ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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それはどこかの自殺系サイトのトップページをプリントアウトしたものだった。
通常あの手の暗黒系サイトは地の色が真っ暗だったりするものだが、そいつは違っていた。
白く輝く地紋には、空から降る花びらが透けている。淡いピンクのハスの花だ。明るくて、軽やかな印象。
「どうおもう、悠さん」
「おふざけじゃなければ、逆に薄気味悪いな」
ミズホはとがったあごでうなずいた。
「そう。そのスイ、スイ、スイサイドが一番凶悪な自殺系サイトなんだ。集まるのはすべての悩みを吹っ切って、自殺に明るい希望をもっている人ばかり。最後の脱出口なんだって」
口を開けたまま、白い紙を読んでいく。
並んでいる項目は頭の痛くなるものばかり。
・ラクチンに自殺する50の方法
・日本の自殺名所トップ20
・わたしはこれで逝きますベストの眠剤組み合わせ&OD法
・最後の友達みつけよう!BBS
「この最後の友達ってやつが、心中掲示板なのか」
ミズホはうなずいていった。
「そう。このひと月半くらいのあいだに東京近辺で起きた六件の集団自殺事件のうち、四件はスイ、スイ、スイサイド!発なんだ。私たちがなにをしたいのか、悠さんにもわかるよね」
「そこの自殺サイトをぶっ潰す」
でかいほうのヒデが肩をすくめた。
「サイトを潰しても同じだ。自殺サイトのなんて、何百もある。すぐに次のがくるさ。もうそこをまねたライト系の自殺サイトがいきつかできてるからな」
さすがに俺もわけがわからない。
「じゃあ、なにやるんだよ。」
ミズホは俺の目をまっすぐ見つめてきた。ヒデとコーサクも同じだ。
異常に真剣な顔つき。
「その話をききたいなら、なにがあってもこの依頼をうけてもらわなきゃならないの。先に返事をちょうだい」
好みのタイプの女にそんなことをいわれたら、色好い返事をするしかない。
俺はこう見えてもけっこうフェミニストなのだ。
それにここまでの話で、ひどく好奇心を動かされてもいた。
もともとはリアルな世界のほうが好きなのだが、明るい自殺サイトの話しには強烈な吸引力がある。
「わかったよ。アンタたちの手伝いをする。うまくいくかどうかはわからないけど、俺も全力でがんばるよ」
コーサクがまた口のなかでいう。
「問題はいつもぼくたちの全力が、必要な力には届かないことだ」
ミズホはひとり沈んでいるコーサクを無視していった。
「私たちが追っているのは、一匹のクモ。あの心中掲示板に巣を張って、つぎつぎと集団自殺をプロデュースしている名前のないクモ野郎なんだ」
明るい自殺サイトのスパイダーマン?
うーん、弱った。
俺はハリウッドのVFX大作が苦手なのだ。
ミズホのこれまでになく硬かった。
「このスパイダーが男か女か、まだわかっていない。年齢も外見も、どこに住んでどんな仕事をしているのかもわからない。ただ、これなでに何件もスイ、スイ、スイサイド!の心中掲示板で、自殺志願者を募っているのは確か」
俺にはまだ話がよく呑みこめなかった。
クモ男はまあいいだろう。
だが、自殺教唆(じさつきょうさ)を繰り返す変態なら、とっくに捕まっているはずではないだろうか。
警察でさえ気づかないのなら、どうやって反自殺クラブの三人はその人物の存在を知ったのか。
通常あの手の暗黒系サイトは地の色が真っ暗だったりするものだが、そいつは違っていた。
白く輝く地紋には、空から降る花びらが透けている。淡いピンクのハスの花だ。明るくて、軽やかな印象。
「どうおもう、悠さん」
「おふざけじゃなければ、逆に薄気味悪いな」
ミズホはとがったあごでうなずいた。
「そう。そのスイ、スイ、スイサイドが一番凶悪な自殺系サイトなんだ。集まるのはすべての悩みを吹っ切って、自殺に明るい希望をもっている人ばかり。最後の脱出口なんだって」
口を開けたまま、白い紙を読んでいく。
並んでいる項目は頭の痛くなるものばかり。
・ラクチンに自殺する50の方法
・日本の自殺名所トップ20
・わたしはこれで逝きますベストの眠剤組み合わせ&OD法
・最後の友達みつけよう!BBS
「この最後の友達ってやつが、心中掲示板なのか」
ミズホはうなずいていった。
「そう。このひと月半くらいのあいだに東京近辺で起きた六件の集団自殺事件のうち、四件はスイ、スイ、スイサイド!発なんだ。私たちがなにをしたいのか、悠さんにもわかるよね」
「そこの自殺サイトをぶっ潰す」
でかいほうのヒデが肩をすくめた。
「サイトを潰しても同じだ。自殺サイトのなんて、何百もある。すぐに次のがくるさ。もうそこをまねたライト系の自殺サイトがいきつかできてるからな」
さすがに俺もわけがわからない。
「じゃあ、なにやるんだよ。」
ミズホは俺の目をまっすぐ見つめてきた。ヒデとコーサクも同じだ。
異常に真剣な顔つき。
「その話をききたいなら、なにがあってもこの依頼をうけてもらわなきゃならないの。先に返事をちょうだい」
好みのタイプの女にそんなことをいわれたら、色好い返事をするしかない。
俺はこう見えてもけっこうフェミニストなのだ。
それにここまでの話で、ひどく好奇心を動かされてもいた。
もともとはリアルな世界のほうが好きなのだが、明るい自殺サイトの話しには強烈な吸引力がある。
「わかったよ。アンタたちの手伝いをする。うまくいくかどうかはわからないけど、俺も全力でがんばるよ」
コーサクがまた口のなかでいう。
「問題はいつもぼくたちの全力が、必要な力には届かないことだ」
ミズホはひとり沈んでいるコーサクを無視していった。
「私たちが追っているのは、一匹のクモ。あの心中掲示板に巣を張って、つぎつぎと集団自殺をプロデュースしている名前のないクモ野郎なんだ」
明るい自殺サイトのスパイダーマン?
うーん、弱った。
俺はハリウッドのVFX大作が苦手なのだ。
ミズホのこれまでになく硬かった。
「このスパイダーが男か女か、まだわかっていない。年齢も外見も、どこに住んでどんな仕事をしているのかもわからない。ただ、これなでに何件もスイ、スイ、スイサイド!の心中掲示板で、自殺志願者を募っているのは確か」
俺にはまだ話がよく呑みこめなかった。
クモ男はまあいいだろう。
だが、自殺教唆(じさつきょうさ)を繰り返す変態なら、とっくに捕まっているはずではないだろうか。
警察でさえ気づかないのなら、どうやって反自殺クラブの三人はその人物の存在を知ったのか。