ー特別編グレーゾーンボーイー
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さすがに優秀なビジネスマンは違った。
その夜のうちにミノルから電話があり、高等部の三人とのミーティングを決めたという。
翌日の放課後、場所は目白駅前にあるマクドナルドだ。
おれはなにも考えていなかった。
おなじ高校生とのもめごとなのだ。別に難しくすることはないだろう。
やつらは坊っちゃんの学生である。
もしミノルのことを学校にばらすというなら、やつらがミノルに金をせびっていたことも、明るみに出る。
それでもゆすりをやめないようなら、やつらが恐れるものを見せてやればいい。
池袋の街で生きてる奴なら、S・ウルフの噂を知らないはずがなかった。
おれはあまり人の名前をつかって仕事をするのは好きではないが、いざというときにはキング・タカシの名をだすつもりだった。
まぁ、これでもずいぶんと手を貸しているし、それほど嫌な顔はしないだろう。
そのときには、いっぱいおごればいいらしい。
悠いわく、どんな王様だって、家来とばかりのんでいたら、気がめいってくる。
だから、俺たちの間には、組織のルールは作らないとかなんとか…。
おれは約束の時間まで、ゆっくりと自室であたたかな十二月の日差しを堪能していた。
なかなかいい気分だ。
机のわきに置いてあるCDコンポで、モーツァルトの傑作オペラ「魔笛」をかける。
夜の女王とか鳥さしとか司祭とか、登場人物はちんぷんかんぷん。
フリーメイソンの影響をうけたというストーリーは、まるで意味がわからないところがある。
けれど、お伽噺の楽しい雰囲気とすごいメロディがどっさりつまってるのだ。
十二月のひまな午後のだるだるの雰囲気にぴったりなのである。
出かける時間になり、目白のマクドナルドに向かった。
おれはミノルと店の前で待ち合わせをして、二階の窓際の席をとった。
通りのあちこちにクリスマスツリーとリースが見える。
今年の流行はファイバーグラスをしこんだツリーのようで、赤から紫、紺から青、緑から黄、最後に橙を経由して、ふたたび赤へとゆっくりと七色の変化を繰り返していた。
きっと中国製のおもちゃなのだろうが、安いおもちゃでも年々ハイテク化していくものだ。
ローテクなままなのは、人間だけである。
ミノルはじっと通りのむかいにある携帯電話売り場のツリーを見下ろしていた。
妙にさびしそうだ。
「ミノルの家では、ツリーとか飾らないの」
ぼんやりしたまま返事がない。
しばらくして、おれがいるのに初めて気づいたようにいった。
「うちもいちおう飾るよ。あんな電飾はないけど」
おれは最初に会ったときから気になっていたことを聞いた。
「おまえんちって、どういう家なの」
ミノルは制服姿で、窓から正面のおれのほうにむいた。じっと考えていう。
「白い家」
普通、どんな家かと、 質問されて、建物のことをこたえややつはいないだろう。
その夜のうちにミノルから電話があり、高等部の三人とのミーティングを決めたという。
翌日の放課後、場所は目白駅前にあるマクドナルドだ。
おれはなにも考えていなかった。
おなじ高校生とのもめごとなのだ。別に難しくすることはないだろう。
やつらは坊っちゃんの学生である。
もしミノルのことを学校にばらすというなら、やつらがミノルに金をせびっていたことも、明るみに出る。
それでもゆすりをやめないようなら、やつらが恐れるものを見せてやればいい。
池袋の街で生きてる奴なら、S・ウルフの噂を知らないはずがなかった。
おれはあまり人の名前をつかって仕事をするのは好きではないが、いざというときにはキング・タカシの名をだすつもりだった。
まぁ、これでもずいぶんと手を貸しているし、それほど嫌な顔はしないだろう。
そのときには、いっぱいおごればいいらしい。
悠いわく、どんな王様だって、家来とばかりのんでいたら、気がめいってくる。
だから、俺たちの間には、組織のルールは作らないとかなんとか…。
おれは約束の時間まで、ゆっくりと自室であたたかな十二月の日差しを堪能していた。
なかなかいい気分だ。
机のわきに置いてあるCDコンポで、モーツァルトの傑作オペラ「魔笛」をかける。
夜の女王とか鳥さしとか司祭とか、登場人物はちんぷんかんぷん。
フリーメイソンの影響をうけたというストーリーは、まるで意味がわからないところがある。
けれど、お伽噺の楽しい雰囲気とすごいメロディがどっさりつまってるのだ。
十二月のひまな午後のだるだるの雰囲気にぴったりなのである。
出かける時間になり、目白のマクドナルドに向かった。
おれはミノルと店の前で待ち合わせをして、二階の窓際の席をとった。
通りのあちこちにクリスマスツリーとリースが見える。
今年の流行はファイバーグラスをしこんだツリーのようで、赤から紫、紺から青、緑から黄、最後に橙を経由して、ふたたび赤へとゆっくりと七色の変化を繰り返していた。
きっと中国製のおもちゃなのだろうが、安いおもちゃでも年々ハイテク化していくものだ。
ローテクなままなのは、人間だけである。
ミノルはじっと通りのむかいにある携帯電話売り場のツリーを見下ろしていた。
妙にさびしそうだ。
「ミノルの家では、ツリーとか飾らないの」
ぼんやりしたまま返事がない。
しばらくして、おれがいるのに初めて気づいたようにいった。
「うちもいちおう飾るよ。あんな電飾はないけど」
おれは最初に会ったときから気になっていたことを聞いた。
「おまえんちって、どういう家なの」
ミノルは制服姿で、窓から正面のおれのほうにむいた。じっと考えていう。
「白い家」
普通、どんな家かと、 質問されて、建物のことをこたえややつはいないだろう。