ー特別編ー黄色のCurrency
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「バイト先でくれた物なんだけどな。ちょっと待ってくれ」
ともきはズボンのポケットから携帯を取り出した。
親指でいくつかボタンをおして液晶画面をこちらに向けていう。
「マッサージ一時間200ep。犬の散歩30分100ep。スーパーの買い物代行100ep。」
確かにちいさな画面にはサービスとその対価がびっしりと掲示されている。
俺は文字を目で追いながら、間抜けにかえす。
「その金でサービスが受けれるのか。でも、なんで普通の金じゃダメなんだ?」
ともきは首をかしげるといった。
「やっぱほんとの金だと色々あるし。なんか面倒な事でもあるんじゃないか?税金とか。」
俺はちょっと気になってきいてみる。
「……なぁ、ともきよかったら、これ俺にくれないか?」
「タダでか?」
「じゃぁ、俺の愛をやる。」
俺はシャツのボタンを外していく。
「いらん!」
ともきはベシッと俺のデコにep札をぶつけてきた。
最近俺へのツッコミが雑な気がする。
「けど、悠どうするんだそれ。」
亮が特になんの反応も見せずに聞いてきた。
「こいつをタンスにしまって三年もしたら五千円くらいにならないかと思ってな。」
「「……」」
亮とともきが呆れた顔をした。
「いや、冗談だからね?」
アンタにだって地域通貨の意味はわかるよな?
………
放課後になって俺は教室の窓から西の空を見る。
こう見えてもセンチメンタルな男なんだ。
大気にやわらかさを増した夕日が、端っこだけオレンジに燃える雲に沈んでいく。すごいスローモーション。
何もせずにぼんやり夕焼けをみていると、なんだか放送禁止用語でも叫びたくなってくるのは俺だけだろうか。
実にセンチメンタルな事を考えていると尻のポケットで携帯が震えた。
「誰だこれ…」
液晶画面には見たことない番号が映っている。
「はい、もしもし?」
面白がってるような男の声が流れ出した。
『小鳥遊悠くんでいいのかな?』
聞いたことある気がする、爽やかで頭良さげな声。
「そうだけど、アンタ誰?」
『ああ、失礼したね。ぼくは小此木多津男(おこのぎたつお)』
知らない名前だった。
俺は自然に首をかしげてしまう。
『君は知らないかも知れないがぼくは君を知ってるよ。まぁ、今回の電話はうちのセンターの若い人から君の名前を聞いた。』
俺は慌てて窓の外を確認した。
ぼくは知ってる。なんて言われたらゾクッとする。
もしかしたら何処かでエリート声の男が俺を狙ってるのかもしれない。
最近のトラブルをひとつ思い浮かべてみる。
まさかいきなり狙撃されることもないと思うが、いかれたやつは何をするかわからない。
『小鳥遊くん。頼みたいことがある。』
男は言った。
『東京芸術劇場の並びにあるビルに来てくれないか。一階はエコロジー商品の店になってるビルの七階に。』
「……」
俺は新手の詐欺か待ち伏せかと考えていた。
ともきはズボンのポケットから携帯を取り出した。
親指でいくつかボタンをおして液晶画面をこちらに向けていう。
「マッサージ一時間200ep。犬の散歩30分100ep。スーパーの買い物代行100ep。」
確かにちいさな画面にはサービスとその対価がびっしりと掲示されている。
俺は文字を目で追いながら、間抜けにかえす。
「その金でサービスが受けれるのか。でも、なんで普通の金じゃダメなんだ?」
ともきは首をかしげるといった。
「やっぱほんとの金だと色々あるし。なんか面倒な事でもあるんじゃないか?税金とか。」
俺はちょっと気になってきいてみる。
「……なぁ、ともきよかったら、これ俺にくれないか?」
「タダでか?」
「じゃぁ、俺の愛をやる。」
俺はシャツのボタンを外していく。
「いらん!」
ともきはベシッと俺のデコにep札をぶつけてきた。
最近俺へのツッコミが雑な気がする。
「けど、悠どうするんだそれ。」
亮が特になんの反応も見せずに聞いてきた。
「こいつをタンスにしまって三年もしたら五千円くらいにならないかと思ってな。」
「「……」」
亮とともきが呆れた顔をした。
「いや、冗談だからね?」
アンタにだって地域通貨の意味はわかるよな?
………
放課後になって俺は教室の窓から西の空を見る。
こう見えてもセンチメンタルな男なんだ。
大気にやわらかさを増した夕日が、端っこだけオレンジに燃える雲に沈んでいく。すごいスローモーション。
何もせずにぼんやり夕焼けをみていると、なんだか放送禁止用語でも叫びたくなってくるのは俺だけだろうか。
実にセンチメンタルな事を考えていると尻のポケットで携帯が震えた。
「誰だこれ…」
液晶画面には見たことない番号が映っている。
「はい、もしもし?」
面白がってるような男の声が流れ出した。
『小鳥遊悠くんでいいのかな?』
聞いたことある気がする、爽やかで頭良さげな声。
「そうだけど、アンタ誰?」
『ああ、失礼したね。ぼくは小此木多津男(おこのぎたつお)』
知らない名前だった。
俺は自然に首をかしげてしまう。
『君は知らないかも知れないがぼくは君を知ってるよ。まぁ、今回の電話はうちのセンターの若い人から君の名前を聞いた。』
俺は慌てて窓の外を確認した。
ぼくは知ってる。なんて言われたらゾクッとする。
もしかしたら何処かでエリート声の男が俺を狙ってるのかもしれない。
最近のトラブルをひとつ思い浮かべてみる。
まさかいきなり狙撃されることもないと思うが、いかれたやつは何をするかわからない。
『小鳥遊くん。頼みたいことがある。』
男は言った。
『東京芸術劇場の並びにあるビルに来てくれないか。一階はエコロジー商品の店になってるビルの七階に。』
「……」
俺は新手の詐欺か待ち伏せかと考えていた。