ー特別編グレーゾーンボーイー
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禅くんに呼び出されたのは、それから三日後のこと。場所は彼のオフィス。
東池袋にあるファミレスだ。
駅前通りの先にある二十四時間営業の店。
窓際の一番奥のボックスシートに座った彼はいう。
「今回…は…運が…向いて…ますよ」
意味不明だった。
おれは禅くんの顔を見た。店内だがスッポリと真っ黒のフードを被っているのはいつもの事。
だが、今日は珍しく(というか初めて見る)眼鏡をかけている。
シンプルな銀縁の眼鏡。
黙っていると彼はいう。
「今回…は…しっかり…金が…取れる…仕事…です。手付け…の…半金が…十五万…」
口笛を吹きそうになった。けど、口は反対をいう。
「そんな仕事ならなんで俺に?」
「本当は…悠…さんに…知ら…せたい…ところ…ですが……今は…無理…で…しょう。」
今、悠は日本に居ない。
父親に呼び出されて会うらしくて海外に飛んでいる。
本人はギリギリッまで逃げ回っていたが最終的に真桜ちゃんに吊し上げられたそうだ。
おれは一呼吸置いていった。
「おれはやばい筋のは受けないよ」
禅くんは眼鏡をかけなおしていた。
「そっちの…ほうじゃ…ないです。とりあ…えず…話を…聞いて…あげて…くだ…さい。ともきさん…なら…絶対に…受ける…はずです」
池袋の情報屋にして、北東京一のハッカーは自信満々だった。
なんとなく気にはなる言いかだったがおれはいった。
「わかったよ。それでいつ話を聞けばいい?」
禅くんはにやりと笑うとガス漏れのような声を出した。
「すぐ…に…いって…ください。あまり…遅く…なれない…そう…です。依頼主は…ジュンク堂の…となり…の…スター…バックス…で、待って…います。この…街一番…腕利きの…片腕と…ふかして…おきま…したから、しっ…かり…やってく…ださい。」
話が終わると目の前にいるおれには関心がなくなったようだった。
禅くんはファミレスのテーブルに二台並べたノートパソコンの画面にもどってしまう。
まぁ、彼の場合実際に生活してるのは、こっちのリアルワールドではなく、そっちのビットワールドのなかなんだけどな。
池袋にはむやみにスターバックスがある。
おれにはドトールも、プロントも、ベローチェも変わらない。
もともとおしゃれな感じの店が苦手なのだ。
必死にメニューを眺めて、なんとか・モカ・マキアートというのを注文する。
おかしなキャップのついた紙コップをもって、二階にあがった。
十二月の午後の熟れた日射しが落ちるソファ席で、おれに手を振るやつがいる。グレイ霜降の半ズボン。
あの眼鏡の生意気な子供だった。
まわれ右をしようかと思ったが、おれはやつの向かいに座った。
話くらい聞いてやってもいいだろう。
東池袋にあるファミレスだ。
駅前通りの先にある二十四時間営業の店。
窓際の一番奥のボックスシートに座った彼はいう。
「今回…は…運が…向いて…ますよ」
意味不明だった。
おれは禅くんの顔を見た。店内だがスッポリと真っ黒のフードを被っているのはいつもの事。
だが、今日は珍しく(というか初めて見る)眼鏡をかけている。
シンプルな銀縁の眼鏡。
黙っていると彼はいう。
「今回…は…しっかり…金が…取れる…仕事…です。手付け…の…半金が…十五万…」
口笛を吹きそうになった。けど、口は反対をいう。
「そんな仕事ならなんで俺に?」
「本当は…悠…さんに…知ら…せたい…ところ…ですが……今は…無理…で…しょう。」
今、悠は日本に居ない。
父親に呼び出されて会うらしくて海外に飛んでいる。
本人はギリギリッまで逃げ回っていたが最終的に真桜ちゃんに吊し上げられたそうだ。
おれは一呼吸置いていった。
「おれはやばい筋のは受けないよ」
禅くんは眼鏡をかけなおしていた。
「そっちの…ほうじゃ…ないです。とりあ…えず…話を…聞いて…あげて…くだ…さい。ともきさん…なら…絶対に…受ける…はずです」
池袋の情報屋にして、北東京一のハッカーは自信満々だった。
なんとなく気にはなる言いかだったがおれはいった。
「わかったよ。それでいつ話を聞けばいい?」
禅くんはにやりと笑うとガス漏れのような声を出した。
「すぐ…に…いって…ください。あまり…遅く…なれない…そう…です。依頼主は…ジュンク堂の…となり…の…スター…バックス…で、待って…います。この…街一番…腕利きの…片腕と…ふかして…おきま…したから、しっ…かり…やってく…ださい。」
話が終わると目の前にいるおれには関心がなくなったようだった。
禅くんはファミレスのテーブルに二台並べたノートパソコンの画面にもどってしまう。
まぁ、彼の場合実際に生活してるのは、こっちのリアルワールドではなく、そっちのビットワールドのなかなんだけどな。
池袋にはむやみにスターバックスがある。
おれにはドトールも、プロントも、ベローチェも変わらない。
もともとおしゃれな感じの店が苦手なのだ。
必死にメニューを眺めて、なんとか・モカ・マキアートというのを注文する。
おかしなキャップのついた紙コップをもって、二階にあがった。
十二月の午後の熟れた日射しが落ちるソファ席で、おれに手を振るやつがいる。グレイ霜降の半ズボン。
あの眼鏡の生意気な子供だった。
まわれ右をしようかと思ったが、おれはやつの向かいに座った。
話くらい聞いてやってもいいだろう。