ー特別編ー黄色のCurrency
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「あの、オコノギって人に呼ばれてるんだけど。」
胸ポケットのフラップに鳥(?)のバッチをつけた女は、男の名前を出したとたんにうっとり目を輝かせた。
彼女のアイドルなのかもしれない。
笑顔を最大に固定していう。
「お約束はございますか?」
「あるはずだ。」
女は先に立って、フロアを案内してくれた。
細かなパーティションで仕切られた机の島が六つ。
どのデスクトップにも真新しいコンピュータが並び、ディスプレイよりもそれをとりまく色とりどりのヌイグルミのが多かった。
「ハッハッ!」
何故か足元をチワワが走り回っている。
そこにいる男女はみな東京ディズニーランドの従業員(キャストって言うんだっけ?)みたいに明るくにこやかで、いきいきと働いているようだ。
ちょっとつくりものの情熱って感じもしたけどな。
「こちらです。」
俺は開いたままのドアの戸口に連れていかれた。
化粧をしていない女がノックしていった。
「オコノギさん、お客様です」
なかは楕円形のテーブルがおかれた広い会議室だった。
部屋の隅ではテレビのクルーが照明のコードやビデオカメラを片付けている。
俺は知らないけど、オコノギはテレビの取材がくるほど有名らしい。
クリーム色のスーツを着た男が、いっしょに話していたスタッフにいった。
「芳川くん、ちょっと小鳥遊くんと話がある。ふたりきりにしてくれないか。」
ヨシカワと呼ばれた長髪の男はテレビクルーに耳打ちした。
次の瞬間には、ほうきで吐き出されたようにテレビ局の人間と、数人残っていたスタッフが会議室をでていった。
オコノギは爽やかな笑顔のまま、備え付けの小型冷蔵庫からミネラルウォーターを抜いて、おれの前においた。
「どうぞ。この冷蔵庫はペルチェ素子というICで冷やすんだ。フロンガスは使用していない。」
ガラス越しの木々を背にしてオコノギは座った。
繊細そうな指先を重ねる。
「さて、どこから話したらいいか…」
爽やかな笑いは引っ込められ。疲れたような表情に変わった。
「頭から話してくれ。」
「うむ。小鳥遊くんはこれを知っているかい。」
オコノギは二枚の札を並べた。
昼間ともきからもらったのと同じ鮮やかな黄色の札だ。
「アンタがこの札の発案者なんだ。」
「まぁそんなものかな。…話しはそれるが君は兜馬さんの息子さんだよね。」
意外なところで意外なやつの名前を出された。
「そうだけど、アンタ親父の知り合い?」
「覚えていないかな。先日のパーティーで…」
「……あ、あー!あの時ね。そういや見たことある気がした訳だ。」
「君が街のトラブルシューターとは、やはり兜馬さんのように立派な志があるからかい?」
俺は力一杯に首を横に振った。
「オコノギさん。2つ忠告するぜ。1つ、俺と親父をいっしょにしない事。親子と思わなくてもいい。親父は親父。俺は俺だ。2つおれの事は悠でいい。」
オコノギは不思議な顔をして、うなづいた。
胸ポケットのフラップに鳥(?)のバッチをつけた女は、男の名前を出したとたんにうっとり目を輝かせた。
彼女のアイドルなのかもしれない。
笑顔を最大に固定していう。
「お約束はございますか?」
「あるはずだ。」
女は先に立って、フロアを案内してくれた。
細かなパーティションで仕切られた机の島が六つ。
どのデスクトップにも真新しいコンピュータが並び、ディスプレイよりもそれをとりまく色とりどりのヌイグルミのが多かった。
「ハッハッ!」
何故か足元をチワワが走り回っている。
そこにいる男女はみな東京ディズニーランドの従業員(キャストって言うんだっけ?)みたいに明るくにこやかで、いきいきと働いているようだ。
ちょっとつくりものの情熱って感じもしたけどな。
「こちらです。」
俺は開いたままのドアの戸口に連れていかれた。
化粧をしていない女がノックしていった。
「オコノギさん、お客様です」
なかは楕円形のテーブルがおかれた広い会議室だった。
部屋の隅ではテレビのクルーが照明のコードやビデオカメラを片付けている。
俺は知らないけど、オコノギはテレビの取材がくるほど有名らしい。
クリーム色のスーツを着た男が、いっしょに話していたスタッフにいった。
「芳川くん、ちょっと小鳥遊くんと話がある。ふたりきりにしてくれないか。」
ヨシカワと呼ばれた長髪の男はテレビクルーに耳打ちした。
次の瞬間には、ほうきで吐き出されたようにテレビ局の人間と、数人残っていたスタッフが会議室をでていった。
オコノギは爽やかな笑顔のまま、備え付けの小型冷蔵庫からミネラルウォーターを抜いて、おれの前においた。
「どうぞ。この冷蔵庫はペルチェ素子というICで冷やすんだ。フロンガスは使用していない。」
ガラス越しの木々を背にしてオコノギは座った。
繊細そうな指先を重ねる。
「さて、どこから話したらいいか…」
爽やかな笑いは引っ込められ。疲れたような表情に変わった。
「頭から話してくれ。」
「うむ。小鳥遊くんはこれを知っているかい。」
オコノギは二枚の札を並べた。
昼間ともきからもらったのと同じ鮮やかな黄色の札だ。
「アンタがこの札の発案者なんだ。」
「まぁそんなものかな。…話しはそれるが君は兜馬さんの息子さんだよね。」
意外なところで意外なやつの名前を出された。
「そうだけど、アンタ親父の知り合い?」
「覚えていないかな。先日のパーティーで…」
「……あ、あー!あの時ね。そういや見たことある気がした訳だ。」
「君が街のトラブルシューターとは、やはり兜馬さんのように立派な志があるからかい?」
俺は力一杯に首を横に振った。
「オコノギさん。2つ忠告するぜ。1つ、俺と親父をいっしょにしない事。親子と思わなくてもいい。親父は親父。俺は俺だ。2つおれの事は悠でいい。」
オコノギは不思議な顔をして、うなづいた。