交互に見た。
「なんでそんなことまでゃってくれるの?」
タカシは冷たく笑って答えない。おれは王様の代わりにいってやった。
「こいつはすごくロリコンで、十二歳の女の子の涙に弱いんだ」
池袋の王様が唇の端を吊り上げた。氷の微笑。S・ウルフの女に一枚五百円で売れるからいつか撮影会でも開かせてもらおう。おれの写真の腕はなかなかだ。
「子供の涙に弱いのはおまえだ、悠」
ミオンがぽつりといった。
「ふたりは仲いいんだね」
冗談じゃないとタカシは言うと、手が切れるような一万円札の新券を置いて帰って行った。おつりはおれとミオンで山分け。王様の友達でいると、たまにいいことがあるよな。