ー特別編ー家なき者たちのパレード
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「だったら、どうすればいいんだ。警察や役所を介入させないで、俺たちだけで解決できる問題なのか。こいつはれっきとした犯罪なんだぞ?」
ヨウスケの声は切なかった。
「それがわからないから、困っているんだ。悠さん、なにかいい考えはない?」
なぜ、世のなかのガキは考えにつまると、おれにすべての問題を押しつけるのだろうか。
なんだかひどく不公平だ。だが、そこで問題を投げ出せないのが、おれの悪い癖。
頭のなかにはアイディアのかけらもないのに、俺は胸を叩いていた。
「わかった。俺がなんとかする。」
お調子者は救われない。
バカは学習しない。
性格と音楽の趣味のいい知的な男は女にモテない。
俺はそろそろ主役の座をおりたくなった。
その場で解散して、家に戻ることにした。
むかっ腹が立ってたまらなかった。
なぜ、被害者のほうがこそこそして、悪党がのうのうと暮らしているのだろうか。
そのまま家に帰るのは気がすすまなかったので、城用建設を見学していくことにした。
住所はわかっている。
池袋本町は川越街道の北にある静かな文教地区だった。
豊島学院や東京交通短大や唱和鉄道高校なんかがある。
城用建設のビルはすぐに見つかった。
周囲は普通のマンションや一軒家なんだが、そこになぜか真っ白いビルが建っているのだ。
正面玄関にはギリシャ神殿みたいなセンスのない円柱が四本も並んでいる。
そのうしろにあるのはごく普通の四階建ての古いビルになんだがな。
手前の駐車場には、ひとモデルまえのメルセデスのSクラスと、ライトバンが二台おいてあった。
俺はとおりの向かいのガードレールに座り、三十分ほど建物を眺めていた。
人のでいりはまったくといっていいほどない。
制服姿(タイトスカートっていいよな)のOLが近所のコンビニになにかを買いにいったくらい。
帰り際の俺の印象は単純。
なんて見栄っ張りな会社。
いや、解決策なんて簡単なものだよな。
ヒントはその印象にあったんだから。
もっとも俺はそのときなにも気づいていなかったので、いらいらとしながらうちに帰り、その日は一日イライラしながら過ごした。
人間のもつ資質のなかで、きちんとものごとを持っているというのは、かなり上位にあるものだ。
あきらめないで、待つ。
別になにもしなくてもいいんだ。
待つだけで、事態が変わることもある。
翌日の朝、俺の頭には目を覚ましたとたん、ひとつの言葉が輝いていた。
【見栄っ張り!】
俺はすぐにヨウスケに電話をかけた。
眠そうな声で代表はいった。
『どうしたの、悠さん、いいアイディアでも浮かんだ?』
そうだといった。
「なあ、ヨウスケのところの力で、ホームレスのみんなに動員をかけれないかな」
『どういうこと』
俺はにやりと笑ってしまった。
「だからさ、団体交渉だよ。あぶれ手帳を取り返すためのな」
『だったら、炊き出しのあとがいいんじゃないかな。その足でみんなを連れていけばいい。でも、いったいどこいくの』
「城用建設」
ヨウスケの声は切なかった。
「それがわからないから、困っているんだ。悠さん、なにかいい考えはない?」
なぜ、世のなかのガキは考えにつまると、おれにすべての問題を押しつけるのだろうか。
なんだかひどく不公平だ。だが、そこで問題を投げ出せないのが、おれの悪い癖。
頭のなかにはアイディアのかけらもないのに、俺は胸を叩いていた。
「わかった。俺がなんとかする。」
お調子者は救われない。
バカは学習しない。
性格と音楽の趣味のいい知的な男は女にモテない。
俺はそろそろ主役の座をおりたくなった。
その場で解散して、家に戻ることにした。
むかっ腹が立ってたまらなかった。
なぜ、被害者のほうがこそこそして、悪党がのうのうと暮らしているのだろうか。
そのまま家に帰るのは気がすすまなかったので、城用建設を見学していくことにした。
住所はわかっている。
池袋本町は川越街道の北にある静かな文教地区だった。
豊島学院や東京交通短大や唱和鉄道高校なんかがある。
城用建設のビルはすぐに見つかった。
周囲は普通のマンションや一軒家なんだが、そこになぜか真っ白いビルが建っているのだ。
正面玄関にはギリシャ神殿みたいなセンスのない円柱が四本も並んでいる。
そのうしろにあるのはごく普通の四階建ての古いビルになんだがな。
手前の駐車場には、ひとモデルまえのメルセデスのSクラスと、ライトバンが二台おいてあった。
俺はとおりの向かいのガードレールに座り、三十分ほど建物を眺めていた。
人のでいりはまったくといっていいほどない。
制服姿(タイトスカートっていいよな)のOLが近所のコンビニになにかを買いにいったくらい。
帰り際の俺の印象は単純。
なんて見栄っ張りな会社。
いや、解決策なんて簡単なものだよな。
ヒントはその印象にあったんだから。
もっとも俺はそのときなにも気づいていなかったので、いらいらとしながらうちに帰り、その日は一日イライラしながら過ごした。
人間のもつ資質のなかで、きちんとものごとを持っているというのは、かなり上位にあるものだ。
あきらめないで、待つ。
別になにもしなくてもいいんだ。
待つだけで、事態が変わることもある。
翌日の朝、俺の頭には目を覚ましたとたん、ひとつの言葉が輝いていた。
【見栄っ張り!】
俺はすぐにヨウスケに電話をかけた。
眠そうな声で代表はいった。
『どうしたの、悠さん、いいアイディアでも浮かんだ?』
そうだといった。
「なあ、ヨウスケのところの力で、ホームレスのみんなに動員をかけれないかな」
『どういうこと』
俺はにやりと笑ってしまった。
「だからさ、団体交渉だよ。あぶれ手帳を取り返すためのな」
『だったら、炊き出しのあとがいいんじゃないかな。その足でみんなを連れていけばいい。でも、いったいどこいくの』
「城用建設」