ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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ちょっとでてくると真桜にいったら、心配そうな顔をした。
「お前、最近だいじょうぶかなの。いつも部屋からホラー映画みたいな曲が流れてくるし、積んである本は『自殺に至る人の深層
心理』とか『鬱病治療の最前線』とか。何か悩みがあるなら、ちゃんと真桜にいえなのー」
俺は笑っていった。
「大丈夫。俺が自殺なんてするように見えるか。今度のネタの勉強さ。」
真桜はふかくためいきをついた。
「そのやる気が勉強にでていればいいのになの。知ってるか、お前は幼少時代のころは神童と呼ばれていたそうだぞ…なの」
リアル天才に幼女がなにいってんだ?
っか、どっからそんな話を聞いてきたのかしらないが、俺はおお喜びで聞いた。
「それで」
「本は一回読んだだけで全部覚えるし、自動車の名前も、テレビの番組表もすらすらと暗記していたと近藤がいってたなの。それが今ときたら、こうなの」
自分のこめかみをさして、渦巻きをつくる。
クルクルパー?
俺は無言のまま心的外傷を抱え、西口公園に向かった。
油田のパイブラインのような太いベンチには、すでにコーサクが待っていた。
これから始まる夜を控えて、都心の公園はにぎやかなお祭りさわぎ。
「よくきてくれたね、悠さん」
夕日を浴びた明るい笑顔がそういった。
おれはまだコーサクとそれほど親しくはなかった。
だから、いきなりの呼び出しにちょっと驚いていたのだ。
「めずらしいな、ひとりだけなんて。俺になんか用があるの」
コーサクはベンチのうえで、落ち着かないようだった。
「ううん、とくに用があるわけじゃないんだ。ちょっと話しでもしようかなって思って。そうだ、これ、あげる」
やつはそういうとタワーレコードの黄色い袋をさしだした。
なかを確かめてみる。
ベートーヴェンのピアノソナタ全集だった。ピアニストは、ウィルヘルム・ケンプ。
田舎の音楽教師のような地味な演奏家だ。
コーサクはいった。
「この全集、うちにあるやつは、父親の形見のレコードなんだ。一時期毎日朝から晩まで、そのレコードをきいていた時期があった。悠さんもクラシックが好きなんだよね。これはそのレコードのCD再発版なんだけど、よかったらきいてみて」
照れくさそうに遠くのビルを見ている。
俺は友人からベートーヴェンなんてもらったことがなかった。
まわりのダチには基礎的な教養が欠けてるやつが多いのだ。
「ありがとう。今度ゆっくりきかせてもらうよ。いいたくなければいいけど、コーサクのおとうさんて、どんな人だったんだ」
やつの顔が赤く輝いた。
夕日となにか夕日に似たまぶしい思い出があるのだろう。
「お前、最近だいじょうぶかなの。いつも部屋からホラー映画みたいな曲が流れてくるし、積んである本は『自殺に至る人の深層
心理』とか『鬱病治療の最前線』とか。何か悩みがあるなら、ちゃんと真桜にいえなのー」
俺は笑っていった。
「大丈夫。俺が自殺なんてするように見えるか。今度のネタの勉強さ。」
真桜はふかくためいきをついた。
「そのやる気が勉強にでていればいいのになの。知ってるか、お前は幼少時代のころは神童と呼ばれていたそうだぞ…なの」
リアル天才に幼女がなにいってんだ?
っか、どっからそんな話を聞いてきたのかしらないが、俺はおお喜びで聞いた。
「それで」
「本は一回読んだだけで全部覚えるし、自動車の名前も、テレビの番組表もすらすらと暗記していたと近藤がいってたなの。それが今ときたら、こうなの」
自分のこめかみをさして、渦巻きをつくる。
クルクルパー?
俺は無言のまま心的外傷を抱え、西口公園に向かった。
油田のパイブラインのような太いベンチには、すでにコーサクが待っていた。
これから始まる夜を控えて、都心の公園はにぎやかなお祭りさわぎ。
「よくきてくれたね、悠さん」
夕日を浴びた明るい笑顔がそういった。
おれはまだコーサクとそれほど親しくはなかった。
だから、いきなりの呼び出しにちょっと驚いていたのだ。
「めずらしいな、ひとりだけなんて。俺になんか用があるの」
コーサクはベンチのうえで、落ち着かないようだった。
「ううん、とくに用があるわけじゃないんだ。ちょっと話しでもしようかなって思って。そうだ、これ、あげる」
やつはそういうとタワーレコードの黄色い袋をさしだした。
なかを確かめてみる。
ベートーヴェンのピアノソナタ全集だった。ピアニストは、ウィルヘルム・ケンプ。
田舎の音楽教師のような地味な演奏家だ。
コーサクはいった。
「この全集、うちにあるやつは、父親の形見のレコードなんだ。一時期毎日朝から晩まで、そのレコードをきいていた時期があった。悠さんもクラシックが好きなんだよね。これはそのレコードのCD再発版なんだけど、よかったらきいてみて」
照れくさそうに遠くのビルを見ている。
俺は友人からベートーヴェンなんてもらったことがなかった。
まわりのダチには基礎的な教養が欠けてるやつが多いのだ。
「ありがとう。今度ゆっくりきかせてもらうよ。いいたくなければいいけど、コーサクのおとうさんて、どんな人だったんだ」
やつの顔が赤く輝いた。
夕日となにか夕日に似たまぶしい思い出があるのだろう。