ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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翌日、芸術劇場のカフェにまた全員で集まった。懺悔大会の報告をするコーサクの表情はひどく明るかった。
この数日の落ち込みが嘘のようだ。
「あのゴスロリの子は視線恐怖と醜貌恐怖なんだって。あんなに目立つカッコしてるのに、おかしな話だよね。」
俺はとんちんかんな事をいった。
「それくらいなら、顔のことなんか気にすんなってボーイフレンドがひと声いえば治るような気がするけどな。」
ミズホは冷たい目で俺を見た。
「私はカウンセリングの勉強をしてるからわかるけど、そんな簡単なものじゃないの。症状を分類するのはすぐにできるけど、あらわれかたは全然違うしね。彼からそんなふうに励まされるのが、自殺の引き金になることもある。治療が必要なくらいの心の悩みは、一筋縄ではいかないのよ。」
そうかというかわりにうなずいておいた。
ヒデがいった。
「男たちはどんな動機だった。」
俺はどうやってヒデがこの筋肉を維持しているのか興味を持っていた。連日反自殺活動で動きまわっているのだ。
「なあ、話の途中で悪いけど、いったいいつトレーニングしてるんだ。」
ヒデは右手で左腕の上腕三頭筋をつかんでいう。
「ジムの早朝コース。今日も二時間で、二十トンばかりあげてきたよ。噂じゃアンタもそれなりにいいガタイしてるらしいじゃないか。一緒にやるか」
筋肉♪筋肉♪
絶対に数すくないファンが離れていくだろう。
「やめとく」
コーサクが笑っていった。
「じゃあ、僕がやろうかな。なんだか今、すごくやる気があるんだよね。そうそう、昨日の男たちだけど、ニルヴァーナは対人恐怖、紺ジャケは燃え尽き症候群、空の友達は……」
坊っちゃん刈りのしたで、まゆをひそめる。
「あの人ははっきりと症状を分類できないや。なんていうか生きていることの漠然とした不安かな。」
俺は驚いていった。
「そんなのが自殺の理由になるのか」
コーサクは笑っている。俺はコイツの笑顔をちゃんと見るのは初めての気がした。小学校に上がる前の子供のようなくしゃくしゃの笑いだ。
「それはあるよ。漠然と世界の全てを覆う、でも強烈な不安。そんなの凄く苦しいだろうと思う。」
ミズホが事務的にいう。
「じゃあ決行日は決まったの」
コーサクは夢見るようにうなずいた。
「うん、今度の花金の夜。場所は六本木。全部で六人だから、三列シートの大型ワゴン車にするって言っていた。」
ヒデが座ったまま首のストレッチを開始した。戦闘準備なのだろう。
「方法は」
「いつもの」
眠剤のカクテルと練炭による一酸化炭素中毒か。ミズホが質問する。
「クスリは誰が手配するの」
コーサクはにこにこしていう。
「空の友達。自分が通っている心療内科でもらったやつを、飲まずにため込んでおいたんだって。眠剤の組み合わせは、まだわからない。なんだか、今回はスパイダーじゃないみたいだね」
ヒデは首だけでなく、肩のストレッチも始めた。芸術劇場のカフェというより、ボディビルコンテストの控室みたいだ。
この数日の落ち込みが嘘のようだ。
「あのゴスロリの子は視線恐怖と醜貌恐怖なんだって。あんなに目立つカッコしてるのに、おかしな話だよね。」
俺はとんちんかんな事をいった。
「それくらいなら、顔のことなんか気にすんなってボーイフレンドがひと声いえば治るような気がするけどな。」
ミズホは冷たい目で俺を見た。
「私はカウンセリングの勉強をしてるからわかるけど、そんな簡単なものじゃないの。症状を分類するのはすぐにできるけど、あらわれかたは全然違うしね。彼からそんなふうに励まされるのが、自殺の引き金になることもある。治療が必要なくらいの心の悩みは、一筋縄ではいかないのよ。」
そうかというかわりにうなずいておいた。
ヒデがいった。
「男たちはどんな動機だった。」
俺はどうやってヒデがこの筋肉を維持しているのか興味を持っていた。連日反自殺活動で動きまわっているのだ。
「なあ、話の途中で悪いけど、いったいいつトレーニングしてるんだ。」
ヒデは右手で左腕の上腕三頭筋をつかんでいう。
「ジムの早朝コース。今日も二時間で、二十トンばかりあげてきたよ。噂じゃアンタもそれなりにいいガタイしてるらしいじゃないか。一緒にやるか」
筋肉♪筋肉♪
絶対に数すくないファンが離れていくだろう。
「やめとく」
コーサクが笑っていった。
「じゃあ、僕がやろうかな。なんだか今、すごくやる気があるんだよね。そうそう、昨日の男たちだけど、ニルヴァーナは対人恐怖、紺ジャケは燃え尽き症候群、空の友達は……」
坊っちゃん刈りのしたで、まゆをひそめる。
「あの人ははっきりと症状を分類できないや。なんていうか生きていることの漠然とした不安かな。」
俺は驚いていった。
「そんなのが自殺の理由になるのか」
コーサクは笑っている。俺はコイツの笑顔をちゃんと見るのは初めての気がした。小学校に上がる前の子供のようなくしゃくしゃの笑いだ。
「それはあるよ。漠然と世界の全てを覆う、でも強烈な不安。そんなの凄く苦しいだろうと思う。」
ミズホが事務的にいう。
「じゃあ決行日は決まったの」
コーサクは夢見るようにうなずいた。
「うん、今度の花金の夜。場所は六本木。全部で六人だから、三列シートの大型ワゴン車にするって言っていた。」
ヒデが座ったまま首のストレッチを開始した。戦闘準備なのだろう。
「方法は」
「いつもの」
眠剤のカクテルと練炭による一酸化炭素中毒か。ミズホが質問する。
「クスリは誰が手配するの」
コーサクはにこにこしていう。
「空の友達。自分が通っている心療内科でもらったやつを、飲まずにため込んでおいたんだって。眠剤の組み合わせは、まだわからない。なんだか、今回はスパイダーじゃないみたいだね」
ヒデは首だけでなく、肩のストレッチも始めた。芸術劇場のカフェというより、ボディビルコンテストの控室みたいだ。