ー特別編ー野獣とユニオン
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安心するようにやつに笑いかけ、最初の番号を選んだ。
池袋のストリートの王様、虎狗琥崇。
やつにはすでに話を通してあった。
春でも溶けない山頂の雪。
タカシの声にはあれくらいの冷たさとまぶしさが同居している。
『どうなった』
「契約成立だ。万が一のために人をふたりよこしてくれ。おれは西口公園にいる。」
やつはなにがおかしいのか、くすくすと笑った。
『場所なら解っている。ステージそばのベンチだろ。ここからよく見える。いまからふたり腕利きをだす。それにおれもちょっとのぞきにいく』
タカシが出てくるなんて、子どもの喧嘩に最高裁の判事を使うようなものだ。
あわてていった。
「なにもお前が顔を出すことないだろ。話が面倒になる」
そのとき円形広場の反対側に携帯電話を耳にあてるタカシの姿が見えた。
真っ白な革のブルゾンに、イタリア軍の迷彩軍パン。
両側には黒ずくめで、シルバーバンダナだけ額に巻いた宮塚と紅いバットを片手に担いだ紅。
氷のような声でいう。
『今回の話をおまえがどういうふうに裁くのか見ておきたい。おれも池袋のガキの裁判はしょっちゅうだ。参考になるかもしれない』
おれはあきらめて、ボディガードをひきつれ円形広場を越えてくる王様を待った。
タカシがまえに立つと、音川は自然に直立不動になった。
おれのときとは反応が段違い。
まあ、やつの噂は恐ろしいものが多いから仕方ない。
タカシはじっとやつを見て、まったく感情をおもてに出さなかった。
「こいつが音川か」
そうだといった。
「悠から話は聞いた。おまえをたった今、Sウルフのメンバーに迎える。もしお前を脅すやつがいるなら、おれの名を出せ。そいつはSウルフ全員の敵だ。」
タカシは黙った。
音川は感激で口もきけずにいる。
王様は冷たく言った。
「わかったら、返事をしろ」
「は、はい」
音川は直立不動のまま声を張った。
足元にひざまずき、タカシの編みあげのコンバットブーツにキスでもしかねない勢い。
おれは携帯を抜いて二番目の番号にかけた。
これから向かうとチヒロにいってすぐ切る。
タカシにいう。
「いっとくけど、おれは絶対おまえの裁判の参考になんか、なんないからな。何考えてんだ」
王様は無関心にいう。
「さて、悠の腕のみせどころだ。その店に案内してくれ。」
カフェの名前は「ソーラー」。
太陽の恵みだ。
オーナーはまだ若い女性で、何回か足を運ぶうちに仲良くなった。
店は西口公園からほんの二百メートルくらいの西池袋三丁目にある。
池袋のストリートの王様、虎狗琥崇。
やつにはすでに話を通してあった。
春でも溶けない山頂の雪。
タカシの声にはあれくらいの冷たさとまぶしさが同居している。
『どうなった』
「契約成立だ。万が一のために人をふたりよこしてくれ。おれは西口公園にいる。」
やつはなにがおかしいのか、くすくすと笑った。
『場所なら解っている。ステージそばのベンチだろ。ここからよく見える。いまからふたり腕利きをだす。それにおれもちょっとのぞきにいく』
タカシが出てくるなんて、子どもの喧嘩に最高裁の判事を使うようなものだ。
あわてていった。
「なにもお前が顔を出すことないだろ。話が面倒になる」
そのとき円形広場の反対側に携帯電話を耳にあてるタカシの姿が見えた。
真っ白な革のブルゾンに、イタリア軍の迷彩軍パン。
両側には黒ずくめで、シルバーバンダナだけ額に巻いた宮塚と紅いバットを片手に担いだ紅。
氷のような声でいう。
『今回の話をおまえがどういうふうに裁くのか見ておきたい。おれも池袋のガキの裁判はしょっちゅうだ。参考になるかもしれない』
おれはあきらめて、ボディガードをひきつれ円形広場を越えてくる王様を待った。
タカシがまえに立つと、音川は自然に直立不動になった。
おれのときとは反応が段違い。
まあ、やつの噂は恐ろしいものが多いから仕方ない。
タカシはじっとやつを見て、まったく感情をおもてに出さなかった。
「こいつが音川か」
そうだといった。
「悠から話は聞いた。おまえをたった今、Sウルフのメンバーに迎える。もしお前を脅すやつがいるなら、おれの名を出せ。そいつはSウルフ全員の敵だ。」
タカシは黙った。
音川は感激で口もきけずにいる。
王様は冷たく言った。
「わかったら、返事をしろ」
「は、はい」
音川は直立不動のまま声を張った。
足元にひざまずき、タカシの編みあげのコンバットブーツにキスでもしかねない勢い。
おれは携帯を抜いて二番目の番号にかけた。
これから向かうとチヒロにいってすぐ切る。
タカシにいう。
「いっとくけど、おれは絶対おまえの裁判の参考になんか、なんないからな。何考えてんだ」
王様は無関心にいう。
「さて、悠の腕のみせどころだ。その店に案内してくれ。」
カフェの名前は「ソーラー」。
太陽の恵みだ。
オーナーはまだ若い女性で、何回か足を運ぶうちに仲良くなった。
店は西口公園からほんの二百メートルくらいの西池袋三丁目にある。