ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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「よく知ってますね。友達から最近CDをもらったんです。ウィルヘルムのほう」
そうかと、クモ男は俺を見て無邪気に笑った。
どこにも害意のない存在に見える。
俺はひねくれキャラを思い出した。
「メールで読んだけど、やっぱり眠剤と練炭が一番楽なんですか」
クモ男はやはり笑ったままいった。
「うーん、そうだな。この何年か、その方法がスタンダードになってるかな。実際問題、手間も費用もかからないし、苦痛も少なくてらくだと思うよ。」
あともうひと押しだった。おれは不服そうな顔をした。
「でもさ、一酸化炭素中毒になるまえに目を覚ましたら、頭痛とか吐き気とか錯乱状態になるんですよね。ゲロまみれで死ぬの嫌だなあ。絶対に目の覚めない眠剤の組み合わせってあるんですか。」
クモ男は自信満々にうなずいた。
「ばっちりだよ。イソミタールとブロバリン」
ビンゴだった。
そのとき別な応募者がカーテンを割って入ってきた。三十代の割りときれいな女。
それから死の志願者が続々と集合する。
アンタも楽しんでくれ。
二時間半の懺悔大会の始まりはじまり…。
そのときに志願者たちが話した内容を書くのはフェアじゃないだろう。
なにせみんなまだ生きてるからな。
俺が思ったのは、実にさまざまな、そして些細な理由で人は死にたがるものだということだった。
新しく買った靴が足にあわなくて、靴擦れができた。それが痛くてたまらない。どう頑張ってもその程度の理由にしか聞こえないやつもいた。
俺はあの美人院長を思いだし、必死に共感的理解と受容に努めた。
そうでもしなけりゃ、腹が立ってたまらなかったのだ。
自分の番では、俺は苦悩について語らなかった。
誰になにを聞かれても絶対に話したくないと言い切る。
俺は自分の苦悩を突き放し、ただひたすら死の決意だけを訴えた。
スパイダーは笑っていった。
「君の決意の固さはおもしろいなあ。それにバランスがとてもいいと思う。なんだか今すぐ死ななくてもいいような感じだな。」
俺はひやりとしたが、それはやつの冗談のようだった。スパイダーはいった。
「よかったら、みんなのスケジュールがあう最短の日に、レンタカーを借りようと思う。みんな、OKの日をそれぞれ何日かあげてくれないか」
夏休みの旅行の予定でも立てているようだった。
なぜかその場にいる自殺志願者はみなハイになっている。
我先にスケジュールを告げる男女を無視して、俺はいった。
「ちょっと、トイレ。」
男女共用の狭い個室にはいり、携帯を抜いた。
最初にでたのはミズホだった。
そうかと、クモ男は俺を見て無邪気に笑った。
どこにも害意のない存在に見える。
俺はひねくれキャラを思い出した。
「メールで読んだけど、やっぱり眠剤と練炭が一番楽なんですか」
クモ男はやはり笑ったままいった。
「うーん、そうだな。この何年か、その方法がスタンダードになってるかな。実際問題、手間も費用もかからないし、苦痛も少なくてらくだと思うよ。」
あともうひと押しだった。おれは不服そうな顔をした。
「でもさ、一酸化炭素中毒になるまえに目を覚ましたら、頭痛とか吐き気とか錯乱状態になるんですよね。ゲロまみれで死ぬの嫌だなあ。絶対に目の覚めない眠剤の組み合わせってあるんですか。」
クモ男は自信満々にうなずいた。
「ばっちりだよ。イソミタールとブロバリン」
ビンゴだった。
そのとき別な応募者がカーテンを割って入ってきた。三十代の割りときれいな女。
それから死の志願者が続々と集合する。
アンタも楽しんでくれ。
二時間半の懺悔大会の始まりはじまり…。
そのときに志願者たちが話した内容を書くのはフェアじゃないだろう。
なにせみんなまだ生きてるからな。
俺が思ったのは、実にさまざまな、そして些細な理由で人は死にたがるものだということだった。
新しく買った靴が足にあわなくて、靴擦れができた。それが痛くてたまらない。どう頑張ってもその程度の理由にしか聞こえないやつもいた。
俺はあの美人院長を思いだし、必死に共感的理解と受容に努めた。
そうでもしなけりゃ、腹が立ってたまらなかったのだ。
自分の番では、俺は苦悩について語らなかった。
誰になにを聞かれても絶対に話したくないと言い切る。
俺は自分の苦悩を突き放し、ただひたすら死の決意だけを訴えた。
スパイダーは笑っていった。
「君の決意の固さはおもしろいなあ。それにバランスがとてもいいと思う。なんだか今すぐ死ななくてもいいような感じだな。」
俺はひやりとしたが、それはやつの冗談のようだった。スパイダーはいった。
「よかったら、みんなのスケジュールがあう最短の日に、レンタカーを借りようと思う。みんな、OKの日をそれぞれ何日かあげてくれないか」
夏休みの旅行の予定でも立てているようだった。
なぜかその場にいる自殺志願者はみなハイになっている。
我先にスケジュールを告げる男女を無視して、俺はいった。
「ちょっと、トイレ。」
男女共用の狭い個室にはいり、携帯を抜いた。
最初にでたのはミズホだった。