ー特別編ー野獣とユニオン
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タカシと紅、宮塚、それにおれの四人が、音川を護送するように囲んで移動した。
ソーラーは西池袋公園から細い道をはさんで建つログハウスだ。
扉も窓も木製で、まだ木の香りがする。
おれがドアを開けると、ひっつめ髪のオーナーが笑顔になった。
一階には数人の客がいる。ほとんどは若い女だった。
「いらっしゃい、悠くん。もう二階でお待ちよ」
「すみません、わがままいっちゃって。人数分のホットコーヒーください。もしかしたら、すこしおおきな声がするかもしれないけど、だいじょうぶですから」
おれたちはカフェの奥についた階段をあがった。
二階は夜だけつかっているバーカウンターのついた個室なのだ。
今回は俺たちだけの貸しきり。
重い木製のガラス戸を開いた。
正面にはおおきな窓。
公園の新緑のなかに、サクラの花がつつましく咲いている。
部屋の中央のテーブルには、チヒロとヒロのふたりが座っていた。
おれは踊り場にむかっていう。
「ちょっと待ってくれ」
おれは個室に顔をだした。おかしな顔をしているヒロが、おれにいった。
「今日はいったいどうなってるんだ。チヒロもなにもいわないし、いきなり会わせたい人がいるなんて」
もう隠しておく必要はないだろう。
おれは前髪をかきあげて、ヒロの明るい目を見た。
「いつかご馳走になったとき、あんたはいっていたよな。目と目を見て、きちんと話したら、相手のことを憎むだけじゃなくなるかもしれない。おれはチヒロに音川栄治を襲撃するように頼まれていた。だが、新しいけが人を出すより、あんたの言葉に賭けてみたくなったんだ。まわらはおれたちで固める。だから、思う存分やつの目を見て話をするといい」
おれは階段に声をかけた。
「きてくれ」
音川が最初にログキャビンの一室にはいってきた。
かすかに震えているようだ。
ヒロを見ても、相手が誰だかわからないようだ。
おれはいった。
「あの人の正面の席に座ってくれ。おまえがなぐりつけ、ひざを砕き、金を奪った被害者だ」
おれの言葉をきいた瞬間から、やつはそわそわと落ち着かなくなった。
視線は自分のつま先だけ見ている。
這うような速度で室内にすすみ、ヒロの正面に腰かけた。
おれはじれったくなっていった。
「どうした、エイジ。おまえが襲った人をちゃんと見ろ。この場がSウルフにはいるための試験なんだ。なんでもいい、おまえの心にあることを見せてみろ。おまえがやったことは……」
ヒロがてをあげて、おれを止めた。
しずかな声には爆発しそうな怒りがこもっている。
ソーラーは西池袋公園から細い道をはさんで建つログハウスだ。
扉も窓も木製で、まだ木の香りがする。
おれがドアを開けると、ひっつめ髪のオーナーが笑顔になった。
一階には数人の客がいる。ほとんどは若い女だった。
「いらっしゃい、悠くん。もう二階でお待ちよ」
「すみません、わがままいっちゃって。人数分のホットコーヒーください。もしかしたら、すこしおおきな声がするかもしれないけど、だいじょうぶですから」
おれたちはカフェの奥についた階段をあがった。
二階は夜だけつかっているバーカウンターのついた個室なのだ。
今回は俺たちだけの貸しきり。
重い木製のガラス戸を開いた。
正面にはおおきな窓。
公園の新緑のなかに、サクラの花がつつましく咲いている。
部屋の中央のテーブルには、チヒロとヒロのふたりが座っていた。
おれは踊り場にむかっていう。
「ちょっと待ってくれ」
おれは個室に顔をだした。おかしな顔をしているヒロが、おれにいった。
「今日はいったいどうなってるんだ。チヒロもなにもいわないし、いきなり会わせたい人がいるなんて」
もう隠しておく必要はないだろう。
おれは前髪をかきあげて、ヒロの明るい目を見た。
「いつかご馳走になったとき、あんたはいっていたよな。目と目を見て、きちんと話したら、相手のことを憎むだけじゃなくなるかもしれない。おれはチヒロに音川栄治を襲撃するように頼まれていた。だが、新しいけが人を出すより、あんたの言葉に賭けてみたくなったんだ。まわらはおれたちで固める。だから、思う存分やつの目を見て話をするといい」
おれは階段に声をかけた。
「きてくれ」
音川が最初にログキャビンの一室にはいってきた。
かすかに震えているようだ。
ヒロを見ても、相手が誰だかわからないようだ。
おれはいった。
「あの人の正面の席に座ってくれ。おまえがなぐりつけ、ひざを砕き、金を奪った被害者だ」
おれの言葉をきいた瞬間から、やつはそわそわと落ち着かなくなった。
視線は自分のつま先だけ見ている。
這うような速度で室内にすすみ、ヒロの正面に腰かけた。
おれはじれったくなっていった。
「どうした、エイジ。おまえが襲った人をちゃんと見ろ。この場がSウルフにはいるための試験なんだ。なんでもいい、おまえの心にあることを見せてみろ。おまえがやったことは……」
ヒロがてをあげて、おれを止めた。
しずかな声には爆発しそうな怒りがこもっている。