ー特別編ー命ヲ啜ル玩具
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歴史的な4・23は快晴で始まった。
夏を思わせる日差しが池袋の街に注ぎ、昼過ぎに気温二十五度を超える夏日を記録した。
二時のワイドショーにあわせて始まるイベントのために、おれたちは四時間もまえからキッズファームまえの遊歩道に場所を取った。
集まったSガールズは約五十名。かなり過激なクラブファッションで、肌の露出も抜群だった。
肩やふとももにはトライバル系のタトゥーなんかもはいっている。
迫力満点。
おれとコモモは何組かのカップルといっしょに、ニッキー・Zのフェイスマスクをかぶって、Sガールズに混ざっていた。
夏日にゴムマスクなをてかぶるもんじゃない。拷問のようだ。おれは顔から滝のように汗を流していた。
正午にテレビクルーが到着した。カメラが一台、レポーターと音声と照明、ディレクターにアシスタントディレクターがふたり。
なぜテレビの中継って、あんなに人が必要なのだろうか。同時にキッズファーム本社から、何人かのガードマンと広告部の人間が外に出てきた。
テレビ局の男たちとおもちゃ会社の男たちは、ぐるぐるとまわって挨拶をしている。あのキザな広告部長は全員に名刺をまくのを忘れていなかった。
三十代前半の若いディレクターが、おれたちのグループにちららと視線を流した。
おれはSウルフのハンドサインをだした。女たちは急にその場で飛び上がって、チアリーダのような息のあったダンスを始めた。
原色のポンポンも用意してある。
「N・I・K・K・I・E・Z、ニッキー・Zが最高!」
空中で百八十度開脚をした元新体操部のSガールズの足を、四人がかりで支えてフィニッシュを決める。
ディレクターはうなずいて、声をかけてきた。
「きみたちは、どういうグループなのかな」
Sガールのひとりがいった。
「わたしたち、池袋の熱狂的なニッキー・Zファンクラブなんです。地元だし、イベント盛り上げようと思って集合しちゃいました」
イエーという元気な歓声が続いた。ディレクターはレポーターになにかひそひそと話している。
やたらとポケットの数が多いハンティングジャケットを着たディレクターが、おれたちのところにきていった。
「番組のはいりのところで、うちのレポーターがみなさんを紹介するから、さっきのダンスをもう一度やってくれないかな」
イエー、五十人が声をそろえる。
今度は心底から歓喜になった。
本番の時間はすぐにやってきた。Sウルフはキッズファームのガラス扉のまえに並ばされた。
レポーターはこの場でいかに人形が支持され、地元が盛り上がっているか紹介してから、本社のショールームに入っていくのだ。
夏を思わせる日差しが池袋の街に注ぎ、昼過ぎに気温二十五度を超える夏日を記録した。
二時のワイドショーにあわせて始まるイベントのために、おれたちは四時間もまえからキッズファームまえの遊歩道に場所を取った。
集まったSガールズは約五十名。かなり過激なクラブファッションで、肌の露出も抜群だった。
肩やふとももにはトライバル系のタトゥーなんかもはいっている。
迫力満点。
おれとコモモは何組かのカップルといっしょに、ニッキー・Zのフェイスマスクをかぶって、Sガールズに混ざっていた。
夏日にゴムマスクなをてかぶるもんじゃない。拷問のようだ。おれは顔から滝のように汗を流していた。
正午にテレビクルーが到着した。カメラが一台、レポーターと音声と照明、ディレクターにアシスタントディレクターがふたり。
なぜテレビの中継って、あんなに人が必要なのだろうか。同時にキッズファーム本社から、何人かのガードマンと広告部の人間が外に出てきた。
テレビ局の男たちとおもちゃ会社の男たちは、ぐるぐるとまわって挨拶をしている。あのキザな広告部長は全員に名刺をまくのを忘れていなかった。
三十代前半の若いディレクターが、おれたちのグループにちららと視線を流した。
おれはSウルフのハンドサインをだした。女たちは急にその場で飛び上がって、チアリーダのような息のあったダンスを始めた。
原色のポンポンも用意してある。
「N・I・K・K・I・E・Z、ニッキー・Zが最高!」
空中で百八十度開脚をした元新体操部のSガールズの足を、四人がかりで支えてフィニッシュを決める。
ディレクターはうなずいて、声をかけてきた。
「きみたちは、どういうグループなのかな」
Sガールのひとりがいった。
「わたしたち、池袋の熱狂的なニッキー・Zファンクラブなんです。地元だし、イベント盛り上げようと思って集合しちゃいました」
イエーという元気な歓声が続いた。ディレクターはレポーターになにかひそひそと話している。
やたらとポケットの数が多いハンティングジャケットを着たディレクターが、おれたちのところにきていった。
「番組のはいりのところで、うちのレポーターがみなさんを紹介するから、さっきのダンスをもう一度やってくれないかな」
イエー、五十人が声をそろえる。
今度は心底から歓喜になった。
本番の時間はすぐにやってきた。Sウルフはキッズファームのガラス扉のまえに並ばされた。
レポーターはこの場でいかに人形が支持され、地元が盛り上がっているか紹介してから、本社のショールームに入っていくのだ。