ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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「今の仕事をしながら、弟の学費をつくっているんです。弟は一生懸命受験勉強したし、優秀だったから、地方ですけど国立大学に合格してくれたんです。」
ジョナサンなんとかのインチキ話はどうなったのだろうか。
急に雰囲気が暗くなってきた。
エリーは涙ぐんだ目をしていった。
「ごめんなさい。関係ない話をしちゃって。桐山さんの子供時代の話を聞いていたら、なんだか私もいろいろ思い出しちゃって」
はにかんだ笑顔で、テーブルに乗せたプリンスメロンほどある胸をゆさぶって見せる。
これがすべて演技なら、主演女優ものだ。女に免疫の無いキヨヒコが一発でKOをくらったのも無理はない。
そこでエリーは最後の切り札を出した。
「でも、いまはこの仕事で満足しているんです。自分では描けなかったけど、美しいものをちゃんとわかってくれる人に、いい作品をお届けすることができる。世の中のほとんどの人には、美術の価値なんて理解してもらえませんからね。」
俺は狭い商談室で感心していた。
ほぼ完璧な販売システムだ。
少なくとも、ここまでは法に引っ掛かるような事は何もしていない。絵を見せられて、趣味を褒められて、やけに身体を密着されただけだ。
エリーはさらにテーブルに身体をのりだすと、ブラと乳房のあいだにすきまが見えた。
レースが邪魔でバストトップはお預けだけどな。
「わたしはあの絵を、どうしても桐山さんにてにいれていただきたいんです」
俺は自分もテーブルにまえのめりにならないようにした。
のぞかれていると思われるのは心外である。
エリーは音をたてて、椅子から立ち上がった。
「じゃあ、うちのギャラリーの店長にかけあってきます。このままお待ちください。すぐにもどりますから。」
抜群のスタイルのセールスレディは部屋を出ていった。よかった。これで安心して、冷たいジャスミン茶がのめる。
それにしても世界は広かった。なんでも知っているとうぬぼれていた池袋の街で、毎日こんなビジネスが横行していたのだ。
楽してもうけようという人間の欲望(リビドー)には限りがない。
エリーが戻ってきたのは三分後。
俺が代わり映えのしない壁の大量生産ジョナサンを眺めていると、息を切らして入ってくる。
「おめでとうございます、桐山さん。こんなことはめったにないんですけど、店長があのリトグラフを特別価格にしてくれました。」
テーブルにおいた俺の手をとって握りしめ、上下に振った。
小学校のフォークダンスを思い出す。
「八十万円のところを五十万にしてくれるそうです」
腹のなかでなるほどとうなった。
うまくできた仕掛けだ。
最初の正札はダミーなのだ。
ジョナサンなんとかのインチキ話はどうなったのだろうか。
急に雰囲気が暗くなってきた。
エリーは涙ぐんだ目をしていった。
「ごめんなさい。関係ない話をしちゃって。桐山さんの子供時代の話を聞いていたら、なんだか私もいろいろ思い出しちゃって」
はにかんだ笑顔で、テーブルに乗せたプリンスメロンほどある胸をゆさぶって見せる。
これがすべて演技なら、主演女優ものだ。女に免疫の無いキヨヒコが一発でKOをくらったのも無理はない。
そこでエリーは最後の切り札を出した。
「でも、いまはこの仕事で満足しているんです。自分では描けなかったけど、美しいものをちゃんとわかってくれる人に、いい作品をお届けすることができる。世の中のほとんどの人には、美術の価値なんて理解してもらえませんからね。」
俺は狭い商談室で感心していた。
ほぼ完璧な販売システムだ。
少なくとも、ここまでは法に引っ掛かるような事は何もしていない。絵を見せられて、趣味を褒められて、やけに身体を密着されただけだ。
エリーはさらにテーブルに身体をのりだすと、ブラと乳房のあいだにすきまが見えた。
レースが邪魔でバストトップはお預けだけどな。
「わたしはあの絵を、どうしても桐山さんにてにいれていただきたいんです」
俺は自分もテーブルにまえのめりにならないようにした。
のぞかれていると思われるのは心外である。
エリーは音をたてて、椅子から立ち上がった。
「じゃあ、うちのギャラリーの店長にかけあってきます。このままお待ちください。すぐにもどりますから。」
抜群のスタイルのセールスレディは部屋を出ていった。よかった。これで安心して、冷たいジャスミン茶がのめる。
それにしても世界は広かった。なんでも知っているとうぬぼれていた池袋の街で、毎日こんなビジネスが横行していたのだ。
楽してもうけようという人間の欲望(リビドー)には限りがない。
エリーが戻ってきたのは三分後。
俺が代わり映えのしない壁の大量生産ジョナサンを眺めていると、息を切らして入ってくる。
「おめでとうございます、桐山さん。こんなことはめったにないんですけど、店長があのリトグラフを特別価格にしてくれました。」
テーブルにおいた俺の手をとって握りしめ、上下に振った。
小学校のフォークダンスを思い出す。
「八十万円のところを五十万にしてくれるそうです」
腹のなかでなるほどとうなった。
うまくできた仕掛けだ。
最初の正札はダミーなのだ。