ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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俺たちが生きているこの国では、毎日百人近い人間が音もなく消えていく。
そのうちのほとんどは報道されることもなく、身近なもの以外には知られる機会もない。
ただある日突然、そいつはこの世界から消え失せて、やつがいた場所に真空の傷を残していく。
いっちまったやつはまあいいだろう。
だが、残されたものはたまらない。
だってそこにあるのは、あらゆる疑問や感情を吸いこむ完璧な真空なのだ。
なぜ、どうして、もっといっしょにいたかったのに。
残された者が無数に投げる言葉は、ただ誰もいない空間に飲まれていくだけだ。
返事は無い。
解答もない。
理解も、納得もない。
永遠に続く一方通行である。
それは日々の暮らしの中に口を開けた透明な深淵だ。永遠に閉じることのない傷口なのだ。
そいつは時として、ガラスの牙をむき、残された者たちに襲いかかることがある。わかるだろうか。真空は伝染することがある。
俺は日本中の親父にいっておきたい。
アンタの子供が十六歳以下だとすると、父親が自殺した場合、通常の何百倍もアンタの子供の自殺性向は高まる。
こいつは単なる統計的事実。
アンタは、アンタの子供まで自分と同じようになっても平気なのか。
いっておくが、別に俺は立派な人間なんかじゃない。
説教するつもりはないし、自殺がいいことか、悪いことかといわれても、本当はよくわからないところがあるんだ。
ただ俺の親しい誰かがそんなことをしたら、ひどく悲しくなるだろうと思うだけ。
そりゃあ、きつかったのはわかるさ。
俺たちはこのくだらない世界に生まれ、誰ひとり楽な人生を送るようには設計されていない。
アンタだって、すごくがんばってたもんな。
でも、周りのみんなに、こんなおみやげを置いていかなくったっていじゃないか。
……最初からしんみりした話になっちまった。だが、からからに乾いた梅雨からでたらめな猛暑の夏にかけて、俺がこの目で見たしずかな死体の数をきいたら、アンタだって納得するはずだ。
一酸化炭素中毒によるろう人形のようにピンクに透きとおった死体の数々。
この夏は思い出したくもない集団自殺の夏だった。
俺は何とか自分が向こう側につれていかれなくて良かったと思うだけ。
真空の力はそれほど圧倒的で、生きている人間を暗黒の宇宙空間に吸いだそうとする。
そいつに対抗するには、俺たちは生きる力の全てを集めて闘わなきゃいけない。
さあ、この夏の話を始めよう。
今回はネットに巣をはる真空のスパイダーVS反自殺クラブのネタ。
スパイダーといってもハリウッドの特撮ものみたいに薄っぺらなマスクマンじゃないよ。
やつはアニメのキャラではなく、自分自身も真空に傷つけられ、目を濡らしながら獲物を探していたんだから。
俺がどちらの手助けをしたかは、いわなくてもわかるよな。
もちろん魅力的な女性キャラがいる方。
真空に対抗するには、生きていることの甘い蜜が不可欠なのだ。
アンタもこの話が終わったら、どこかあやしい街にでも遊びにいってくれ。
女でも、酒でも、スイーツでもいい。
仕事だけでなく、日本の夏にはもっとドルチェ・ヴィータが必要なのだ。
WORLD・THE・Link 2dr
【反自殺クラブ】
そのうちのほとんどは報道されることもなく、身近なもの以外には知られる機会もない。
ただある日突然、そいつはこの世界から消え失せて、やつがいた場所に真空の傷を残していく。
いっちまったやつはまあいいだろう。
だが、残されたものはたまらない。
だってそこにあるのは、あらゆる疑問や感情を吸いこむ完璧な真空なのだ。
なぜ、どうして、もっといっしょにいたかったのに。
残された者が無数に投げる言葉は、ただ誰もいない空間に飲まれていくだけだ。
返事は無い。
解答もない。
理解も、納得もない。
永遠に続く一方通行である。
それは日々の暮らしの中に口を開けた透明な深淵だ。永遠に閉じることのない傷口なのだ。
そいつは時として、ガラスの牙をむき、残された者たちに襲いかかることがある。わかるだろうか。真空は伝染することがある。
俺は日本中の親父にいっておきたい。
アンタの子供が十六歳以下だとすると、父親が自殺した場合、通常の何百倍もアンタの子供の自殺性向は高まる。
こいつは単なる統計的事実。
アンタは、アンタの子供まで自分と同じようになっても平気なのか。
いっておくが、別に俺は立派な人間なんかじゃない。
説教するつもりはないし、自殺がいいことか、悪いことかといわれても、本当はよくわからないところがあるんだ。
ただ俺の親しい誰かがそんなことをしたら、ひどく悲しくなるだろうと思うだけ。
そりゃあ、きつかったのはわかるさ。
俺たちはこのくだらない世界に生まれ、誰ひとり楽な人生を送るようには設計されていない。
アンタだって、すごくがんばってたもんな。
でも、周りのみんなに、こんなおみやげを置いていかなくったっていじゃないか。
……最初からしんみりした話になっちまった。だが、からからに乾いた梅雨からでたらめな猛暑の夏にかけて、俺がこの目で見たしずかな死体の数をきいたら、アンタだって納得するはずだ。
一酸化炭素中毒によるろう人形のようにピンクに透きとおった死体の数々。
この夏は思い出したくもない集団自殺の夏だった。
俺は何とか自分が向こう側につれていかれなくて良かったと思うだけ。
真空の力はそれほど圧倒的で、生きている人間を暗黒の宇宙空間に吸いだそうとする。
そいつに対抗するには、俺たちは生きる力の全てを集めて闘わなきゃいけない。
さあ、この夏の話を始めよう。
今回はネットに巣をはる真空のスパイダーVS反自殺クラブのネタ。
スパイダーといってもハリウッドの特撮ものみたいに薄っぺらなマスクマンじゃないよ。
やつはアニメのキャラではなく、自分自身も真空に傷つけられ、目を濡らしながら獲物を探していたんだから。
俺がどちらの手助けをしたかは、いわなくてもわかるよな。
もちろん魅力的な女性キャラがいる方。
真空に対抗するには、生きていることの甘い蜜が不可欠なのだ。
アンタもこの話が終わったら、どこかあやしい街にでも遊びにいってくれ。
女でも、酒でも、スイーツでもいい。
仕事だけでなく、日本の夏にはもっとドルチェ・ヴィータが必要なのだ。
WORLD・THE・Link 2dr
【反自殺クラブ】