ー特別編ー北口アイドル@アンダーグラウンド
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「あの女はああ見えてアイドルなんだ。パンツが見えるようなミニスカでうたって踊ってんの。おれとは関係ないんだよ」
吉音はきょとんとした顔をした。畳み掛けるように朝刊を手に持ってるはなちゃんがいった。
「前回の国勢調査の結果だと、近い将来今の二十代の男の三分の一は生涯独身だそうです。悠さんもそろそろちゃんと身を固めなくちゃ。だいたいいつまで人さまのもめごとに頭を突っ込むつもりです?」
さすがははなちゃん、おれの痛いところを鋭く指摘してくる。
「その記事なら、おれも読んだ。だけど、こんな甲斐性なしで、結婚なんかできないだろ?」
雇い主のおれが、口にするのは問題ありありの発言。
「はいはい、じゃあちゃんと仕事してくださいです。」
「……」
なにも言い返さない雇用主。家では真桜に、ここでははなちゃんに、どうやらおれは年下の女に頭があがらないらしい。
しかし、女がいないのは金がないせいか。金がないから女ができないのか。これは少子化ニッポンの永遠の難問なのだった。
古くなった菓子と乾いてしまった団子をまとめてゴミ袋に捨てていると、おれの携帯が鳴った。着信は昨夜に続いて、イナミだ。美を否定するなんて、暗黒アニメかライトノベルみたいな芸名。おれは厨二病だがそういうわざとらしいゴシック趣味は好きじゃない。
「なんだよ」
『どうしたの、悠さん。朝からなにかあった?』
おれは店の奥にいる吉音とはなちゃんに目をやった。
「従業員ともめた。それより、なんの用だ?」
『用っていうほどのことじゃないけど、今日と明日はわたし部屋から一歩もでないから、別にボディガードの必要はないっていっておきたくて』
二日間家をでない?引きこもりの練習だろうか。
「コンビニにもいかないのか」
『うん。二日後につぎのCDのジャケット撮影があるんだよね。それでちょっとダイエットしなくちゃいけないから。家にこもってファッスティングして、身体を引き締めるんだ』
ファッスティングは断食。
「やっぱりイナミはほんもののアイドルなんだな。おれには二日もなにもくわないなんて、想像もできないや。今朝はなにかトラブルはなかったか」
『うん、大丈夫』
通話が切れるのかと思って、おれは携帯を耳にあてていた。すると微妙な間をおいて、イナミがいった。
『あのガードマンの格好をしたひとのことなんだけど、その人太っていたんだよね。』
遠めにもデブだったのは確か。頭はともかく、おれは目はいい。
吉音はきょとんとした顔をした。畳み掛けるように朝刊を手に持ってるはなちゃんがいった。
「前回の国勢調査の結果だと、近い将来今の二十代の男の三分の一は生涯独身だそうです。悠さんもそろそろちゃんと身を固めなくちゃ。だいたいいつまで人さまのもめごとに頭を突っ込むつもりです?」
さすがははなちゃん、おれの痛いところを鋭く指摘してくる。
「その記事なら、おれも読んだ。だけど、こんな甲斐性なしで、結婚なんかできないだろ?」
雇い主のおれが、口にするのは問題ありありの発言。
「はいはい、じゃあちゃんと仕事してくださいです。」
「……」
なにも言い返さない雇用主。家では真桜に、ここでははなちゃんに、どうやらおれは年下の女に頭があがらないらしい。
しかし、女がいないのは金がないせいか。金がないから女ができないのか。これは少子化ニッポンの永遠の難問なのだった。
古くなった菓子と乾いてしまった団子をまとめてゴミ袋に捨てていると、おれの携帯が鳴った。着信は昨夜に続いて、イナミだ。美を否定するなんて、暗黒アニメかライトノベルみたいな芸名。おれは厨二病だがそういうわざとらしいゴシック趣味は好きじゃない。
「なんだよ」
『どうしたの、悠さん。朝からなにかあった?』
おれは店の奥にいる吉音とはなちゃんに目をやった。
「従業員ともめた。それより、なんの用だ?」
『用っていうほどのことじゃないけど、今日と明日はわたし部屋から一歩もでないから、別にボディガードの必要はないっていっておきたくて』
二日間家をでない?引きこもりの練習だろうか。
「コンビニにもいかないのか」
『うん。二日後につぎのCDのジャケット撮影があるんだよね。それでちょっとダイエットしなくちゃいけないから。家にこもってファッスティングして、身体を引き締めるんだ』
ファッスティングは断食。
「やっぱりイナミはほんもののアイドルなんだな。おれには二日もなにもくわないなんて、想像もできないや。今朝はなにかトラブルはなかったか」
『うん、大丈夫』
通話が切れるのかと思って、おれは携帯を耳にあてていた。すると微妙な間をおいて、イナミがいった。
『あのガードマンの格好をしたひとのことなんだけど、その人太っていたんだよね。』
遠めにもデブだったのは確か。頭はともかく、おれは目はいい。