ー特別編ー黄色のCurrency
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『悪党の口癖かも知れないが、ぼくはきみが心配するような悪い人間ではないつもりだ。』
俺は正直に言った。
「胡散臭いな。」
『そう言わないでくれ。池袋一のストリートトラブルシューターにたのみたい事がある。次の取材まで時間があまりないんだ。これからきてくれないか。』
「これからって…」
いきなりの展開にすぐ返事が出来なかった。
オコノギと名乗る男は疲れたように声を殺していった。
「頼む。これはぼく個人やうちのセンターだけの問題ではなく、この街にくらしている人すべてにかかわるトラブルだ。きみはこの街の若者のためになるなら、報酬など無くても全力を尽くすときいた。」
あらためて言葉にされると、カッコよすぎて照れてしまう。
ま、わかるやつには解るって事だよな。
俺は自分でも解るくらいだらしなく照れたニヤケ面で答えた。
あ、声はいたって真面目にね。
「わかった。実際アンタのいうとおりだけど、誰にそんな話をきいたんだ。」
嬉しい噂の情報源なら確かめておく必要がある。
もし可愛い女の子とかならぜひ名前とかを…
『うちに出入りしている虎琥狗君だ。彼はきみの事を高く評価していた。』
「……虎琥狗って崇のこと?」
『そうだ。池袋の少年たちの親睦団体を代表してるといってたな。』
全身から力が抜けていき椅子から滑り落ちそうになった…
可愛い女の子でも街の噂でもなく、Sウルフの王様のひと言。
やつの紹介なら絶対にしんどいトラブルに決まっている。
「まぁ、わかりましたよ。今からいきます。」
俺は電話を切った。
「はぁ…」
「悠帰ろうぜ。」
亮が鞄を持って声をかけてくる。
「わりぃ。今から用事がある。」
「そうか…じゃ、またな。」
「あぁ。」
俺は教室を足を引きずりながら出た。
のどかな夕暮れよ、さらばだ。
ー東京芸術劇場付近ビル(池袋西口)ー
俺はさっき言われたビルを探した。
「一階がエコロジー商品の店…あった。」
店を見つけて俺はゆっくりと階数を数えながら、視線をあげていく。
白いパネルと銀のアルミフレームが20%、残りは淡いブルーに沈む熱線反射ガラスの建物だった。
まだ新しいようだ。
七階の窓にはでかでかと【いけ!タウンNPOセンター】と張り出されていた。
ださいネーミング。
「NPO…さっきセンターがどうのこうの言ってたのはこれか。」
俺はなんだか真面目な感じのする、そのビルに向かった。
………
エレベーターの扉がひらくと、いきなり活気にあふれたざわめきにぶつかった。
急成長中の居酒屋チェーンにでも入ったみたいだ。
淡いブルーの上着を着た若い男女が、いそがしげに行き交っている。
俺は液晶画面つきの電話が二台並んだ受付で、手近なやつに声をかけた。
俺は正直に言った。
「胡散臭いな。」
『そう言わないでくれ。池袋一のストリートトラブルシューターにたのみたい事がある。次の取材まで時間があまりないんだ。これからきてくれないか。』
「これからって…」
いきなりの展開にすぐ返事が出来なかった。
オコノギと名乗る男は疲れたように声を殺していった。
「頼む。これはぼく個人やうちのセンターだけの問題ではなく、この街にくらしている人すべてにかかわるトラブルだ。きみはこの街の若者のためになるなら、報酬など無くても全力を尽くすときいた。」
あらためて言葉にされると、カッコよすぎて照れてしまう。
ま、わかるやつには解るって事だよな。
俺は自分でも解るくらいだらしなく照れたニヤケ面で答えた。
あ、声はいたって真面目にね。
「わかった。実際アンタのいうとおりだけど、誰にそんな話をきいたんだ。」
嬉しい噂の情報源なら確かめておく必要がある。
もし可愛い女の子とかならぜひ名前とかを…
『うちに出入りしている虎琥狗君だ。彼はきみの事を高く評価していた。』
「……虎琥狗って崇のこと?」
『そうだ。池袋の少年たちの親睦団体を代表してるといってたな。』
全身から力が抜けていき椅子から滑り落ちそうになった…
可愛い女の子でも街の噂でもなく、Sウルフの王様のひと言。
やつの紹介なら絶対にしんどいトラブルに決まっている。
「まぁ、わかりましたよ。今からいきます。」
俺は電話を切った。
「はぁ…」
「悠帰ろうぜ。」
亮が鞄を持って声をかけてくる。
「わりぃ。今から用事がある。」
「そうか…じゃ、またな。」
「あぁ。」
俺は教室を足を引きずりながら出た。
のどかな夕暮れよ、さらばだ。
ー東京芸術劇場付近ビル(池袋西口)ー
俺はさっき言われたビルを探した。
「一階がエコロジー商品の店…あった。」
店を見つけて俺はゆっくりと階数を数えながら、視線をあげていく。
白いパネルと銀のアルミフレームが20%、残りは淡いブルーに沈む熱線反射ガラスの建物だった。
まだ新しいようだ。
七階の窓にはでかでかと【いけ!タウンNPOセンター】と張り出されていた。
ださいネーミング。
「NPO…さっきセンターがどうのこうの言ってたのはこれか。」
俺はなんだか真面目な感じのする、そのビルに向かった。
………
エレベーターの扉がひらくと、いきなり活気にあふれたざわめきにぶつかった。
急成長中の居酒屋チェーンにでも入ったみたいだ。
淡いブルーの上着を着た若い男女が、いそがしげに行き交っている。
俺は液晶画面つきの電話が二台並んだ受付で、手近なやつに声をかけた。