ー特別編ー非正規ワーカーズ
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「まずみんなうちの東京フリーターズユニオンに加入していた。みんなベターデイズの池袋支店で登録していた。それからユニオンの方針でインフォメーション費について、派遣会社に問い合わせをしていた。その三点かな。」
毎回天引きされる用途不明の二百円がインフォメーション費だ。年商五千億を超える巨大派遣会社にしては、せこいやり口である。
「ふーん、ハラミももらうな。なんだかモエが探偵役をやったほうがよさそうだな。」
ユニオンの代表は、茶屋の店番よりずっと頭が切れるようだった。
「でもこんな状況では、もうインフォメ費について問いただすのは無理みたいね。うちの組合員をこれ以上危険にさらせないから」
そういわれたとたんにいいアイディアが浮かんだ。おれはハラミを一枚口に放りこんでいった。
「じゃあ、組合員じゃなければ、どうなんだ」
モエの顔から表情が消えた。頭のなかが一瞬フリーズしたみたいだ。
「だからさ、そのまま襲ったやつが得をするなんて、腹が立つじゃないか。」
「それはそうだけど、うちのユニオンではひとりひとりの組合員を守れないから」
またタン塩をつまんだ。永田がくやしそうにいった。
「それ、おれが今くおうと思ってたのに」
おれはウーロン茶をのんで、モエの目をしっかりとのぞきこんだ。
「おれなら、だいじょうぶだ。心配はいらない」
モエは殺し文句にも反応せずに、ぼんやりしている。
「だからさ、おれがユニオンにはいって、ベターデイズの池袋支店に登録して、うんざりするほどインフォメ費をつつけばいいんだろ。別に日雇い派遣の登録にはむずかしい審査とかないんだよな」
永田の顔色がぱっと明るくなった。
「ああ、住所不定でもいいくらいだ。携帯電話をもってれば、誰でも登録はできるさ。あんたがやつらをとっちめてくれるのか」
おれには永田がいっているのが、襲撃犯かベターデイズかよくわからなかった。もしかすると、日雇い派遣のような働きかたを押しつける日本の全産業界かもしれない。するとモエが眉をひそめて口を開いた。
「襲撃犯をつきとめれたら、それはうれしい。でも、これ以上けが人をだしたくないの。悠さんには仕事を頼んだけど、危険な目にあわせるのが目的ではないわ。それはわかってくれるかな」
おれはわかったといって、ハラミをもう一枚食った。今回はおいしい話だった。日当もちゃんとでるし、こうしてもしもついてくるのだ。
「おれは自分自身にボディガードをつけるつもりだ。襲撃犯なんか目じゃないくらい腕のたつやつをな。まあ、見ていてくれ。」
毎回天引きされる用途不明の二百円がインフォメーション費だ。年商五千億を超える巨大派遣会社にしては、せこいやり口である。
「ふーん、ハラミももらうな。なんだかモエが探偵役をやったほうがよさそうだな。」
ユニオンの代表は、茶屋の店番よりずっと頭が切れるようだった。
「でもこんな状況では、もうインフォメ費について問いただすのは無理みたいね。うちの組合員をこれ以上危険にさらせないから」
そういわれたとたんにいいアイディアが浮かんだ。おれはハラミを一枚口に放りこんでいった。
「じゃあ、組合員じゃなければ、どうなんだ」
モエの顔から表情が消えた。頭のなかが一瞬フリーズしたみたいだ。
「だからさ、そのまま襲ったやつが得をするなんて、腹が立つじゃないか。」
「それはそうだけど、うちのユニオンではひとりひとりの組合員を守れないから」
またタン塩をつまんだ。永田がくやしそうにいった。
「それ、おれが今くおうと思ってたのに」
おれはウーロン茶をのんで、モエの目をしっかりとのぞきこんだ。
「おれなら、だいじょうぶだ。心配はいらない」
モエは殺し文句にも反応せずに、ぼんやりしている。
「だからさ、おれがユニオンにはいって、ベターデイズの池袋支店に登録して、うんざりするほどインフォメ費をつつけばいいんだろ。別に日雇い派遣の登録にはむずかしい審査とかないんだよな」
永田の顔色がぱっと明るくなった。
「ああ、住所不定でもいいくらいだ。携帯電話をもってれば、誰でも登録はできるさ。あんたがやつらをとっちめてくれるのか」
おれには永田がいっているのが、襲撃犯かベターデイズかよくわからなかった。もしかすると、日雇い派遣のような働きかたを押しつける日本の全産業界かもしれない。するとモエが眉をひそめて口を開いた。
「襲撃犯をつきとめれたら、それはうれしい。でも、これ以上けが人をだしたくないの。悠さんには仕事を頼んだけど、危険な目にあわせるのが目的ではないわ。それはわかってくれるかな」
おれはわかったといって、ハラミをもう一枚食った。今回はおいしい話だった。日当もちゃんとでるし、こうしてもしもついてくるのだ。
「おれは自分自身にボディガードをつけるつもりだ。襲撃犯なんか目じゃないくらい腕のたつやつをな。まあ、見ていてくれ。」