ー特別編グレーゾーンボーイー
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「そうじゃなくて、家庭の話だ。とうさんとかかあさんとかさ、おまえの……」
そのとき、おれたちの座るアルミテーブルの横から声がかかった。
精いっぱい虚勢を張ったガキの声。
見なくても、おれにはわかった。例の間抜け三人組。
制服のジャケットの襟はたてられ、白いシャツのまえ立ては腹のあたりまで開いていた。
首には重そうな銀のネックレス。クロム・ハーツのようなデザインだが、きっとパチものだろう。腰ばきした灰色のパンツの裾は泥に汚れている。
黒い革のローファーは高級品なのだろうが、裸足のかかとで踏まれ、スリッパのようだった。
三人組の中央のガキがいう。
「待たせたな。あんたが、中山ともきか」
三人が手にしているのは、マックシェイクだった。
どんなにすごんでも、ストロベリー味のシェイクを持っていたら、効果は半減する。
「ああ、そうだ。座ってくれ。」
股を直角に開いて座るには四人用のテーブルは狭いようだった。
まんなかの銀髪のガキがひとりだけ足を思い切り開き、わきのふたりは一度も磨いたことのない靴で足を組んだ。
「おれが大山翔太。こいつは安達重行と前田浩一郎。おれのダチだ。あんたの名前は聞いたことがある。Sウルフで名を売ってるんだろ」
いいことなのか、悪いことなのか、わからなかった。おれはとりあえず弁明しておいた。
「おれはあのチームには、はいってないよ。友人は何人かいるけどな」
錆びた銀髪がにやりと笑った。
「知ってる。Sウルフの王様、虎狗琥崇だろ。うちの学校も池袋にあるんだ。あんたたちの噂をきかないはずないだろ」
光栄ではあるが、ちっとも嬉しくなかった。
そんなことで名前が売れるくらいなら、六花の果物屋か鈴猫さん家の花屋でも宣伝してもらった方がいい。
ショウタはおれから視線をはずし、ミノルをにらんだ。
「おい、チビ、おまえなんで、関係ないやつまで呼んできたんだ。俺たちだけの話だろうが」
おれは口をはさんだ。
「おいおい、おまえたちは高校生が三人で、相手は小学五年生の子供だろ。おれひとりくらい加勢したって、ぜんぜんおかしくないじゃないか」
ショウタはにやにや笑っていう。
「だから、あんたには関係ないって。これはおれたちとミノルのビジネスの話なんだよ」
おれも三人に笑顔をみせてやる。
「子供から金をゆするのが、おまえたちのビジネスか。」
ショウタは左右のふたりと顔を見合わせた。
わざとびっくりした表情をつくって、おれを見た。
「もとはといえば、そこのガキが盗撮なんかしてるから悪いんだろうが。おれのころは初等部で、そんなことは教わらなかった。おれたちはこいつに注意して、いいほうに導いてやろうとおもっているのさ」
なかなかしゃれたことをいうガキだった。
ここにいるのが俺じゃなく悠だったなら、もうテーブルがひっくり返っていただろう。
そのとき、おれたちの座るアルミテーブルの横から声がかかった。
精いっぱい虚勢を張ったガキの声。
見なくても、おれにはわかった。例の間抜け三人組。
制服のジャケットの襟はたてられ、白いシャツのまえ立ては腹のあたりまで開いていた。
首には重そうな銀のネックレス。クロム・ハーツのようなデザインだが、きっとパチものだろう。腰ばきした灰色のパンツの裾は泥に汚れている。
黒い革のローファーは高級品なのだろうが、裸足のかかとで踏まれ、スリッパのようだった。
三人組の中央のガキがいう。
「待たせたな。あんたが、中山ともきか」
三人が手にしているのは、マックシェイクだった。
どんなにすごんでも、ストロベリー味のシェイクを持っていたら、効果は半減する。
「ああ、そうだ。座ってくれ。」
股を直角に開いて座るには四人用のテーブルは狭いようだった。
まんなかの銀髪のガキがひとりだけ足を思い切り開き、わきのふたりは一度も磨いたことのない靴で足を組んだ。
「おれが大山翔太。こいつは安達重行と前田浩一郎。おれのダチだ。あんたの名前は聞いたことがある。Sウルフで名を売ってるんだろ」
いいことなのか、悪いことなのか、わからなかった。おれはとりあえず弁明しておいた。
「おれはあのチームには、はいってないよ。友人は何人かいるけどな」
錆びた銀髪がにやりと笑った。
「知ってる。Sウルフの王様、虎狗琥崇だろ。うちの学校も池袋にあるんだ。あんたたちの噂をきかないはずないだろ」
光栄ではあるが、ちっとも嬉しくなかった。
そんなことで名前が売れるくらいなら、六花の果物屋か鈴猫さん家の花屋でも宣伝してもらった方がいい。
ショウタはおれから視線をはずし、ミノルをにらんだ。
「おい、チビ、おまえなんで、関係ないやつまで呼んできたんだ。俺たちだけの話だろうが」
おれは口をはさんだ。
「おいおい、おまえたちは高校生が三人で、相手は小学五年生の子供だろ。おれひとりくらい加勢したって、ぜんぜんおかしくないじゃないか」
ショウタはにやにや笑っていう。
「だから、あんたには関係ないって。これはおれたちとミノルのビジネスの話なんだよ」
おれも三人に笑顔をみせてやる。
「子供から金をゆするのが、おまえたちのビジネスか。」
ショウタは左右のふたりと顔を見合わせた。
わざとびっくりした表情をつくって、おれを見た。
「もとはといえば、そこのガキが盗撮なんかしてるから悪いんだろうが。おれのころは初等部で、そんなことは教わらなかった。おれたちはこいつに注意して、いいほうに導いてやろうとおもっているのさ」
なかなかしゃれたことをいうガキだった。
ここにいるのが俺じゃなく悠だったなら、もうテーブルがひっくり返っていただろう。