ー特別編グレーゾーンボーイー
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ソファ席からもどってきたショウタの顔色が変わっていた。
言葉づかいさえまともになっている。
「すみません、ともきさん」
明らかになにかにおびえているようだった。
するとショウタはいきなりとなりに座るシゲユキの頭を張った。
ベテラン漫才コンビのツッコミのようだ。
小気味いい音が響く。
「さっきの話し、おれたちだけなら、OKだったんですけど、こいつがちょっとやばい筋にこのネタを漏らしちゃって」
おれはあきれて人格の変わった不良少年を眺めていた。
やばい筋?また、どこかの暴力団の下部構成員の出番なのだろうか。
おれの苦手な人種だが、池袋の街ならまだいくつかつかえるルートがあった。
「やくざ方面の人?」
おれがいうと、ショウタは懸命に首を横に振った。
どうやらこの三人には暴力団よりもっと怖い人物らしい。
黙っていたシゲユキが長髪をかきあげながらいう。
「すみません、今日ここにくる途中でグリーン大通りで、あの人に会っちゃって、最近なにかいい話はないかっていうから、怖くてばらしちゃったんです」
意味がわからない。
おれはミノルを見てからいった。
「それで、相手は誰なんだ。」
恐る恐るシゲユキがいう。
「丸岡さん」
えーっと声をあげたのはミノルだった。
おれ以外の誰もが知っている有名人らしい。
「それ誰なんだ。」
ショウタが舌打ちをしていった。
「うちの高校のOBで、とんでもなく凶暴な人なんです。ぶち切れるとなにをするかわからない。理屈もとおらないし、市販薬のジャンキーでいつもハイなんです」
さっきまで赤かったミノルの頬が青くなっている。
「ぼくもきいたことがある。丸岡さんて、マッドドッグっていうあだ名だよね。ぼくが聞いた噂では、三十人対ひとりでケンカして勝ったって」
ほんとうだろうか。
WWEのリングネームみたいなあだ名をもつ男。
悠でも三十人相手ではむずかしいだろう。
おれの表情を読んで、ショウタがいった。
「ほんとですよ。丸岡さん自身もこぶしと肋骨を折ったけど、ケンカには勝ちました。半分くらいやったところで、むこうが怖くなって散り散りに逃げたから」
シゲユキが泣きそうな声をだした。
「だってあの人まともじゃねぇもん。少年院のなかでも、ずっと問題起こして、一人部屋だったみたいだし」
池袋の街だってまだまだ広い。
おれの知らない化け物がずいぶんいるみたいだった。
ショウタがまたシゲユキの頭をたたいていった。
「そういう大事なことは先にいえよ。それで、丸岡さんはこの件はおれの仕事にするっていってたらしいです。こいつ、そのガキの電話番号も寒がって(ビビって)教えちゃったから、もうおれたち手を引きたいですよ。」
情けない顔でおれとミノルを見る。
ショウタがもういこうぜというと、三人組は口どめ料の交渉もせずに席をたってしまった。
言葉づかいさえまともになっている。
「すみません、ともきさん」
明らかになにかにおびえているようだった。
するとショウタはいきなりとなりに座るシゲユキの頭を張った。
ベテラン漫才コンビのツッコミのようだ。
小気味いい音が響く。
「さっきの話し、おれたちだけなら、OKだったんですけど、こいつがちょっとやばい筋にこのネタを漏らしちゃって」
おれはあきれて人格の変わった不良少年を眺めていた。
やばい筋?また、どこかの暴力団の下部構成員の出番なのだろうか。
おれの苦手な人種だが、池袋の街ならまだいくつかつかえるルートがあった。
「やくざ方面の人?」
おれがいうと、ショウタは懸命に首を横に振った。
どうやらこの三人には暴力団よりもっと怖い人物らしい。
黙っていたシゲユキが長髪をかきあげながらいう。
「すみません、今日ここにくる途中でグリーン大通りで、あの人に会っちゃって、最近なにかいい話はないかっていうから、怖くてばらしちゃったんです」
意味がわからない。
おれはミノルを見てからいった。
「それで、相手は誰なんだ。」
恐る恐るシゲユキがいう。
「丸岡さん」
えーっと声をあげたのはミノルだった。
おれ以外の誰もが知っている有名人らしい。
「それ誰なんだ。」
ショウタが舌打ちをしていった。
「うちの高校のOBで、とんでもなく凶暴な人なんです。ぶち切れるとなにをするかわからない。理屈もとおらないし、市販薬のジャンキーでいつもハイなんです」
さっきまで赤かったミノルの頬が青くなっている。
「ぼくもきいたことがある。丸岡さんて、マッドドッグっていうあだ名だよね。ぼくが聞いた噂では、三十人対ひとりでケンカして勝ったって」
ほんとうだろうか。
WWEのリングネームみたいなあだ名をもつ男。
悠でも三十人相手ではむずかしいだろう。
おれの表情を読んで、ショウタがいった。
「ほんとですよ。丸岡さん自身もこぶしと肋骨を折ったけど、ケンカには勝ちました。半分くらいやったところで、むこうが怖くなって散り散りに逃げたから」
シゲユキが泣きそうな声をだした。
「だってあの人まともじゃねぇもん。少年院のなかでも、ずっと問題起こして、一人部屋だったみたいだし」
池袋の街だってまだまだ広い。
おれの知らない化け物がずいぶんいるみたいだった。
ショウタがまたシゲユキの頭をたたいていった。
「そういう大事なことは先にいえよ。それで、丸岡さんはこの件はおれの仕事にするっていってたらしいです。こいつ、そのガキの電話番号も寒がって(ビビって)教えちゃったから、もうおれたち手を引きたいですよ。」
情けない顔でおれとミノルを見る。
ショウタがもういこうぜというと、三人組は口どめ料の交渉もせずに席をたってしまった。