ー特別編ー黄色のCurrency
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最初にその札を見たのはパーティーの最中だった。
何十階だての高級ホテルの一室。
右も左もきらびやかに着飾った紳士淑女。
漂白剤につけこまれたようにまぶしいくらい白い壁に床は真っ赤なカーペット。
天井を見上げれば、ホコリひとつ見えない繊細な飾りの巨大なシャンデリア。
俺はそんな場違いオブ場違いの中で隅の壁にもたれていた。
「はぁ、つまんねぇ……。いったいいつまで続くんだこの茶番(パーティー)は?」
オレンジジュースの入ったグラスを指先に乗せてため息を吐く。
「そんな事をいってはいけませんよ坊っちゃん。タイもちゃんと絞めてください。」
髭を生やしたボーダーのスーツをきた男、親父の秘書兼警備主任。
もと俺の世話役だった近藤さんが注意してくる。
「わかってるよ。近藤さん。っか次、坊っちゃんったら殴るよ。」
「解りましたからネクタイを直してください。坊っちゃん。」
まったく解ってない。
俺は渋々ネクタイを絞め直した。
「堅苦しいから嫌なんだよ…」
勿論おれもタキシード。
このパーティーに出るにあたりスーツなんか無いって言ったら、用意してあるといわれ着替えさせられた。
「よくお似合いですよ。」
近藤さんはフッフと紳士な笑い方をする。
俺は首を横に振った。
「やめてくれよ。」
「はは、何か料理でもとって来ましょうか?」
立食タイプの形式で並べられたテーブルには一流シェフが試行錯誤したオードブルが並んでいる。
「いや、いいよ。」
「ですが、先ほどから何も食べていませんが?」
「まぁな。」
「体調でも優れませんか?」
別に体調が悪い訳じゃない。ただこの雰囲気では何を食っても味気無い気がするのだ。
だって、俺はパンピーだからな。リッチな食事なんかより、ともき達と一緒にバカ話しながら食うラーメンとかのが100倍口に合う。
「違うさ、家に帰れば、まおの愛情込もった夕食があるんだよ。…それより親父はドコ行ったんだ?」
「はい。官僚の方々とご挨拶をされてます。あとで悠様もお顔を出してください。」
やぶ蛇だった。
「めんどくせ…」
俺はさっさと居心地の悪いここからおさらばするために親父を探した。
辺りを見回せば、息子、娘自慢をしてるお偉方ばかり。
「悠何をしてる?」
「あ、居た。」
SPに囲まれた親父がグラス片手に近づいてくる。
「久々に帰国して会えたというのにつれないな。酒は飲めずとも乾杯くらいはさせなさい。」
「相変わらず凄いSPの数だな。親父。」
勿論、俺は本当は酒を飲める。だけど社交の場では一応配慮してる。
俺も大人だろ?
「帰国おつかれ。俺、帰っていいか?」
親父に向けてグラスを掲げた。
「まだ一時間と経っていないだろ。ほら、彼女を見習いたまえ。」
「あん?」
「クロケティアさんは聡明でいらっしゃいますね。」
「いえいえ、そんな事ありませんデスわ。ホホホ。」
『……。』
横を見ると金髪ツインテールで金のドレス姿のゴージャス(?)なデイジーが世間話をしながらドロンジョみたいな笑いをしている。
側に居るローガンは俺に気づいて『Help me!』と視線を投げ掛けてきたので俺はすぐに見なかった事にした。
何十階だての高級ホテルの一室。
右も左もきらびやかに着飾った紳士淑女。
漂白剤につけこまれたようにまぶしいくらい白い壁に床は真っ赤なカーペット。
天井を見上げれば、ホコリひとつ見えない繊細な飾りの巨大なシャンデリア。
俺はそんな場違いオブ場違いの中で隅の壁にもたれていた。
「はぁ、つまんねぇ……。いったいいつまで続くんだこの茶番(パーティー)は?」
オレンジジュースの入ったグラスを指先に乗せてため息を吐く。
「そんな事をいってはいけませんよ坊っちゃん。タイもちゃんと絞めてください。」
髭を生やしたボーダーのスーツをきた男、親父の秘書兼警備主任。
もと俺の世話役だった近藤さんが注意してくる。
「わかってるよ。近藤さん。っか次、坊っちゃんったら殴るよ。」
「解りましたからネクタイを直してください。坊っちゃん。」
まったく解ってない。
俺は渋々ネクタイを絞め直した。
「堅苦しいから嫌なんだよ…」
勿論おれもタキシード。
このパーティーに出るにあたりスーツなんか無いって言ったら、用意してあるといわれ着替えさせられた。
「よくお似合いですよ。」
近藤さんはフッフと紳士な笑い方をする。
俺は首を横に振った。
「やめてくれよ。」
「はは、何か料理でもとって来ましょうか?」
立食タイプの形式で並べられたテーブルには一流シェフが試行錯誤したオードブルが並んでいる。
「いや、いいよ。」
「ですが、先ほどから何も食べていませんが?」
「まぁな。」
「体調でも優れませんか?」
別に体調が悪い訳じゃない。ただこの雰囲気では何を食っても味気無い気がするのだ。
だって、俺はパンピーだからな。リッチな食事なんかより、ともき達と一緒にバカ話しながら食うラーメンとかのが100倍口に合う。
「違うさ、家に帰れば、まおの愛情込もった夕食があるんだよ。…それより親父はドコ行ったんだ?」
「はい。官僚の方々とご挨拶をされてます。あとで悠様もお顔を出してください。」
やぶ蛇だった。
「めんどくせ…」
俺はさっさと居心地の悪いここからおさらばするために親父を探した。
辺りを見回せば、息子、娘自慢をしてるお偉方ばかり。
「悠何をしてる?」
「あ、居た。」
SPに囲まれた親父がグラス片手に近づいてくる。
「久々に帰国して会えたというのにつれないな。酒は飲めずとも乾杯くらいはさせなさい。」
「相変わらず凄いSPの数だな。親父。」
勿論、俺は本当は酒を飲める。だけど社交の場では一応配慮してる。
俺も大人だろ?
「帰国おつかれ。俺、帰っていいか?」
親父に向けてグラスを掲げた。
「まだ一時間と経っていないだろ。ほら、彼女を見習いたまえ。」
「あん?」
「クロケティアさんは聡明でいらっしゃいますね。」
「いえいえ、そんな事ありませんデスわ。ホホホ。」
『……。』
横を見ると金髪ツインテールで金のドレス姿のゴージャス(?)なデイジーが世間話をしながらドロンジョみたいな笑いをしている。
側に居るローガンは俺に気づいて『Help me!』と視線を投げ掛けてきたので俺はすぐに見なかった事にした。