ー特別編グレーゾーンボーイー
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このあたりは風俗店とのみ屋とラブホテルが三分の一ずつ、なかよく街を分けている。
通りの角々に怪しげな黒服と中国娘が立ち、道行く男たちに声をかけていた。
「カラオケいかがですか」
割引チケットを目の前につきだされた。
日に焼けた胸をはだけた十代の黒服だ。
「もう決まってるから、悪いな」
狭い道のうえの夜空をさらに狭くして、のみ屋ばかりはいった雑居ビルの壁面から毒々しい看板がそらに突き出ている。
おれは古民家を思わせるどっしりした造りの居酒屋の戸を引いた。
「こっちです。丸岡さん、どうぞ」
頭をさげて、やつを店にいれる。
あとからくる三人にはウインクをしてやった。
居酒屋の三日月で、ここの店のメニューはなんでもうまいのだ。
丸岡が予定よりも早く暴れずに居てくれることを願って、おれも二階に続くすすけた階段をのぼった。
刺身の盛り合わせ(寒ブリとホタテ)、タン塩(生ネギがどっさり)、ハマグリの浜焼き(こげた醤油のかおり)、おでん(しみしみの大根と自家製ゴボウ巻き)。
丸岡は最初からハイだった。刺身をくっては、クスリをのみ、杯をあける。
こんなやせているのに、なぜこれほどくえるのかというほど異常な食欲だった。
最初はおどおどしていたショウタたちも、しだいにほぐれてきた。
あれこれと丸岡の三原学院時代の武勇伝をはなし始める。
丸岡は高一の四月に三年の番長を病院送りにして、いきなり学院を締めたという。
まあ、あそこには氷室さんやタカシさんみたいな世界チャンピオンクラスはいないから、それほど自慢にもならないが。
おれもしっかりとくった。ただめしだからな。
この店の支払いは、当然ミノルのところにまわるのだ。
考えてみたら高校生四人といい大人が、小学生のゴチになるんだから、おかしな話。
あとに続く仕事のために、酒は控えておいた。
酔わなくても、おれは十分楽しかった。
なにせ、池袋の厄介者をひとりはめるのだ。
この街の美化のためにも役立つ仕事だ。
おれはにこやかに丸岡を眺めながら、ゆっくりとやつの酔いの深さを探っていた。
三日月をでるころには、もう十一時をまわっていた。丸岡は妙に暑がって、革のライダースを脱ぎたがったが、なんとか勘弁してもらった。
裸の男といっしょだなんて、おれがあの店に顔をだしづらくなるからな。
金を払って外にでると、丸岡たちに二人の女がからんでいた。
ひとりはわき腹までスリットが切れあがった朱色のチャイナドレス。
やせすぎているが足のきれいな女だった。
もうひとりは黒いジップアップドレス。
ジッパーはマイクロミニのドレスのうえからしたへ貫通している。
つくりもののような乳房の頂点までジッパーが開いて、谷間は鉄塔でも建てられそうな深さだった。
通りの角々に怪しげな黒服と中国娘が立ち、道行く男たちに声をかけていた。
「カラオケいかがですか」
割引チケットを目の前につきだされた。
日に焼けた胸をはだけた十代の黒服だ。
「もう決まってるから、悪いな」
狭い道のうえの夜空をさらに狭くして、のみ屋ばかりはいった雑居ビルの壁面から毒々しい看板がそらに突き出ている。
おれは古民家を思わせるどっしりした造りの居酒屋の戸を引いた。
「こっちです。丸岡さん、どうぞ」
頭をさげて、やつを店にいれる。
あとからくる三人にはウインクをしてやった。
居酒屋の三日月で、ここの店のメニューはなんでもうまいのだ。
丸岡が予定よりも早く暴れずに居てくれることを願って、おれも二階に続くすすけた階段をのぼった。
刺身の盛り合わせ(寒ブリとホタテ)、タン塩(生ネギがどっさり)、ハマグリの浜焼き(こげた醤油のかおり)、おでん(しみしみの大根と自家製ゴボウ巻き)。
丸岡は最初からハイだった。刺身をくっては、クスリをのみ、杯をあける。
こんなやせているのに、なぜこれほどくえるのかというほど異常な食欲だった。
最初はおどおどしていたショウタたちも、しだいにほぐれてきた。
あれこれと丸岡の三原学院時代の武勇伝をはなし始める。
丸岡は高一の四月に三年の番長を病院送りにして、いきなり学院を締めたという。
まあ、あそこには氷室さんやタカシさんみたいな世界チャンピオンクラスはいないから、それほど自慢にもならないが。
おれもしっかりとくった。ただめしだからな。
この店の支払いは、当然ミノルのところにまわるのだ。
考えてみたら高校生四人といい大人が、小学生のゴチになるんだから、おかしな話。
あとに続く仕事のために、酒は控えておいた。
酔わなくても、おれは十分楽しかった。
なにせ、池袋の厄介者をひとりはめるのだ。
この街の美化のためにも役立つ仕事だ。
おれはにこやかに丸岡を眺めながら、ゆっくりとやつの酔いの深さを探っていた。
三日月をでるころには、もう十一時をまわっていた。丸岡は妙に暑がって、革のライダースを脱ぎたがったが、なんとか勘弁してもらった。
裸の男といっしょだなんて、おれがあの店に顔をだしづらくなるからな。
金を払って外にでると、丸岡たちに二人の女がからんでいた。
ひとりはわき腹までスリットが切れあがった朱色のチャイナドレス。
やせすぎているが足のきれいな女だった。
もうひとりは黒いジップアップドレス。
ジッパーはマイクロミニのドレスのうえからしたへ貫通している。
つくりもののような乳房の頂点までジッパーが開いて、谷間は鉄塔でも建てられそうな深さだった。