ー特別編グレーゾーンボーイー
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女たちは割引チケットを配り、うちの店に来てと、身体をくねらせている。
なかなかの見物だ。
すでにできあがっている丸岡は、鼻の穴をいっぱいに広げていた。
チャイナドレスが丸岡の裸の胸をなであげた。
「いやーん、この人ったら激しそう」
暖簾をくぐってきたおれに、丸岡のほうから声をかけてきた。
「ともき、こいつらの店にいこうぜ。ちゃんとふたりがついてくれるんだよな。変なババアなんかつけたら、おれ店をこわしちゃうから」
黒いジッパーが胸を揺らした。
「怖いけどー、なんかーワイルド」
酔っぱらってつかさと話しているとき、おれも丸岡のようになっているのだろうか。
おれは西口の風俗街で、海より深く反省した。
女たちが案内してくれたのは、灯をけしたパチスロ店の二階にあるクラブだった。
内装は黒一色、何処かにブラックライトがつけてあるらしく、おしぼりだけが蛍光色の青さで光っている。客はおれたちひと組だけだ。
さっきの女たちがついて、おれの知らないウイスキーで水割りをつくってくれた。
チャイナドレスがいう。
「いただいてもいいかしら。あと、おひとりさま一品ずつ、なにかおつまみを選んでね」
暗さに目が馴れてくるとソファがかなりくたびれていることも、カーペットに無数の染みがあることも見えてくる。
おれはなめるように水割りをのみながら、タイミングを計っていた。
丸岡は絶好調のようだった。半円形のソファ席の中央に座り、両側にチャイナと黒ジッパーをはべらせている。
片手はチャイナの足に、もう一方は黒ジッパーの肩にまわしている。
三人組はこうした店がめずらしいようだった。
最初はあちこち泳いでいた視線は、最後にチャイナのふとももと黒ジッパーの胸に落ち着く。
女たちは自分達の売りがなにか、よくわかっているのだ。
三十分ほどして、おれの携帯が鳴った。
ケンジさんの声が耳元できこえる。
『どうだ、丸ちゃんはうまくはめたか』
おれは送話口を手のひらで隠して、丸岡にいった。
「すみません。ちょっと外で話してきます。長くなるといけないから、金おいていきますんで」
おれは財布から万札を何枚か抜いて、テーブルの端においた。
店をでるとき、妙に胸の厚いウエイター兼用心棒がおれに会釈した。
おれも軽く頭をさげる。
丸岡が猛獣なら、この店のウエイターは猛獣つかいなのだ。
しかも電話一本で無尽蔵に夜の街から沸き出してくる。
薄っぺらな階段をおりていくと、夜中の路上でケンジさんが何人かの若衆といっしょに俺を待っていた。
仕立てのいいダークスーツを着ている。
サイズはたぶん規格外だけれど。
「おまえも悪知恵が働くようになったな。うちの系列のぼったくりバーなんて、よくおもいついたよ」
おれは彼に頭をさげた。
「ケンジさん、ありがとうございます。今夜はたっぷりしぼりとってやってください」
なかなかの見物だ。
すでにできあがっている丸岡は、鼻の穴をいっぱいに広げていた。
チャイナドレスが丸岡の裸の胸をなであげた。
「いやーん、この人ったら激しそう」
暖簾をくぐってきたおれに、丸岡のほうから声をかけてきた。
「ともき、こいつらの店にいこうぜ。ちゃんとふたりがついてくれるんだよな。変なババアなんかつけたら、おれ店をこわしちゃうから」
黒いジッパーが胸を揺らした。
「怖いけどー、なんかーワイルド」
酔っぱらってつかさと話しているとき、おれも丸岡のようになっているのだろうか。
おれは西口の風俗街で、海より深く反省した。
女たちが案内してくれたのは、灯をけしたパチスロ店の二階にあるクラブだった。
内装は黒一色、何処かにブラックライトがつけてあるらしく、おしぼりだけが蛍光色の青さで光っている。客はおれたちひと組だけだ。
さっきの女たちがついて、おれの知らないウイスキーで水割りをつくってくれた。
チャイナドレスがいう。
「いただいてもいいかしら。あと、おひとりさま一品ずつ、なにかおつまみを選んでね」
暗さに目が馴れてくるとソファがかなりくたびれていることも、カーペットに無数の染みがあることも見えてくる。
おれはなめるように水割りをのみながら、タイミングを計っていた。
丸岡は絶好調のようだった。半円形のソファ席の中央に座り、両側にチャイナと黒ジッパーをはべらせている。
片手はチャイナの足に、もう一方は黒ジッパーの肩にまわしている。
三人組はこうした店がめずらしいようだった。
最初はあちこち泳いでいた視線は、最後にチャイナのふとももと黒ジッパーの胸に落ち着く。
女たちは自分達の売りがなにか、よくわかっているのだ。
三十分ほどして、おれの携帯が鳴った。
ケンジさんの声が耳元できこえる。
『どうだ、丸ちゃんはうまくはめたか』
おれは送話口を手のひらで隠して、丸岡にいった。
「すみません。ちょっと外で話してきます。長くなるといけないから、金おいていきますんで」
おれは財布から万札を何枚か抜いて、テーブルの端においた。
店をでるとき、妙に胸の厚いウエイター兼用心棒がおれに会釈した。
おれも軽く頭をさげる。
丸岡が猛獣なら、この店のウエイターは猛獣つかいなのだ。
しかも電話一本で無尽蔵に夜の街から沸き出してくる。
薄っぺらな階段をおりていくと、夜中の路上でケンジさんが何人かの若衆といっしょに俺を待っていた。
仕立てのいいダークスーツを着ている。
サイズはたぶん規格外だけれど。
「おまえも悪知恵が働くようになったな。うちの系列のぼったくりバーなんて、よくおもいついたよ」
おれは彼に頭をさげた。
「ケンジさん、ありがとうございます。今夜はたっぷりしぼりとってやってください」