ー特別編ー家なき者たちのパレード
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
びっくりガードは昼でも薄暗く、蛍光灯がつけっぱなしになっている。
通行人はほとんどなく、自動車がえらい勢いでぶっ飛んでいくだけだ。
三人組の中央には、タンクトップのごつい身体をした男。
リーダーなのだろう、暴力的な雰囲気と同時に自信が感じられる。
左右に控えるのはひょろりとやせた長髪のおやじと、背は低いががっちりとした体格の坊主頭。
タンクトップが俺を睨み付けて口を開いた。
「おまえら、なにもんだ。」
俺は絆の会員証をあげてみせた。適当なでたらめをいっておく。
「代表から頼まれて、この街のホームレスの人たちがどんな生活をしてるか調査してるんだ。都のほうにレポートをあげなくちゃいけなくてね。補助金をもらうのも楽じゃない。」
長髪のおやじがいった。
「俺たちのことは放っておけ。こそこそと探りをいれるんじゃない」
おれ達はその日に聞き込みを始めたばかりだった。
ホームレスの情報網はあなどれない。
そういえばガンさんは携帯をもっていた。
噂はあっという間に広がるのだろう。
背の高さよりも横幅の方があるんじゃないかというカニのような体格の坊主頭が、首を横にひねりながらリーダーにいった。
「ノボさん、すこしはたいておきますか」
どうやらこいつが三人組の暴力担当らしい。
さて、優希を担いで逃げ足の速さを見せるときが来たのだろうか。
周囲には助けを求められるような人間はいない。
「ガタ、やめておけ」
左右のふたりを押し退けるようにして、ノボと呼ばれたリーダーが前にでてきた。
俺との目と目のあいだはほんの五十センチ。
細めた目で睨み付けてくる。
「俺たちには俺たちの掟がある。外からきて、あれこれとかきまわすんじゃない。つぎはガタにお前をやらせるぞ。いいか、こいつはムショに二、三年はいっても痛くもかゆくもないやつだ」
おっかない。
だが、俺には力もないくせに、脅されると余計なことをいいたくなる癖があった。
死に至る病だ。
「それであんたたちはあぶれ手帳をとりあげて、ホームレスの仲間をあちこちで殴り付けているんだな。」
三人組の顔色が変わった。
「誰がそんなことを抜かした。いい加減なふかしをいれてるんじゃねぇぞ」
今度は長髪の男がわめいていた。
「やめておけ、ユニコ」
男の動きがぴしりととまった。
ノボは俺の方を向いて、無表情にいう。
「いいか、ちゃんと警告したからな。この件をかぎまわるんじゃない。わかったな。」
ノボはぐっとこぶしをにぎりこんだ。
何をするのだろうかと見ていると、俺ではなく、手近にあったビニールシートハウスを殴り付けた。
ダンボールにベニヤ、梱包用のバンドでつくられたジャモさんのハウスが、バリバリと音をたてて壊されていった。
通行人はほとんどなく、自動車がえらい勢いでぶっ飛んでいくだけだ。
三人組の中央には、タンクトップのごつい身体をした男。
リーダーなのだろう、暴力的な雰囲気と同時に自信が感じられる。
左右に控えるのはひょろりとやせた長髪のおやじと、背は低いががっちりとした体格の坊主頭。
タンクトップが俺を睨み付けて口を開いた。
「おまえら、なにもんだ。」
俺は絆の会員証をあげてみせた。適当なでたらめをいっておく。
「代表から頼まれて、この街のホームレスの人たちがどんな生活をしてるか調査してるんだ。都のほうにレポートをあげなくちゃいけなくてね。補助金をもらうのも楽じゃない。」
長髪のおやじがいった。
「俺たちのことは放っておけ。こそこそと探りをいれるんじゃない」
おれ達はその日に聞き込みを始めたばかりだった。
ホームレスの情報網はあなどれない。
そういえばガンさんは携帯をもっていた。
噂はあっという間に広がるのだろう。
背の高さよりも横幅の方があるんじゃないかというカニのような体格の坊主頭が、首を横にひねりながらリーダーにいった。
「ノボさん、すこしはたいておきますか」
どうやらこいつが三人組の暴力担当らしい。
さて、優希を担いで逃げ足の速さを見せるときが来たのだろうか。
周囲には助けを求められるような人間はいない。
「ガタ、やめておけ」
左右のふたりを押し退けるようにして、ノボと呼ばれたリーダーが前にでてきた。
俺との目と目のあいだはほんの五十センチ。
細めた目で睨み付けてくる。
「俺たちには俺たちの掟がある。外からきて、あれこれとかきまわすんじゃない。つぎはガタにお前をやらせるぞ。いいか、こいつはムショに二、三年はいっても痛くもかゆくもないやつだ」
おっかない。
だが、俺には力もないくせに、脅されると余計なことをいいたくなる癖があった。
死に至る病だ。
「それであんたたちはあぶれ手帳をとりあげて、ホームレスの仲間をあちこちで殴り付けているんだな。」
三人組の顔色が変わった。
「誰がそんなことを抜かした。いい加減なふかしをいれてるんじゃねぇぞ」
今度は長髪の男がわめいていた。
「やめておけ、ユニコ」
男の動きがぴしりととまった。
ノボは俺の方を向いて、無表情にいう。
「いいか、ちゃんと警告したからな。この件をかぎまわるんじゃない。わかったな。」
ノボはぐっとこぶしをにぎりこんだ。
何をするのだろうかと見ていると、俺ではなく、手近にあったビニールシートハウスを殴り付けた。
ダンボールにベニヤ、梱包用のバンドでつくられたジャモさんのハウスが、バリバリと音をたてて壊されていった。