ー特別編ーカウントアップ
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「この番号のレンタカーを探している。なんでもいいから情報をくれ。」
ノートの切れ端を禅に渡した。やつは受けとりちらりと見る。
「金…は?」
シャロン吉村の通帳をテーブルに叩きつけた。
「あとでいくらでもやる。急いでくれ。」
それだけいって通帳をしまい、席を立とうとした。禅は首を横に振る。
「待っ…てて…く…ださい」
「すぐにわかるのか」
驚いていった。レンタカー会社のコンピューターにもぐりこむには、時間がかかるのだろうと思っていた。禅はノートブックパソコンの片方のキーボードを叩きながら、例のガス漏れみたいな声でいう。ダース・ベイダーか、こいつ。
「悠…さんは……コン…ピュー…タ…のこと……まだ…わかって…ません……ね。金…になりそ……うな…情報源に…は……まえも……って…侵入…して……オペ…レー…ション……システム…のマ…スター…コード…手に…入れて…おく…んです」
喋り疲れたのか、タブレットをおれの方に滑らせてきた、見てみると文章が流れていく。
『なぜ、俺が年中こんなものをパチパチやってると思います?ハッキングは準備に時間がかかります。結果が出るのはすぐです(^o^)v』
おれは普通にネットに使っているだけだった。ハッキングなんて考えたこともない。
「なぜ、ヒロキが誘拐されるとわかったんだ」
禅はおれの方を見ずに二つのノートパソコンを叩いた。画面にすぐ文字が流れてくる。
『危険の可能性があるといったんです。サービスで教えてあげますが、吉村秀人の調査を街金と商工ローンのやつらに連名で頼まれたんです。ヒロキの兄は頭のてっぺんまで腐った金に埋まってます。思いきり手を伸ばしてようやく、泥のうえに手が出せるくらいのもの。手が届く金持ちは、母親のシャロン吉村と……』
禅は灰色ガラスの目を退屈そうに半分閉じて、さらにキーボードを叩いた。
『……豊島開発の多田くらいのものです。あいつはどうしようもないバカだから、いちかばちかの一発勝負をやるかもしれない。それで可能性があるといったんです』
禅はおれのほうに、まばゆい液晶画面をまわした。白いウインドウにびっしりと細かな表組が浮かんでいる。そのうちの一行だけがチカチカと白黒の反転を繰り返していた。城東レンタリース池袋東口店、ミツビシデリカ・スペースギア、平成十年製、パールホワイト、ナンバーは練馬27 わ54-16。先週の金曜日からレンタルにでていた。テーブルの紙ナプキンを一枚とりメモする。禅はタブレットを回収していった。
「だ…から……すぐ…にわ…かると…いった…でしょ…う」
礼をいって店をでた。こんなに腕のいいやつが、探し続けてもなかなか見つからない。魂のメッセージを受けとるのは、ハッキングなどよりずっとむずかしいみたいだ。
ノートの切れ端を禅に渡した。やつは受けとりちらりと見る。
「金…は?」
シャロン吉村の通帳をテーブルに叩きつけた。
「あとでいくらでもやる。急いでくれ。」
それだけいって通帳をしまい、席を立とうとした。禅は首を横に振る。
「待っ…てて…く…ださい」
「すぐにわかるのか」
驚いていった。レンタカー会社のコンピューターにもぐりこむには、時間がかかるのだろうと思っていた。禅はノートブックパソコンの片方のキーボードを叩きながら、例のガス漏れみたいな声でいう。ダース・ベイダーか、こいつ。
「悠…さんは……コン…ピュー…タ…のこと……まだ…わかって…ません……ね。金…になりそ……うな…情報源に…は……まえも……って…侵入…して……オペ…レー…ション……システム…のマ…スター…コード…手に…入れて…おく…んです」
喋り疲れたのか、タブレットをおれの方に滑らせてきた、見てみると文章が流れていく。
『なぜ、俺が年中こんなものをパチパチやってると思います?ハッキングは準備に時間がかかります。結果が出るのはすぐです(^o^)v』
おれは普通にネットに使っているだけだった。ハッキングなんて考えたこともない。
「なぜ、ヒロキが誘拐されるとわかったんだ」
禅はおれの方を見ずに二つのノートパソコンを叩いた。画面にすぐ文字が流れてくる。
『危険の可能性があるといったんです。サービスで教えてあげますが、吉村秀人の調査を街金と商工ローンのやつらに連名で頼まれたんです。ヒロキの兄は頭のてっぺんまで腐った金に埋まってます。思いきり手を伸ばしてようやく、泥のうえに手が出せるくらいのもの。手が届く金持ちは、母親のシャロン吉村と……』
禅は灰色ガラスの目を退屈そうに半分閉じて、さらにキーボードを叩いた。
『……豊島開発の多田くらいのものです。あいつはどうしようもないバカだから、いちかばちかの一発勝負をやるかもしれない。それで可能性があるといったんです』
禅はおれのほうに、まばゆい液晶画面をまわした。白いウインドウにびっしりと細かな表組が浮かんでいる。そのうちの一行だけがチカチカと白黒の反転を繰り返していた。城東レンタリース池袋東口店、ミツビシデリカ・スペースギア、平成十年製、パールホワイト、ナンバーは練馬27 わ54-16。先週の金曜日からレンタルにでていた。テーブルの紙ナプキンを一枚とりメモする。禅はタブレットを回収していった。
「だ…から……すぐ…にわ…かると…いった…でしょ…う」
礼をいって店をでた。こんなに腕のいいやつが、探し続けてもなかなか見つからない。魂のメッセージを受けとるのは、ハッキングなどよりずっとむずかしいみたいだ。