ー特別編グレーゾーンボーイー
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「俺はミノルからあんたたちと交渉するように頼まれている」
ショウタは余裕たっぷりだった。
ストロベリー味のシェイクを飲んでいう。
「それで?」
「条件はひとつしかない。おまえたち三人にひとり十五万ずつ口止め料を払う。金を払うのは、それが一度きり。二度めはないし、おまえたちはこいつのビジネスには手も口もださない。」
「なんだそりゃ」
「ふざけんな」
カフェのように改装されたマックの二階で三人は叫び声をあげた。
客の視線が俺たちのテーブルに集まる。
おれは視線を無視して、声をおさえ三人にいった。
「ほかにおれたちが示せる条件はないんだ。ミノル、きかせてやれ」
ミノルは半ズボンのポケットから携帯を出した。
盗撮用の緑のほうではなく、スピーカーの生きてるやつだ。
やつのちいさな手がテーブルの中央に携帯をかかげる。ざらざらとした録音の声が流れ出した。
『いいか、おまえがなにをして金をつくっているか、おれたちは知ってる。悪いことはいわない。親や学校にばらされたくなかったら、金をよこせ。そうだな、あがりの半分もよこせば、ずっと黙っててやるよ。おまえの仕事の手伝いをしてやってもいいしな』
それはショウタの声だった。
ミノルは携帯のスイッチを操作して、再生をとめた。
おれはいった。
「おまえたちより、初等部の子のほうが一枚上手だったのさ。ミノルはこんなときのために、携帯電話でおまえの脅迫を録音していた。おまえたちが、誰かに話すというなら、ミノルの盗撮仕事もばれるが、おまえたちのゆすりもばれる。痛み分けでいい勝負だろう。なあ、ひとり十五万で手を打っておかないか。悪い話じゃないはずだ。なにしろ、おまえたちはまったく働いてないんだからな。」
左右に座るシゲユキとコウイチロウは、椅子の座り心地が急に悪くなったようだった。
そわそわと動き出す。
「ちょっとここで待っていてくれ」
ショウタがおれにそういって、三人は奥のソファ席に話をしにいってしまった。
スターバックスもマックも、最近はソファがあるのがあたりまえになっている。ちなみにうちにはソファなんてない。
今回の簡単すぎる仕事の報酬で、おれもひとりがけのソファを買おうかな。
もっともそんなものを自室においたら、スペースが無くなってしまうが。
ミノルを見ると、頬が興奮で赤くなっていた。
黒縁のメガネと赤い頬。
なぜ、こいつが盗撮なんてしているのか、わけがわからない。
どうみても学習塾がよいの小学生だ。
おれは黙って、腕利きの五年生にVサインを出した。やつは堅実な性格なのだろう。
まだ同じサインをおれにかえさなかった。
慎重な子供。
だが、勝負はそこからもつれたのである。
ミノルにはおれが、三人組にも別なバックがついてきたのだ。
これだから子供のもめごとは面倒。
ショウタは余裕たっぷりだった。
ストロベリー味のシェイクを飲んでいう。
「それで?」
「条件はひとつしかない。おまえたち三人にひとり十五万ずつ口止め料を払う。金を払うのは、それが一度きり。二度めはないし、おまえたちはこいつのビジネスには手も口もださない。」
「なんだそりゃ」
「ふざけんな」
カフェのように改装されたマックの二階で三人は叫び声をあげた。
客の視線が俺たちのテーブルに集まる。
おれは視線を無視して、声をおさえ三人にいった。
「ほかにおれたちが示せる条件はないんだ。ミノル、きかせてやれ」
ミノルは半ズボンのポケットから携帯を出した。
盗撮用の緑のほうではなく、スピーカーの生きてるやつだ。
やつのちいさな手がテーブルの中央に携帯をかかげる。ざらざらとした録音の声が流れ出した。
『いいか、おまえがなにをして金をつくっているか、おれたちは知ってる。悪いことはいわない。親や学校にばらされたくなかったら、金をよこせ。そうだな、あがりの半分もよこせば、ずっと黙っててやるよ。おまえの仕事の手伝いをしてやってもいいしな』
それはショウタの声だった。
ミノルは携帯のスイッチを操作して、再生をとめた。
おれはいった。
「おまえたちより、初等部の子のほうが一枚上手だったのさ。ミノルはこんなときのために、携帯電話でおまえの脅迫を録音していた。おまえたちが、誰かに話すというなら、ミノルの盗撮仕事もばれるが、おまえたちのゆすりもばれる。痛み分けでいい勝負だろう。なあ、ひとり十五万で手を打っておかないか。悪い話じゃないはずだ。なにしろ、おまえたちはまったく働いてないんだからな。」
左右に座るシゲユキとコウイチロウは、椅子の座り心地が急に悪くなったようだった。
そわそわと動き出す。
「ちょっとここで待っていてくれ」
ショウタがおれにそういって、三人は奥のソファ席に話をしにいってしまった。
スターバックスもマックも、最近はソファがあるのがあたりまえになっている。ちなみにうちにはソファなんてない。
今回の簡単すぎる仕事の報酬で、おれもひとりがけのソファを買おうかな。
もっともそんなものを自室においたら、スペースが無くなってしまうが。
ミノルを見ると、頬が興奮で赤くなっていた。
黒縁のメガネと赤い頬。
なぜ、こいつが盗撮なんてしているのか、わけがわからない。
どうみても学習塾がよいの小学生だ。
おれは黙って、腕利きの五年生にVサインを出した。やつは堅実な性格なのだろう。
まだ同じサインをおれにかえさなかった。
慎重な子供。
だが、勝負はそこからもつれたのである。
ミノルにはおれが、三人組にも別なバックがついてきたのだ。
これだから子供のもめごとは面倒。