ー特別編ーカウントアップ
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その日の夕方ヒロキと池袋駅で別れると、西口公園のベンチに座りスマホをかけた。久々の拳二。中学のセンパイは今、一ノ瀬組の元気のいい幹部だ。裏側の世界のおれの情報源のひとつ。やつは電話にでても黙ったままだ。
「おれ、悠、二、三、話を聞いていいか?」
『おう。なんだ?』
貫禄がつきまくりの声が返ってくる。
「今、西口の風俗街はどうなってるんだ。」
『三つどもえだな。うちと豊島開発と関西系の大手。こっちの業界もデフレっつうのか、景気の悪い話ばかりだ。内容をハードにして、値段は下げる。生き残りのためにどこも必死だ。特に関西系がきてからは、ヘルスも出張も裏もきつくなった。よく考えりゃ裏ビデオもは昔一本一万だったのに、今じゃDVDで十数枚で何千円だ』
ゴリラの話しによると競争原理が働いて、サービスはどんどん過激になる一方だという。風俗店はしっかりと系列が固めているが、カタギの客には組織の威光なんてなんて関係ない。日本の経済界で数少ない、顧客優先の市場主義がフルに機能している分野なのだ。お好きな人は、今のうちにどうぞ。
「豊島開発について悪い噂はないか?」
しばらくケンジは考えた。おれは円形広場を横切って池袋駅にむかう人波を見ていた。ヒロキの癖が移ったのか、自然にサラリーマンの数を数えている。
『うーん、別に聞かないな。あそこは組織はしっかりしてるし、今まで溜め込んだ銭もある。ちょっとやそっとじゃ、倒れんだろう。例によって関西ともめてるらしいが、それはうちと同じだしな』
「多田三樹夫については」
『女優のレコにデレデレだって話だが、商売はさすがにうまいもんだ。なんだ、悠、多田ともめてんのか。相変わらずいい度胸してんな。』
おれは違うといった。ヒロキの超然とした笑顔を思い出す。どっちかといえば豊島開発の側なのだろう。最後にきいた。
「お前から見て、禅の腕はどうだ?業界情報は」
『禅?ああ、崇が抱えてるあの頭のいっちゃてるやつか?』
口が悪いと思った。おれはそうだといった。
『高いが、腕は文句なしだろ。電話番号、住所、車のナンバー、銀行やクレジット口座の利用状況、金さえだしたらなんでも調べる技を持ってる。こっちの業界も詳しいだろうよ』
あの恐ろしく深い灰色の目。禅はなんでもお見通しという訳か。おれは礼をいって電話を切った。ケンジは今度フグをおごってくれるという。あっちの業界のやつも芸能人と同じだった。カタギのやつと遊ぶほうが楽しいのだ。
「おれ、悠、二、三、話を聞いていいか?」
『おう。なんだ?』
貫禄がつきまくりの声が返ってくる。
「今、西口の風俗街はどうなってるんだ。」
『三つどもえだな。うちと豊島開発と関西系の大手。こっちの業界もデフレっつうのか、景気の悪い話ばかりだ。内容をハードにして、値段は下げる。生き残りのためにどこも必死だ。特に関西系がきてからは、ヘルスも出張も裏もきつくなった。よく考えりゃ裏ビデオもは昔一本一万だったのに、今じゃDVDで十数枚で何千円だ』
ゴリラの話しによると競争原理が働いて、サービスはどんどん過激になる一方だという。風俗店はしっかりと系列が固めているが、カタギの客には組織の威光なんてなんて関係ない。日本の経済界で数少ない、顧客優先の市場主義がフルに機能している分野なのだ。お好きな人は、今のうちにどうぞ。
「豊島開発について悪い噂はないか?」
しばらくケンジは考えた。おれは円形広場を横切って池袋駅にむかう人波を見ていた。ヒロキの癖が移ったのか、自然にサラリーマンの数を数えている。
『うーん、別に聞かないな。あそこは組織はしっかりしてるし、今まで溜め込んだ銭もある。ちょっとやそっとじゃ、倒れんだろう。例によって関西ともめてるらしいが、それはうちと同じだしな』
「多田三樹夫については」
『女優のレコにデレデレだって話だが、商売はさすがにうまいもんだ。なんだ、悠、多田ともめてんのか。相変わらずいい度胸してんな。』
おれは違うといった。ヒロキの超然とした笑顔を思い出す。どっちかといえば豊島開発の側なのだろう。最後にきいた。
「お前から見て、禅の腕はどうだ?業界情報は」
『禅?ああ、崇が抱えてるあの頭のいっちゃてるやつか?』
口が悪いと思った。おれはそうだといった。
『高いが、腕は文句なしだろ。電話番号、住所、車のナンバー、銀行やクレジット口座の利用状況、金さえだしたらなんでも調べる技を持ってる。こっちの業界も詳しいだろうよ』
あの恐ろしく深い灰色の目。禅はなんでもお見通しという訳か。おれは礼をいって電話を切った。ケンジは今度フグをおごってくれるという。あっちの業界のやつも芸能人と同じだった。カタギのやつと遊ぶほうが楽しいのだ。