ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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「お願い。うちのクラブに力を貸して。私たちの目的は簡単。あの日こうすればよかったって、一晩中悩むような子どもをひとりでも減らすことなの。ギャラはあんまりあげられないけど。」
三人を順番に見て、しっかりとうなずいた。
俺は甘くて間抜けな人間だが、それでもすこしはできることがある。
三人組の異常なまじめさも気に入っていた。
この夏のやけつくような退屈を吹き飛ばすにも、スパイダー探しはうってつけだろう。
「わかった。俺はいつも金もらってないから」
「ありがとう、悠さん」
ミズホは黒いTシャツの胸を揺らしてそういった。
あと二百回くらい礼をいわれたい気分。
首を振るのにあわせて胸が揺れるのだ。
ヒデとコーサクはまんざらでもなさそうに、俺にうなずきかけた。
俺たちは互いの携帯の番号を交換して、芸術劇場のカフェをでた。
反自殺クラブの特別メンバーに任命されたおれは、自分の部屋に帰るとさっそくネットにつないだ。
検索エンジンで自殺系サイトといれると約七百件のヒット。メンタルへルス&自殺でサーチすると一万近いホームページがでてくる。
確かにこれでは、自殺系サイトをひとつくらい潰しても意味がなかった。
それから二時間休みなく、あちこちの暗黒サイトをチェックして歩く。
強迫神経症、視線恐怖症、瀉血依存症、洗浄強迫、演技性人格障害。
あるサイトのBBSでは、飛び降りと首つりのどちらのほうの苦痛がすくないか、延々と半年にわたる議論が続いていた。
そこでは死はもっとも親しい友人で、お手軽なおもちゃなのだ。
注射針をネットで購入した瀉血依存の男は、バケツいっぱいの血を抜いて、死にそうになったと書いていた。
二日がかりで、一・二リットル。
心臓の動悸がとまらず、貧血で倒れたそうだ。
別な女はリストカットがやめられず、切った手首の傷跡をいじる癖がついたという。
ぱくりと開いた白い脂肪に指を突っ込んで白い腱を爪でむしる癖。
傷口はなかなかふさがらなくなったそうだ。
おれは地獄めぐりの二時間で、すっかり生きる気力をなくしてしまった。
風呂あがりにベッドに倒れていると、俺の携帯がなった。
『悠さん』
ミズホの声だった。
酔っ払った俺はさっそくセクハラ行為におよぶ。
「デートの誘いか」
ミズホはふふっと笑う。
『だったらいいけど、今夜またシューダンがありそうなの』
シューダン自殺?
俺は布団から飛び起きた。目が覚める。
「どこだ」
『雑司ヶ谷霊園のなかを抜ける道らしい。今、コーサクとヒデが追ってる。私たちがなにをするか見てみたくない。』
俺は足をもつれさせながら短パンを脱ぎ、軍パンをはいた。
「ああ、すぐにいく」
『そうこなくっちゃ。じゃあ、三十分後に家のまえに迎えにいくね』
三人を順番に見て、しっかりとうなずいた。
俺は甘くて間抜けな人間だが、それでもすこしはできることがある。
三人組の異常なまじめさも気に入っていた。
この夏のやけつくような退屈を吹き飛ばすにも、スパイダー探しはうってつけだろう。
「わかった。俺はいつも金もらってないから」
「ありがとう、悠さん」
ミズホは黒いTシャツの胸を揺らしてそういった。
あと二百回くらい礼をいわれたい気分。
首を振るのにあわせて胸が揺れるのだ。
ヒデとコーサクはまんざらでもなさそうに、俺にうなずきかけた。
俺たちは互いの携帯の番号を交換して、芸術劇場のカフェをでた。
反自殺クラブの特別メンバーに任命されたおれは、自分の部屋に帰るとさっそくネットにつないだ。
検索エンジンで自殺系サイトといれると約七百件のヒット。メンタルへルス&自殺でサーチすると一万近いホームページがでてくる。
確かにこれでは、自殺系サイトをひとつくらい潰しても意味がなかった。
それから二時間休みなく、あちこちの暗黒サイトをチェックして歩く。
強迫神経症、視線恐怖症、瀉血依存症、洗浄強迫、演技性人格障害。
あるサイトのBBSでは、飛び降りと首つりのどちらのほうの苦痛がすくないか、延々と半年にわたる議論が続いていた。
そこでは死はもっとも親しい友人で、お手軽なおもちゃなのだ。
注射針をネットで購入した瀉血依存の男は、バケツいっぱいの血を抜いて、死にそうになったと書いていた。
二日がかりで、一・二リットル。
心臓の動悸がとまらず、貧血で倒れたそうだ。
別な女はリストカットがやめられず、切った手首の傷跡をいじる癖がついたという。
ぱくりと開いた白い脂肪に指を突っ込んで白い腱を爪でむしる癖。
傷口はなかなかふさがらなくなったそうだ。
おれは地獄めぐりの二時間で、すっかり生きる気力をなくしてしまった。
風呂あがりにベッドに倒れていると、俺の携帯がなった。
『悠さん』
ミズホの声だった。
酔っ払った俺はさっそくセクハラ行為におよぶ。
「デートの誘いか」
ミズホはふふっと笑う。
『だったらいいけど、今夜またシューダンがありそうなの』
シューダン自殺?
俺は布団から飛び起きた。目が覚める。
「どこだ」
『雑司ヶ谷霊園のなかを抜ける道らしい。今、コーサクとヒデが追ってる。私たちがなにをするか見てみたくない。』
俺は足をもつれさせながら短パンを脱ぎ、軍パンをはいた。
「ああ、すぐにいく」
『そうこなくっちゃ。じゃあ、三十分後に家のまえに迎えにいくね』